飲み会の勢いで200円でCanon FT QLを買った話
タイトルのとおりといえばその通りなのですけど、先に断っておくと、カメラ屋さんに立ち寄ったのは飲み会に行く前です。
だから、酔ってないし、判断力も正常(たぶん)な状態で買いました。
横浜駅近くのレモンのお店の出来事です。
ジャンク棚で200円。
キヤノンのフィルム一眼レフFT QLというカメラです。
判断力が正常な証拠に、ちゃんと買う前に全体をよく観察して、ボディだけとはいえ、シャッターは動くし、速さも変わるし、電池室にサビなんかもないし、みたところそれほど問題はなさそうなことは確認しました。
じゃあ、なぜ格安の200円かといえば、ひとことで言って、このカメラは人気がないのだと思う。
キヤノンのカメラというとレンジファインダー機が強いイメージで、一眼レフは出遅れていた印象がある。
ネットで見つけた笠松厚雄著「キヤノンにおけるカメラ産業史」(日本写真学会創立100周年記念特集)では、1959年にキヤノンフレックス(キヤノン初の一眼レフ機である)を紹介したあとは、1971年のF-1まで途中を盛大にすっ飛ばしている。
カメラ史的に1960年代はキヤノンの暗黒時代のようで、FT QLはそんな時代に作られたカメラです。
実際にカメラ自体もパッとした機能がなくどことなく地味だし、カメラ好きな人はどうせ買うなら後継機のFTbを選ぶだろうし、人気がないのはなんとなくわかる。
いっぽうで、赤城耕一さんの記事を読むと、当時やたらと広告を出していたということで、そこそこの台数が市場に出回っているのだろう。
ジャンク価格で激安なのも、そりゃそうだよね、って思います。
で、安いことに納得したところで、改めて手に入れたカメラを見ると、外装に少々のサビと、ファインダーに曇りと汚れがある以外は、見たところ綺麗である。
シャッターも動く。
何回かシャッターを押していると、たまにミラーが上がったまま戻らなくなることがわかった。でも、カメラを振れば元に戻るみたいだし(機械的に正しい対処かはわからないけど)大きな問題ではなさそうだ。
よく見ると、露出計の電池にサイズを合わせるアダプタが入っている。
また、ボディの底面にフェルトが貼ってある。
昔に買ってそれっきり、というわけではなく、サイズのあう電池が発売されなくなった時代まで、手を入れて使われていたことが伺える。
というわけで、カメラ自体はちゃんと使えそうなので、追加でメルカリでレンズを手に入れました。
これも綺麗なレンズが1,200円で手に入りました。
フィルム(1,350円)を含めて合計2,750円。
Threadsで先人が同じ構成で一式4,000円で手に入れて喜んでいた投稿を見たけど、それよりもお安いです。
さっきの赤城さんの記事でも、「すっきりしたデザインでフォルムがきれい」って紹介されていましたけど、まさにその通りだと思います。
準備が整ったので(寒くない日に)持ち出すことにします。