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2018年12月に公開された「医薬分業に関する取りまとめ」から考えてみた
2018年12月に厚生省による「薬機法等制度改正に関する取りまとめ」と「医薬分業に関する取りまとめ」が公表されました。これは医薬品医療機器制度部会において計10回におよぶ会議の元にまとめられたものです。薬局の「これから」を考える上で重要なヒントが隠されているため、公開された全文を元にじっくりと考えてみました。現在までに当薬局が行なっていることを踏まえながら、今後どのような方向に向かっていけばいいのかを考えてみました。
今後の地域における薬物療法の提供に当たっての患者支援のあり方
近年、少子高齢化がさらに進展し、我が国の各地域において、医療・介護・保健・福祉等に関わる関係機関等が連携して住民を支える地域包括ケアシステムの構築が進められている。このような中で、患者は、外来、在宅、入院、介護施設など複数の療養環境を移行することから、療養環境に関わらず、 医師と薬剤師が密に連携し、他の職種や関係機関の協力を得ながら、患者の服薬状況等の情報を一元的・継続的に把握し、最適な薬学的管理やそれに基づく指導を実施することが重要となっている。
→ 患者の服薬状況などの情報を把握、薬学的な管理をするには医師と薬剤師のさらなる連携が重要です。当薬局では、医師の在宅訪問、サービス付き高齢者住宅、特別養護老人ホームの医師回診に同行しています。薬剤師側としては、処方変更意図などが理解でき、さらに残薬調整もその場で行うことができ、日数調整の疑義照会を処方箋を受け取った後に行うことが不要となります。また、違った視点として医師の「症状→診断の流れ」を見ることができ、新人薬剤師、実習生などは非常に勉強になるかと思います。
特に、今後、在宅医療の需要の増加が見込まれる中で、必要な患者に対して在宅で安全かつ効果的な薬物療法を提供することは大きな課題となっており、これに薬剤師・薬局が関わるためには、「患者のための薬局ビジョン」でも指摘されているように、かかりつけ薬剤師・薬局の機能を果たすことが必要である。
→当薬局では、在宅医療に積極的に関与しています。2017年度の当薬局における在宅患者数は46名、在宅患者訪問管理指導数・居宅療養管理指導は374件でした。そのため在宅医療に必要な医療材料 (インヒューザーポンプ・フーバー針)、クリーンベンチも完備しています。在宅訪問先でも薬歴が見れたり、薬歴記載ができるGooCo (https://goodcycle.net/service/gooco/) を採用しています。
また、がんの薬物療法に関して、経口薬が増加して外来で処方される機会が多くなっているなど、専門性が高い薬学的管理が継続的に必要となる薬物療法が提供される機会が増加している。このような状況に適切に対応するためには、臨床現場で専門性が高く、実践的な経験を有する医療機関の薬剤師が中心的な役割を果たしつつも、地域の実情に応じて、一定の資質を有する薬局の薬剤師が医療機関の薬剤師と連携しながら対応することが望ましいと考えられる。
→当薬局の集中率は67%であり、近隣の病院だけではなく、大学病院や総合病院からの処方箋も多く応需しています。がんの薬物療法を外来で行うケースが増えており、薬局において副作用のモニタリング、適切な服薬指導が重要です。分子標的薬を含め、この分野の薬剤の種類も増えています。
これらの地域における医療のニーズの変化への対応については、医療機関の医師等が中心となって対応することが不可欠であるが、今後一層の高齢化や人口減少が見込まれる中において地域包括ケアシステムの更なる進 展が求められることなどを踏まえると、薬剤師が、薬局で勤務する中で他の職種や関係機関と連携しながらこれらの業務に関わっていくことには意義があると考えられる。
→当薬局では健康教室や地域ケア会議の出席を行なっています。 これまで数多く行なってきました。健康教室を題材にした論文も発表しました。(https://ci.nii.ac.jp/naid/40021353350)
そのためには、薬剤師が他の職種からも患者からも信頼されるに足る資質を持つことが前提となるが、この点に関しては、今後の薬学教育の下で、 臨床において患者に接しながら薬学的な問題を発見し、それを解決できるようにするための臨床に係る実践的な能力を有する薬剤師の養成がさらに 進められることを期待する。加えて、薬剤師の免許取得後も、地域で求められている役割が発揮できるよう、常に自己研鑽に努め、専門性を高めていくための取組が必要である。
→専門薬剤師資格、学会発表、論文執筆などを行える薬剤師必要である。また、薬学生、新人薬剤師の教育できる薬剤師が必要であると考える。当薬局においても資格を資格取得や論文執筆が重要であると考え、応援できる体制作りを行なっている。これまで「認定実務実習指導薬剤師」「漢方生薬認定薬剤師」「日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師」「NR・サプリメントアドバイザー」「小児薬物療法認定薬剤師」「スポーツファーマシスト」「JPALS レベル6」「メディカルハーブコーディネーター」などの資格を取得しております。
続きはまた次回。