【ワールドトリガー考察】ヒュースの剣術から見る近界の常識

はじめに

時折、ヒュースの利き手ってどっちなの?という疑問を見かける。
その疑問から色々なことを調べた結果、近界のトリオン文化圏の常識が見えてきたのでそれをまとめた記事となっています。

ヒュースの利き手

ヒュースのボーダートリガーの構成は以下の通り。
メイントリガーに弧月、サブトリガーにバイパーとエスクードが入っています。

© 葦原大介 ワールドトリガー19巻161話より引用

そして、弧月の生成は左手で行っています。

© 葦原大介 ワールドトリガー17巻170話より引用

同様に、蝶の楯を使用している際には操作用と思われるトリガーが左手にあります。

© 葦原大介 ワールドトリガー7巻55話より引用

このことからヒュースの利き手は左手であると考えられます。ちなみに、食事シーンでは箸を右手で持っています。

© 葦原大介 ワールドトリガー17巻147話より引用

これは想像になりますが、箸の使い方を教えた陽太郎が右利きなのでそのまま右で持つように教えられてしまったのではないでしょうか。
持ち方が変なのは教え方が下手だったんですかね。

ヒュース(アフトクラトル)の剣術

では、ヒュースの利き手がわかった上でヒュースの剣術を見てみましょう。

© 葦原大介 ワールドトリガー18巻160話より引用

1ページ内で左手にも右手にも弧月を持っています。
私は中学、高校と剣道をしていましたが、日本の剣は基本的に左手を下にした両手持ちであり、片手で振る場合は上の画像の様に右手です。
例外的に右手を下にした剣道家も本当に一部にいます。

西洋剣術も調べてみましたが両手剣は日本剣術と同様の左手を下にした持ち方、片手剣は右手だけで持ち、流派によっては左手に盾を持つといった形でした。

つまり、持ち手を頻繁に変えるような剣術は現実においては非合理的であり、習熟の妨げにしかならないと考えられます。
何より、イコさんからも変わった剣と言われています。

では、なぜヒュース及びヴィザ翁、アフトクラトルの人々はこのような剣術を使っているのか。
それは”トリオン体での戦い”を想定したものだからです。

現実の戦場で腕が欠損したら痛みでまともに動くこともできなくなります。
更に言えばすぐに止血しなければ失血死します。
しかもその欠損の原因となった相手が目の前にいるわけですからまず助かりません。仮に運よく生き残っても戦うことは難しいでしょう。

しかし、トリオン体での戦闘は腕や脚が欠損するなど日常茶飯事です。
先に腕や脚を持っていかれようが相手のトリオン供給機関や伝達脳を破損させれば勝ちです。
つまり、近界においては身体欠損が起きることが常識であり、それに沿った剣術や戦闘方法が発展していくのは必然なわけです。

その結果が両手どちらでも戦えるようにした持ち替え型剣術ということなのでしょう。

他の近界民の戦闘方法

以上の考察から他の近界民の戦闘方法を見ると同様に一貫性があることがわかります。

空閑遊真はブラックトリガーによる延命前は片手持ちの双剣トリガーを使用しており、片手がなくなっても戦えるようになっています。
また、ボーダートリガーでスコーピオンを選んだのも、応用性の高さはもちろん、欠損による戦力低下が補いやすいのが理由にあったのではないでしょうか。

ガロプラメンバーも手に直接持つトリガーはあまり使用せず、ウェン・ソーとコスケロは腕から発生させるようなトリガーを使用し、ガトリンは背中から武器を発生させ動かし、腕は他のトリガーを装備し欠損を補っており、
ラタリコフはドローンの様な小型トリガーを操作し、レギンデッツは尻尾型のトリガーを使用しています。
どれも手が欠損しても戦えるようなデザインになっていますね。

アフトクラトルのメンバーも欠損による影響が小さいトリガーばかりです。
雷の羽、蝶の楯、泥の王、窓の影、卵の冠
ヴィザ翁の星の杖は腕がなくなるとまずそうではありますがそういう次元にいませんからね。

こういった一面も葦原先生はちゃんと考えて設定しているのだろうか。
普通の作家なら「そこまで考えてないと思うよ」案件なんですが葦原先生だからな…。

以上、近界のトリオンによる文化発展背景の考察でした。

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