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リストラーズ強火オタクの忙しい脳内 ⑬チャンピオン

はじめに

 昭和歌謡アカペラグループの大ファンと言いつつも、自分がリアルタイムで記憶している昭和60年代以外は、知っているのが母親好みの曲に偏ってしまっていると感じています。母は、自家用車にカセットテープの再生機器が搭載されている間は、運転中ほぼ常に、自分の好きな曲だけを集めたカセットテープを聴いていました。小さかった私にとっては、テレビで流れる曲も、車の中で流れる曲も、ポジション的には似たようなものです。
 そんなわけで、安全地帯辺りは「懐かしい」感覚がある一方で、似たような時期の曲でも、母にセレクトされなかった曲は、後になってからテレビの懐メロ番組で知った「昔の曲」なのです。うーむ。

 その中の1曲が、今回の題材。男臭く、力強く、哀愁に満ちた色褪せない名曲です。リストラーズさんとしては、おそらくかなり古くからのレパートリーで、YouTubeにも様々なバージョンが挙げられているので、見比べるのも一興。
 今回取り上げるのは、在宅勤務版の「チャンピオン」。事前に予告しますが、この動画の加藤さんは無限にカッコいいので、記事の内容が加藤さん寄りになりますことをご容赦ください。いや、澤田さんはじめほかの方々もいつもながらに素敵なんですが、加藤さんがあまりにも…。

 では、脳内実況シリーズ第13弾、行ってみましょう♪

脳内実況

【0:00~0:18】

・重みのあるリズム隊の音色が、試合に臨むボクサーの鼓動のよう
・いつもなら柔らかく優しい音色の野村さん&加藤さんペアも、今回は力強い印象
・草野さん&澤田さんは楽器っぽいというか、ある意味リズム隊寄りというか
・加藤さん、他の在宅勤務動画(特に初期)では基本控えめなイメージだけど、この曲ではリードの1人だけに、主役のオーラが滲み出てますね
・ほんのちょっとした動きが、目を惹きつけてくるんですよ…

【0:19~0:29】

・上村さんのフィルはいつ聴いてもカッコいいけど、ここももちろん例外ではない
・そう言えば、このころはまだ背後に梯子がありませんね
・コーラスは、概要欄にタグがあるとおり、多重録音を使用している感じかな
・加藤さんの歌声は、クールでありつつも、物語を鮮やかに描いてくれる
・画面の左に右にと何気なく立ち振る舞っているように見えて、「振りほどいて」で払った右手の先が画角にきっちり収まってるあたり、絶対計算されてるんだよなぁ
・この、力みのない自然な感じをキープしながらやることきっちりこなしてるのが、加藤さんの凄さ
・野村さんの隙のない完璧さとはまた違って、隙がありそうに見えるけど重要な部分は決して外さず、見えている隙も却って魅力として機能するから結果的に完璧、そんな感じの超人

【0:30~0:40】

・「わずかに震える」とか「白いガウン」の振り付け、リアルでまともに見てしまったら大変なことになりそう(ファンが)
・この時の視線の動きもね、素敵ですよね
・この曲通して、加藤さんはカメラ目線ではなくかなり遠くを見ているんですが、それも、この曲における加藤さんの立ち位置を表現しているような
・ストーリーテラー、あるいは往年のチャンピオンのリング人生を特集したドキュメンタリーのナレーターのような感じで、どこか客観的

【0:41~0:51】

・リードが澤田さんに交代
・澤田さんは加藤さんと対照的にカメラ目線で、歌声も熱量高め
・それぞれ谷村さん、堀内さんのイメージなのかな
・リングサイドで実況するスポーツアナウンサー的な印象もある
・それにしても、目力!!
・澤田さん、すごく丁寧に歌詞を歌っていらっしゃる
・声楽的な発声で、それも複数人で歌うと歌詞が聞き取りにくくなりがちなので、合唱の民は「子音を立てろ」と耳タコレベルで言われるわけですが、そういうことなんだろうなぁと
・リード以外についての言及が少ないのはですね、ここまでほぼ一定のトーンで来ているのと、おそらくは意識的に角が削られているというか、個性を抑えてあるからなんです、きっと
・ナチュラルに「伴奏」として聞こえるように調整されてる感じで、ビジュアル的にも不動だからね、仕方ないね!

