【Helck】世界の意思の目的についての考察【ACARIA】
今回は世界の意思の目的についてですが、考察のためにHelckだけでなくACARIAと異剣戦記ヴェルンディオの情報も使用しているため、その全てを読んでいる事前提で話を進めていきます。
どれか一つでも読んでいないものがあればネタバレ注意です。というか履修推奨です。
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おさらい
世界の意思自体を念のためおさらいしておきます。世界の意思とは漫画helckにおけるラスボスであり、新世界の生誕を目的とした生物かどうかもわからない概念体と思われる存在です。
helckではミカロスを媒体として亜空間で実体化していました。
①世界の意思との接触について
さて、世界の意思の目的について話す前にHelckを読んでいてこう思った人もいるのではないでしょうか。 「世界の意思はすべての生物に接触しちゃえば簡単に新世界創れるじゃん」と。
しかし、実際にHelckの作中で世界の意思と接触したのはヘルク、ラファエド、ミカロス、ヘルクを介して接触した古代人の4名のみです。
ではなぜ世界の意思は全ての人間に接触しないのか。考えられる要因としては覚醒の有無です。世界の意思は古代人を除きミカロスやラファエド、ヘルクといった高覚醒率の人間にしか接触していません。
つまり、覚醒率とは世界の意思との接触率なのではないでしょうか。そのため、覚醒率の低い人間には完全に接触する事ができず、ヘルクやミカロスのような覚醒者にしか接触できていないと考えられます。逆説的に覚醒率の高い歴代の勇者たちも世界の意思に接触している可能性が高いと言えます。
しかし、ラファエドが一つ興味深い発言をしています。
つまり、世界の意思は高覚醒者が絶望することによってようやく接触することが可能になるのではないでしょうか。
ヘルクが世界の意思と接触したのも幼少期に王都へ向かう途中の道で倒れ込んだ時で、ミカロスはアズドラを目にして死んだふりをして生き残り大地の毒に順応した後に接触していることからも信憑性は高いと言えます。
さてここでもう一つ疑問が湧いてきます、世界の意思に従っている人間と無視している人間の差は一体なんでしょうか。
考えられるのは大切な人の有無です。
ミカロスはアズドラの強さに絶望し戦場で味方を見殺しにしてでも生き永らえようとしていました。もし大切な人がいるのだとしたら絶望したとしても国の大切な人を守るために死んででも立ち向かったのではないでしょうか。(もちろん大切な人に会いたいから生きようとした可能性はありますが。)
ラファエドは上の引用のように世界の意思と接触する前に唯一愛した家族を目の前で殺されてしまっています。
一方で、無視している人間の代表者であるヘルクはクレスや傭兵団の仲間達といった大切な人達がいましたし、旅の中でヴァミリオやピウイ、魔族達も大切な仲間になっています。
つまり、世界の意思に従っている人間は大切な人という拠り所がなく絶望した人間がそうなってしまうと考えられます。
そのため、モルカナも同じように大切な人を失い絶望を経験していると考えられます。
②世界の意思の目的について
本題です。まず、私はHelckを読んでいて世界の意思には違和感を覚えていました。「古代人からすれば今の世界は新世界にも関わらず、なぜまた新世界にしようとしているんだ?」と。
新世界にすることそのものが目的ではミカロスや古代の接触者があそこまでする意味がわかりません。
しかし、アカリアンの亡霊=世界の意思とすると繋がる部分があります。
結論から言えば、世界の意思の目的は疑似的なアカリアンの再興だと考えています。
ACARIAで語られているようにアカリアンは争いを好まない人々でした。
しかし、人間とアカリアンとの間で戦争が起きアカリアンは敗北しました。その怨念から人間が最も栄え誰もが幸福に包まれた時代に発動する呪いをかけました。ですが、それは結局アカリア達によって阻止され世界は滅亡せず人類は滅びませんでした。
ここからは、考察というよりは想像の割合の方が高くなってしまいますが続けます。
呪いの生物兵器によって人類を滅ぼすことができなかったアカリアンの怨霊達は外的な攻撃では人類を滅ぼすことができないと考え別の方法に向かったのではないかと考えました。人類がどれほど憎くてもそれを阻止する者たちが表れ成功しない。それならば内側から破壊し別のものにしてしまえばいい。つまり新しい生物に変えてしまうことによる新世界の生誕です。
人類への恨みを晴らしつつ、新しい世界を築き人類がアカリアンから奪った魔力を扱う力を介して疑似的にアカリアンを再興する。
これが私の考察による世界の意思の目的です。
根拠
次はこれを裏付ける根拠についてです。
Helckの古代人たちは亜空間エネルギーを利用し、凄まじい速度で栄え誰もが幸せになれる世界に一時的になりました。その後、新世界生物によって滅亡しました。
幸せから叩き落すという点でアカリアンの呪いとやり口が非常に似ています。
次に、魔物の存在です。Helck、ACARIAどちらも人里から離れた地域や闇の深い洞窟の中などに魔物が発生し生息しています。そして、より深い位置の魔物ほど強いという点で共通しています。
この魔物の発生要因がHelckでは大地の毒由来であり、ACARIAでは呪いの生物兵器からも発生しています(他の要因で発生している魔物もいるとは思いますが)。そのため、世界観が共通していても不自然ではありません。
「幸せな世界を作ろうとしてるんじゃなかったの?」という疑問もあると思いますが、魔物を発生させることで洞窟の巣を叩きにいくといった動機から大地の毒に触れる機会を増やし、覚醒を促すことができるという点で解消できます。
また、世界の意思の目的は新世界の生誕によって争いのない世界を作ろうとしているわけですが、古代の世界から生誕した今のHelckの世界は争いのない世界ではありません。
なので、世界の意思は何度も世界を作り変えることでいわゆるリセマラを繰り返しているのではないでしょうか。なにより、帝国が生まれるまでどうやって新世界の生誕を防いでいたんだ?というヴァミリオの疑問も、新世界が生まれ新生物たちが争いのない生物なのかを見極めていたから新世界をにしようとしていなかったと考えれば辻褄が合います。
反証について
ここまで、HelckとACARIAが共通の世界観であることを前提としていますが、一つ大きな問題点が実はあります。
それが”月”です。Helckと異剣戦記ヴェルンディオでは月が2つで描写されています。しかし、ACARIAでは月が1つで描写されています。
七尾先生は世界観設定は細かく作りこむタイプであるため、この描写の違いは非常に大きいです。
ですが、月という非常に覆しにくい描写を強引に辻褄合わせをできてしまう要素があるのも事実です。
画像のように古代世界では(再現したものではありますが)月の数が3つになっています。このことから少なくとも月の数が減っていることは確実なわけです。
したがって、何らかの要因で月が増えることがあったとすれば世界観が繋がっていてもおかしくないと言えるわけです。
つまり、世界観が繋がっているとすれば少なくとも2回は新世界として世界は生まれ変わっていることになります。
おわりに
今回の考察は比較的妄想で補っている部分が非常に多いものとなっています。なので、もしそうだったらめちゃめちゃアツい!くらいのノリでいていただけたらなと思います。
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それでは。