残ったものは?繋がるものは? 2022天皇杯決勝 ヴァンフォーレ甲府vsサンフレッチェ広島
2022年10月16日 第102回天皇杯決勝 @日産スタジアム
ヴァンフォーレ甲府(J2)vsサンフレッチェ広島(J1) 1‐1 PK5‐4
得点者 前半26分 三平(甲府) 後半39分 川村(広島)
メンバー
ヴァンフォーレ甲府
GK河田 DF須貝、浦上(フォゲッチ)、マンシャ MF関口、石川、山田(山本)、荒木(野澤)、長谷川(ジェトゥリオ)、鳥海(松本) FW三平(リラ) SUB GK岡西
サンフレッチェ広島
GK大迫 DF塩谷、荒木、佐々木 MF茶島(野上)、野津田(ソティリウ)、川村、柏(松本)、森島(エゼキエウ)、満田 FWヴィエイラ(ベンカリファ) SUB GK川浪
ここまでの歩み
まずはサンフレッチェから。横浜Fマリノスが足踏みする中で勝ち続ける川崎フロンターレの逆転優勝も現実味を帯びる中、優勝の可能性は消滅し2位も絶望的。旋風を巻き起こしたこの1年のリーグ戦の締めくくりとして、3位確保を目標に戦うこととなる。
天皇杯決勝の翌週にはルヴァンカップ決勝も控え、参戦した全てのコンペティションで期待以上の結果を残したサンフレだが、Jのチームと対戦した3回戦以降は全てアウェイで試合をしたこともあり、決勝まで勝ち残った天皇杯は非常に苦しい戦いだった。
横浜FCには力の差を見せつけたが、浦和を破ったザスパクサツ群馬には何とか1点奪って勝利。セレッソ大阪には圧倒されながらも終盤に立て続けにゴールを奪って劇的な逆転勝ち、準決勝ではターンオーバーした京都サンガと互角の戦いを演じ、延長までもつれながら何とか決勝への切符を手にした。
J1チームが過去類を見ないレベルで早期敗退を重ね、セレッソにはリーグ戦でダブルを達成していることを含め組み合わせには比較的恵まれながらも、内容的には不安定な戦いを続けた。それでも今季際立つ勝負強さをトーナメントでも遺憾なく発揮し、難敵を退けることに成功した。
一方、昨季は昇格権争いを演じながら、今季はJ2でも下位に沈み現在リーグ戦7連敗中のヴァンフォーレ。監督解任論も囁かれる結果に甘んじるリーグとは対照的に、天皇杯ではコンサドーレ札幌、サガン鳥栖、アビスパ福岡とクセのあるJ1チームを次々と撃破。準決勝ではカシマスタジアムで鹿島アントラーズを下し、J2のチームとして久々に決勝へと進んだ。
J1に負けず劣らず混沌としており、降格して長い間昇格できないかつての強豪も枚挙にいとまがない「魔境」、J2。そんなJ2のチームが天皇杯決勝の舞台に立つ例は今までにも存在するが、昇格権争いに全く絡まないどころか、つい最近までJ3降格の可能性さえ残していた下位チームがファイナルを戦った例はない。準決勝の対戦相手が色んな意味でサッカー界を賑わせていることもあり、ヴァンフォーレのファイナル進出は大きな話題となった。
「普通に強い」ヴァンフォーレ
失礼な言い方だが、前半のヴァンフォーレは「普通に強い」チームだった。サンフレッチェと同じシステムを採用し、WBでの数的有利を作らせず人数をかけて前進を阻害。3バックにも前線の3人がしっかりプレスを行った上で、プレスラインを越されると中盤のエリアにも戻り後ろの選手を助けた。ハイクロスが中心のサンフレの攻撃は3バックを中心に集中して跳ね返し、ボールを奪うと素早くカウンターへと移行。裏を狙いつつも急ぎすぎず、時間帯によっては相手陣地でボールを支配。J1チームを何度も慌てさせミスを誘発してきたサンフレのプレスにも動じず、バックラインの選手は時に持ち運びながらビルドアップに貢献。