【0:52~1:02】

・で、ここですよ
・コーラスに初めて歌詞が入って盛り上げてからの、拳を見せる仕草!
・リードの澤田さんは、拳にもガシッと力が入ってそう
・何なら背景に赤い炎が見えますね(幻覚)
・対する加藤さんの、何ともクールなこと…
・でも冷めているのではなくて、青白い炎が燃えてる感じ
・相変わらずポージングも完璧
・あと、見せた拳を下げるところも優雅なんですよね
・リズム隊のお二人は、淡々と落ち着いた感じ
・草野さんは澤田さん寄りで熱く、野村さんは加藤さん寄りでややクール
・そして、何度見ても何故か笑いがこみあげてしまう草野さんのカットイン
・いや、音的に明らかにカッコいいし、見た目的にも笑う感じではないのに、なぜだろう

【1:03~1:14】

・ここより前は淡々とほぼ一定のリズムを刻んでいたリズム隊が、急にアクティブになる
・上村さんのバスドラ?音がすごく好きです
・コーラスの「パパパパパパパ」の切れ味も好き
・ここ、主旋律はどっちなのかなぁ
・原曲を聴いても良く分からないけど、リストラーズ的には野村さんがリードだろうか
・澤田さんパートもいいメロディなんですよ!
・2人で歌っているからか、堀内さん色が少し薄れて澤田さんの素(に近いと思われる)の美声が聴けるので、ぜひ意識して聴いてみてほしい
・ここの野村さんはカッコよさに振ってる
・音色の柔らかさと力強さの両立って可能なのか…
・そこから「パラン」の高音に行けるのがすごすぎる
・練習してみても、分かっててもできないんですよね…
・「You're king of kings」、淡々としてるのに凄みがある

【1:15~1:26】

・(あ、背中合わせから戻ってる途中の野村さんが素敵)
・野村さんの左手は、エアマイクでしょうか
・前パートの盛り上がりから、加藤さんリードで一気に落ち着く
・歌詞的にはかなり厳しいことを言っているんだけれども、加藤さんの優しい声で歌われると、励まされている印象になりますね
・炎が…燃えている……
・加藤さんの手のひらから青白い炎が!見えた気がした!
・魔術師か何かですか!?

【1:27~1:44】

・イントロと同じ動きが再び
・その後もコーラスは前と同じアレンジ(多分)だけど、リードが加藤さんから澤田さんになっている
・一つ一つの歌詞に、しっかり感情が乗っている印象
・歌詞から想像すると、試合もクライマックスに近く、令和の世ならリングアナが絶叫するような状況ではあるまいか
・昭和のリングアナは叫びはしないけれど、会場の熱をしっかり伝える中継をしてくれるイメージ

【1:45~1:54】

・「わずかに」と「光る」のところのように、発声で情景を表現されるのがとても素敵
・動画というよりも、マンガの1コマ1コマを丁寧に描写されている感じ
・「あしたのジョー」の絵柄で浮かんでくる…力石徹…
・どうでもいい余談ですが、私の母は力石徹の葬式に参列したらしい

【1:55~2:05】

・加藤さんの歌声に、少し熱量が増している気がする
・歌詞的には、先ほどの澤田さんリード部分よりカメラ位置が遠くて、かつ「チャンピオン」本人を映していないシーン
・引きの絵ですよね
・ここからの加藤さん、本当に神懸ってると思う
・「襲い掛かる」の表情が、緊張感を高めてくる
・「若い力で」の動き、具体的に何を表現しているのかははっきりしないけれど、最後に指をさすところがなぜか、講談師っぽく感じた

【2:06~2:16】

・「倒れて落ちた」で大きく動きながらも、歌声は安定の穏やかさ
・この時の視線の動きがまた、迷いがなくて完璧
・何より、本当に画面から落ちてるコーラス&リズム隊の皆様
・この動画はおそらく映像と音が別撮りだと思われるけれど、リサイタルでもこの動きやってるもんなぁ…
・一斉にではなくバラバラと、そしてゆっくりと立ち上がってくる感じがこの曲に合っている気がする
・「疲れて眠るように」が優しくて…。まるで花を手向けるような…
・代表のカットインで場面転換

