’23年『ひろがるスカイ!プリキュア』―ヒーローたちが斬ったもの、救ったもの
『ひろがる』の敵組織が歴代に比べて優良で寛大らしい。
(『FUJIWARA超合キーン』「プリキュア座談会」2023.5.23 より)
幹部交代のサイクルが早いのは初代シリーズから観られる。
テレビアニメの『セーラームーン』ダーク・キングダム編で『赤影』を引用して四天王を交代させていったことからか、女性ヒーローものの敵組織が成果主義を先駆けし、『プリキュア』シリーズでも引き継がれ、かつスパンも短くなっていく。
『戦隊』でいえば、年間で活躍しているケースが多く、『ライダー』でも交代制はあれど、比較的スパンは長い。
高度成長期の日本型企業の影響力の度合いからか?
女性幹部を積極登用している側面から先進性を指摘されてもいるが、いずれの敵組織もパワハラ体質であることは共通しているように思う。
昭和のテレビシリーズの『仮面ライダー』は、怪人たちに哀愁がある。『戦隊』も然りだろう。組織に無理やり従わされ、無茶な命令にあくせく働かされ、それはいつの時代にもいる、何らかの主義思想に素直に従ってしまう日本人の姿、ともいえる。
そんな日本人を風刺的に斬ることで、ある種の解放を描いているのが日本のヒーローものの伝統なのかもしれない(?)
『ひろプリ』においては、組織が緩やかになり、かつ、「ヒーロー」を標榜し、昭和的なスポコンを継承する女性に斬られるどころか、助けられ、救われている、といえるのが『ひろがるスカイ!プリキュア』なのかもしれない。
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