最初に決定機を作ったのも、最初にCKをゲットしたのも、そのCKから先制点を奪ったのも、前半45分でシュートの本数が多かったのもヴァンフォーレ。何も知らない人がこの45分を見て、まさか別カテゴリーの2チームが試合をしているとは思わないだろう。こんなチームが18位に沈むリーグがあり、サンフレはそのリーグより上のカテゴリーで普段戦っているのだから、サッカーは面白いのだが。
とりわけ光ったのはボランチの山田と最前線に入った三平。ボランチ、シャドーの4人は、特にポジトラ時に手薄な中央のエリアでぐんぐんボールを前に持ち運び、ボールを持っていない選手も駆け上がり前線でボールに絡もうとする姿勢が目立ったが、運び出しで出色の出来を見せたのが山田だった。そして、その推進力を作り出し、活かしたのが三平。ショートパスに拘らないバックラインからの長いボールのターゲットとしては、流石にJ1屈指のエアバトラーを相手に苦戦を強いられたが、スペースがある中で引いてボールを受け前進に寄与するプレーは素晴らしかった。その上で適切なタイミングで裏への抜け出しも見せ、得点シーンでも相手DFの方が人数が多い中でニアへと動きマークを外し、華麗にゴールを決めて見せた。試合が1‐0で終わっていれば、MOMは文句なしで三平だっただろう。
多くのパワーを使ったように見えたとはいえ、自陣に引きこもるのでもリスク覚悟のハイプレスを仕掛けるのでもなく、適切なリスクマネジメントを行い、勇敢にラインを上げながら必死に戦ったヴァンフォーレは、100点満点に限りなく近い45分を過ごしたのではないかと思う。
逆にサンフレッチェにとっては何もうまくいかない、フラストレーションの溜まる45分だっただろう。立ち上がりこそ押し込んだが、ハイプレスでバタつかせることができず、苦手ではないはずのトランジション合戦で後手を踏む。相手がJ2チームであることもあってか、今季中盤からリーグでも目立つリスクを取るプレー選択がピンチのシーンに直結する回数も多かった。
パスがずれる、トラップが大きくなるなどシンプルなミスが多かったのはもう、仕方ない。こればかりは場数を踏むしかないのだろう。リーグ戦で絶大な信頼を置ける選手である佐々木や塩谷でさえミスが目立ったことを見ると、ファイナルの舞台はやはり特別なのだろう。
こういうミスのせいで上手くいかなかった、だからやられたんだ、なら話は単純だが、そうではないから問題なのだ。個々の判断、チーム全体のプレー選択の基準、もっと大きな戦い方、この辺りに明確なエラーが見られたからこそ、ヴァンフォーレペースの45分を許してしまったのだ。
一つはリスク管理の甘さ。推進力を持つ相手中盤の4選手は脅威だったが、ボールロスト時に中央のスペースを管理する人間が少なかった。川村は前線に、野津田はサイドに顔を出しボールに絡むことが多いが、毎度そうしていてはカウンターの餌食。予防的なポジションを取り、ボールロストに備える選手は必ず必要だ。だがボランチの2人は積極性がいつもより高く、加えて満田と森島もサイドチェンジを頻繁に繰り返し、ビルドアップや崩しにより焦点を当てた結果、ネガトラ時の備えがおろそかになり、ボールを失うたびに大幅な後退を余儀なくされ少なくない回数のチャンスを作られた。満田が戻ってボールを奪い返したシーンも、リスクを考えず安易にプレーを選択したツケを自分で取り返しただけ。森島や川村であれば同じように上手くはいかなかったはずだ。
どちらかといえばリスクを取った中盤選手に比べ、バックラインの3人の守備は慎重に映った。降りる三平はスピードのある選手ではないためもっと離さず食いついても良かったし、中盤から選手が減ったところでは怖がらずに前に出て、リスク管理を行っても良かった。ボール保持時は逆にリスクある選択を続けていただけに、もっとチャレンジすればより楽に戦えたのではないか、と思う。
