エリシオ 『キラキラ☆プリキュアアラモード』
”大好きも、大嫌いもない世界” を一時的に創造し得た、史上最も、世界を屈服させたキャラクター、と言っても過言ではないかもしれない。
『SS』のゴーヤーン、『ひろプリ』のスキアヘッドなど、側近が主をも併呑してしまうパターンでもある。
「互いの気持ちが強ければ強いほど、光と闇の争いは終わらないだろう。それでは、あまりにも、哀れな……」
「あるじゃん、あなたにもあるよ、心」
(『キラプリ』48話、エリシオとキュアホイップのやりとりから)
”大好きも大嫌いもなくせば、感情や心を持たなければ、争いはなくなる”
”そう思うこと自体も、また心があるからこそ”
禅問答みたいなやりとりが重ねられる終盤。
肉弾戦はやらない(お菓子の武器で戦ってはいたが)、”プリキュア=伝説の戦士” ではく ”伝説のパティシエ” と定義が変わるなど、諸々の実験がなされていたといえる『キラプリ』。
エリシオの ”心とは何ぞや” に問いかけてきた各エピソード、終盤でのニヒリズムに極まっていく展開は、シリーズでも屈指のパンチラインである。