【2:17~2:29】

・ここの加藤さんの歌声、ものすごく好きです
・力強さと優しさと、甘みもある…最高……
・野村さんの歌声が、同じフレーズの前の回とは少し印象が違う
・相方が澤田さんか加藤さんかで、歌い方を変えてるんだなぁ
・ここの草野さんのハモリ、結構な高音だけど自然な音
・澤田さんの「You're king of kings」、さすがの渋さ

【2:30~2:40】

・澤田さんのリードで視点がリングサイドに戻る
・この部分、前に出てきた「立ち上がれ~」の対比になってますね
・澤田さんの歌い方は少しデフォルメ的な表現で、「あしたのジョー」を引きずって聴いているとちょうどいい
・ここは丹下段平か
・相変わらず草野さんは鮮烈だなぁ

【2:41~2:52】

・このフレーズは3回目だけど、コーラスがかなり明るい和音で構成されていることに今更気づいた
・お二人の「切れた唇」の表現がいいですよね
・親指!!
・そしてまた、完璧なバランスのハーモニー!

【2:53~3:03】

・ここで、敗れた元「チャンピオン」の一人称視点に
・加藤さんの感情を強調しない淡々とした歌い方が、この場面にぴったり合っていると思う
・負けて「悔しい」という感情がもう無くて、ただ「終わった」のだと
・晴れやかというわけではないだろうけれど、悔いもないんだろうなぁ
・こんなことを、歌声から感じ取れるんだから本当にすごい
・澤田さんの雄たけびのような歌声が、どこか切ない
・この時の加藤さんが、個人的なベストオブ加藤さん
・あまりにもダンディ

【3:04~3:19】

・かなり無理な姿勢のまま体の向きを変えたりしてるのに、なんで歌い続けられるんですか
・特にリズム隊
・この動画は(以下略)としても、リサイタルでも同じ動きしますからね、この人たち
・普通ここまで発声に影響しそうな振り付け入れないでしょ…
・歌えちゃうんだからOKだけど、できる方がおかしいのでは疑惑
・3:13あたりの拳を突き上げる動き、ここもまたカッコいいところ
・特に加藤さん、よく見るとただまっすぐ立っているわけではなくて、上体をかなり右に倒して頭はまっすぐという、やろうとしてもかなり難しい体勢を取っている
・その結果として、拳と顔の位置が上下にきれいに並んで、すごく整ったビジュアルになるんだけれども
・こんなん、どうやって考えるの…??ええぇ……
・終始「3」の路線を排除して「2」に振り切った加藤さんがイケ過ぎてる動画でした!

おわりに

 「野村さん最推し勢とは?」と言われても仕方のない、今回の記事。だってカッコいいんだもん。
 リストラーズさんに出会って最初の頃、加藤さんの印象は「ズルいくらい甘い声の人」だったわけですが、この動画で「ズルいのは声だけではない」ことに気づいてしまったのでした。そりゃ、ファンも増えちゃいますよね!

 私の若かりし頃、流行りの歌を知る手段は、専らTVの歌番組でした。毎週のランキングを見ては、ヒット曲を覚えようと必死になったものです。多くの若者が同じように歌番組を見ていたこの時代は、「誰もが知る大ヒット曲」が生まれやすくCDが飛ぶように売れる一方で、ランキングから消えればもう「古い」という印象になってしまうこともありました。

 YouTubeやサブスクが主体となっている令和の現在、「誰もが知る大ヒット曲」は生まれにくくなった一方、幅広い音楽が様々な人に楽しまれている印象です。ここでいう「幅広い」には、発表された時期も含まれます。
 自家用車の中で聴いたカセットテープの井上陽水を、幼い私が古いと感じなかったのと同じように、昭和の曲でも令和の曲でも、初めて知る曲なら新しいと感じられる、そんな感性を持っていたいもの。往年の名曲にたくさんのリスペクトとともに新しいエッセンスを加えて見せてくださるリストラーズさんのお力を借りて、少しずつ、自分の感性に水やりをしたいと思います。