そして、いつも以上に縦やクロスを急いだ。とりわけ先制を許した後は、イメージで上げるハイクロスが目立ち、ことごとく跳ね返されキャッチされた。ヴィエイラは高いがパワーはないし、他にCB陣と競り合って勝てる選手はいない。確かに今季のサンフレはクロスからの得点が多いが、そのクロスとは崩しもしないハイクロスではなく、早い段階で放って後ろから出てきた選手が合わせたり、サイドを崩したうえでピンポイントに選手が飛び込む形であったりのクロスだったはずだ。両WBはスピードが武器の選手ではないのに、サイド裏へのボールも急いで出してしまう回数は少なくなかった。押し込んだところからカウンターを受けた場面は前半には見られなかっただけに、焦らず丁寧に押し込み仕掛け続けることがより相手を苦しめる選択だったはずだ。
対照的な出来を見せ、前半は1‐0で終えた。
「そりゃそうだよね」な後半
後半、サンフレは2人選手を交代。FWの交代は既定路線として、森島→エゼキエウには驚いた。私なら運動量と万能性でどんなプレーも信頼でき、前線でも何かを起こせる可能性がある森島はビハインドで下げないだろうが、より甲府陣地でプレーする時間が長くなるであろう後半は、ドリブルで踏み込むことができ個の怖さなら随一のエゼキエウに頼る選択はわかる。
だが、押し込む展開になるまでは時間を要した。ヴァンフォーレは運動量を落とさず、高い位置からビルドアップを阻害。より焦りも見えるサンフレは後ろからやり直させられる機会も増え、チャンス創出に至る回数は少なかった。
しかし、やはり前半のあの出来はオーバーペースだったのだろう。ヴァンフォーレの運動量は落ち、サンフレは相手陣地でプレーし続けることができるように。複数人が当たりあまり仕事ができなかった柏を下げたり、ボールを捌くという部分では川村や野津田より高い質でプレーできる松本をワンボランチに据え、怖いソティリウを入れ2トップにした采配も、0‐1という状況では悪くなかった。
リラのカウンターにビビりながらも攻撃を続け、急がず人が入れ替わりながら人数をかけて崩すといういつもの感じでプレーできるようになり、ついにゴールをこじ開ける。サイドに流れたエゼキエウが冷静にパスを出すと、サイドで抜け出した川村があまり角度のないところから左足を一閃。今季何度も決勝ゴールを奪ってきたユース出身の大器がまたしても大仕事を果たした。
やはり地力の差は存在する。J2のチームがJ1のチーム相手に、90分間優位に試合を進めることは困難を極めるのだ。交代選手の脅威度でも勝り、J1のチームがJ2のチームを押し込み、後者はカウンターに活路を見出す、「そりゃそうだよね」という展開にようやくハメることができた。
やっと同点。準々決勝と同じように、この勢いのまま90分で試合を決める!と思いきや、ゴールシーンでエゼキエウが負傷してしまう。
おそらく軽傷ではない。交代枠を使い切っていたこともありピッチには戻ったがプレーはできず。実質10人で残り10分強を戦うことになったサンフレは、それでもゴールに迫ったが、時間の大半をノーリスクで過ごし、交代枠をもう1人使える延長戦で仕留めきることを目論んだ。ミスからピンチを作ったが、何事もなく後半終了。試合は延長戦に突入した。
難しい並びでの延長戦
住吉を投入し、万全の11人での延長戦。と思いきや、塩谷は疲労からか100%のプレーが難しく、後ろに置いていては怖いため最前線に。後半に何とか1点を取り返すための交代を繰り返し、塩谷を実質的に欠いたピッチには、かなり歪な形で11人が並んだ。
前3人は塩谷といずれもCFタイプのベンカリファとソティリウ。その上で、連動しての崩しが得意で単騎突破は見込めない野上と川村がサイドに配置され、アタッカーの満田がボランチに入った。前線の連動性は見込めず、そうなると頼みはクロスの放り込みか単騎でFW陣が仕留めるか。クロスとなると優秀な上げ手となり得る森島や野津田、柏は不在で、WBが突破してクロス、という形もイメージしにくい。後者になるとリンクマンは必須だが、そうなり得る森島も満田もエゼキエウもいてほしい場所にはいない。それなのに、満田をボランチに配置するというある程度リスキーな選択をしなければならない。バックラインに本職の3人が並んだこととキーパーが無事なこと以外は、相当厳しいシステムになった。
当然のようにボランチを務めた満田には恐れ入るが、逆に満田がいなかったらと考えると冷汗が止まらない。例えば森島や野津田が残っていたら。例えばエゼキエウや塩谷が万全なら。適性を持った選手がその持ち味を活かせる役割を果たすことができたはずだが、延長30分を戦ったこの11人では良い攻撃を行うことは非常に難しかった。
これも、一度交代した選手が再びピッチに戻ることが許されない、サッカーならではの難しさだ。後半に追いつくための交代として5人を投入したスキッベ監督だが、そのどれもが合理的なもので、私も不満は一切ない。だが、同点となり勝利のためにもう1点を目指す30分の戦いに臨むメンバーとして、この11人では苦しい。マンマネジメントとして失敗とは口が裂けても言えないが、120分トータルで見て、適切に選手を残すことはできなかった。
それでもチャンスは作った。満田のFKはバーに直撃し、ソティリウのフリックから野上のクロスで塩谷の決定機を演出。終盤にはややラッキーなハンドでPKも獲得した。
でも決められない。自分の仕掛けをきっかけにPKを獲得し、おそらく志願して、チームから任されてPKを蹴った満田だったが、河田の執念が勝った。30分でも勝負を決められず、勝負はPK戦に。
必然的な結果
PKまで行ってはいけなかった。何せ大迫はプロキャリアで1度もPKを止めたことがない男。そして、キッカーの一人であろう選手のPKを直前に相手GK に止められるというオマケつき。さらに試合の前提条件として、サンフレはカテゴリー上位のチームとして挑んでいる。サンフレが負ける条件しかない。
大迫は一本も止めることはできず、1本を止められ残念な結果に終わってしまったが、その中で、おそらくあの場で志願して、今季躍動する若い3人がPKキッカーを務めたのはこれからに繋がるはずだ。当然のように決めた助っ人ストライカー2人が頼もしかったのは言うまでもないが、だからこそ他に蹴る選手は難しいはず。落ち着いて決めた松本、止められた120分間のヒーロー川村、そして直前に止められたのに5人目のキッカーを務め成功させた満田。滅多にないであろうPK戦で、彼らが勇気を見せて戦ってくれたことは、受け入れ難い敗北を前に悔しく苦しい気持ちでいっぱいのはずの、多くのサンフレファン・サポーターの目に焼き付いたはずだ。
大迫はタイミングを外されるキックも散見された。スカウティングとか、おそらくそれ以前の問題だ。頻度と重要性が全く比例していないPKという性質上、何かしら特別の手を打つ必要があるかもしれない。
しかし、相手のファーストチャンスを難なく防いでくれた大迫を攻めることなどできない。今季の彼は、止めてほしいところでことごとく止めてくれている。スーパーゴールでチームを救った川村も同様だ。彼ら抜きでは日産でのPK戦まで辿り着くことなど不可能だった。6人目以降のメンツ含め、来週にも再び機会が訪れる可能性があることを考えると不安で仕方ないPK戦となったことは否定しがたいが、まあ、仕方ない。PK戦までもつれ込んだ時点で、サンフレにとっては負けに等しかったと言うしかないだろう。
残ったものと繋がるもの
まずは、J2相手の決勝という舞台を経験したこと。リーグ戦で下位チームに取りこぼし、天皇杯では格下相手に定期的に敗北し、決勝戦はこれで8連敗。ここで勝てなかったことはサンフレッチェというクラブの文化を表す出来事なのかもしれないが、こんなネガティブな文化を残しても仕方あるまい。決勝に弱いと言いつつ、最後に決勝で負けたのはかなり前の話だし、天皇杯決勝で無得点のジンクスは打ち破った。若い選手も多い今のチームが、この舞台で120分とPK戦を戦ったことがプラスにならないわけがない。
そして、普段とは違う条件下での試合の進め方。先日のルヴァン準決勝では、0‐0もしくは0‐1ならOKという特殊条件のもと、ホームで試合を殺しリスクを冒さず目の前の結果をつかみ取っただけに、今回は適切に試合を進められなかったことには正直驚いた。もっとリスクを冒さずにプレーしてよかったと思うし、「それはスキッベのサッカーじゃない!チャレンジしてこそだ!」と言うのであれば、それを攻守、ボール保持非保持にかかわらず常に示してほしかった。端的に言えば中途半端。自分たちで自分たちの首を絞めた試合はスキッベ体制でそこまで多くはないし、苦くも良い経験になったはずだ。
何より個人個人の選手は、感じるところがあったはず。チャレンジできず相手キーマンを自由にさせた荒木、やや浮足立った佐々木塩谷、絶対的な主力ながら大事な場面をベンチで過ごした森島野津田、チャンスで試合を決められなかったベンカリファソティリウ、そして時間的に最も重要なところで仕事を果たせなかった、大迫満田川村のユース同期トリオ。
特に満田。試合中、PKを決めるまでは何事もなかったようにプレーしていたが、負けが決まると号泣。人一倍責任感を感じる真面目な選手であることは私にもわかるだけに、その心中は計り知れない。
ルーキーが抱えるべき大きさをはるかに超えるものを彼は抱えているが、満田誠はそれだけの選手だ。責任を一手に感じることは絶対に避けねばならないが、プレーを見ている限りその心配はなさそう。普段通りの役割の前半、同じく器用な森島を失いエゼキエウに気を遣いながら同店を目指した後半、ボランチで試合の舵を取った延長、そして断トツ一番のプレッシャーを自ら背負って役割を果たしたPK戦。120分を引き分けとするなら、彼をMOMとすることに誰も異論はないはず。PKを外したとしても、だ。
ルーキーとしてのスケールを超えた選手だが、それでもルーキーだ。彼はこの1試合を糧にまた成長してくれるに違いない。他の選手も、上では悪いところばかり挙げたが、この重要な試合でもリーグと同様、0‐1のまま終わらず同点にできた要因は、全ての選手が自分のやるべきことを行ったこと、それが一番大きい。前半が不甲斐なかったこと、「決勝の難しさ」とか「格下相手の難しさ」とか、そういう言葉で説明できない出来だったことは事実だが、それを取り返す姿勢を後半は見せてくれた。決定的にパフォーマンスが悪かった選手はいない。みんなが少しずつ、足りなかったのだ。
それはコーチングスタッフも、試合に絡めなかったメンバーも、サポーターも、チーム全体としても、言えることのはず。足りないものはある。それを自覚する。そんな機会にはなったと信じたい。月並みだが、これがこれから残って次に繋がるものだろう。
来週もある
ルヴァンカップの決勝は、もうすぐそこに迫っている。相手はセレッソ大阪。今季3勝しているが、3試合とも内容点があれば大敗だろう。スーパーチームだ。そして会場は国立。今日とは何もかも違う、決勝となる。
全員、切り替えるしかない。切り替えられないならそれはそれで、上手く来週にぶつけるか、プレーする、試合にかかわるのを避けるしかない。もうすぐそこに、もう一つの決戦は迫っているのだ。
今日の負けは大きい。勝てばクラブの歴史を変えられた。来季ACLに出られた。森保体制後初めてタイトルを取れた。クラブの文化を変えられたかもしれないし、今のチームがもう一段階レベルアップしたかもしれない。
けど、そんなこと言ってももう負けたのだ。残念ながら負けた。ならば進むしかない。今日失ったものはとてつもなく大きいだろうが、残ったもの、繋がるものもまたとてつもなく大きいはずだから。