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RME Fireface UCXIIをハーフラックにラックマウントしたい!!!(meviyにマウント金具作成依頼)


1.はじめに

1-1 記事概要

 本記事はRME Fireface UCXIIをラックマウントするにあたって、meviyへ作成依頼する様子をしたためたものです。

 上記のような需要を持つ奇特な方は世の中にそんないらっしゃらないと思いますが……3Dプリンタによる試作品の作成、金型屋さん(meviy)への依頼の流れは需要があるのかな?と思い記事にしてみました。

1-2 キーワード

3Dプリンター、3DCAD、RME Fireface UCXII、ラックマウント、meviy


2.タイトルの経緯

 ずいぶん前ですがRME Fireface UCXIIを購入しました。音、操作性等に全く不満はなかったのですが1つだけ気になる点が……

 このインターフェースすこぶる値段が高いのです。(本記事執筆時点で¥242,000!!!高い!!!

 はっきり言ってそんなインターフェースを裸で使用するのは気が引けるというか……机の上がごちゃごちゃしている私のような人間には気が気でないわけで……

 そんな折、中古でたまたまハーフラックサイズのケースを手に入れました。
 これで万全!!!と思ったのも束の間……新たなる問題が発生します。

 そう、タイトルのとおりインターフェースをマウントするための金具、治具がないのです。まぁ外に持ち歩かないと割り切ってただ箱に入れておくだけの運用とするのもアリではあるのですが……なんかお間抜け感が……

せっかくマウント部があるのにお間抜け感……

 一応商品としてラックマウントするための金具は公式から販売されているのですが、通常のラックケース用商品で今回のハーフラックケースでは取付ができません。 

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/283705/

 ぶっちゃけ私程度が悩むことは、すでに先人で同じ悩みを持った方がいらっしゃるだろうとネットで検索かけてみるとHoly Cater様(@linear_pcm0153)の以下記事がヒットしました。

 本記事では上記記事を参考にさせていただき、作成した時の様子を記事にしてみようと考えました。
 ただし先人様の流れをそのままトレースするだけでは何も新規性がないので、本記事ではネットからBtoCの金属加工をやっていただけるサービスのmeviy利用してみようと思います。(あと私の備忘録を兼ねてます)
 本記事では特に以下の3トピックについて記載していこうと思います。

  1. 3DCADでマウント金具をモデリング

  2. 3Dプリンターによる試作品の出力

  3. 金型屋さん(meviy)へ依頼(注文中 後日更新します)

 では前置きが長くなりましたが本編行ってみましょう。


3.3DCADでマウント金具をモデリング

3-1 完成したモデリング

 まずはモデリングやっていきます。使用するCADはAUTODESK社製のFUISONです。

完成したモデリングです このまま加工屋さんに投げると怒られますので注意しましょう

 なお筆者は学生時代に3DCADちょっと使ってた程度かつ現在のお仕事も多少CAD使う程度なので……加工屋さん等見られたときにそんなの加工できないよ!!!みたいなのあるかもしれませんが目をつぶっていただければ……(もしくはコメントで教えてください……)

 また当初はHoly Cater様の記事にある寸法を参考に、板金で依頼するモデルを起こしていました。
 しかしmeviyに依頼する際、穴あけには曲げ部分から一定のクリアランスを設定しなければならないため元記事とは少し変わった寸法となっています。(加工時に必要なクリアランス等に関しては後述します)

3-2 各種寸法詳細

● 側面図

側面図 30mm部がインターフェース固定部になります

 今回は板金でのお願いを考えているので、加工するためには外側のRを板厚より大きくしないといけません。(なんならモデリングも押し出しでなくスイープ機能で作成したほうがいいなと記事書きながら思いました。)
 しかし依頼予定のmeviyには自動図面修正機能があるとのことであえてそのままやってみます。

● インターフェース固定部

インターフェース固定部(穴位置)
インターフェース固定部(皿穴設定)

●  ケース固定部

ケース固定部(Rの寸法がかぶってて見にくいですね……)

 なおmeviyは穴位置に関しても制約があります。今回は板厚3mmのアルミを想定していますので曲げから13.3mmのクリアランス確保が必要でした。ここは自由度が大きいためかmeviyの自動修正の範囲外のようです。
 本当は逃げ穴を作ることである程度対応可能です。なんなら短納期、コストカットも期待できますが、曲げ部分に穴が開いてしまい個人的に見た目があまり好きくありません。
 よって今回は見た目を優先し、逃げ穴を加工せず曲げからのクリアランスを確保することで対応しました。せっかくならテンション上がる方がいいですよね。

 一応meviyに依頼する際の条件一覧がありましたのでリンク貼っておきます。おそらくmeviyに依頼する以前に加工屋さんにお願いする場合に最低限守らなければいけないルールが網羅されている感じなので時間あるときにじっくり見てみようかなと。


4.3Dプリンターによる試作品の出力

 なんやかんやありつつもモデリングが完成しました。しかし先人様の設計から大なり小なり変更していますのでいったん手元の3Dプリンターで出力してみます。
 まずはスライサーで印刷設定をば……ついでに長穴部と皿穴部をステージに設置させた場合どんな感じで変わるのか興味があったのでそんな感じでモデル配置して出力してみます。

スライサーソフト画面
(使用しているスライサーはCreality Slicer 4.8)

 出力したものが以下写真です。あくまでサンプルなので積層方向による強度なんて二の次です。

出力品
ステージ接触部分はざらざらになるので見た目はこんな感じに
長穴部分は積層方向の違いは少なそう
皿穴部分の造形は円で描けるステージ接触面の方がきれいに

 ラックマウントしてみるとこんな感じです。寸法もいい感じいいですね……グッドです。テンション上がります。

アクスタは気にしないでください ブルアカはいいぞ


5.金型屋さん(meviy)へ依頼

5-1 meviyとは

 3Dプリンタでのサンプル作成と寸法確認も終わったので実際にmeviyに依頼をかけてみます。公式サイトのリンクを以下に貼っておきます。

https://meviy.misumi-ec.com/ja-jp/

 一応meviyに関して簡単な説明をすると、金属加工等を行ってくれる金型屋さんが提供するBtoCのサービスで、従来2D図面を利用して手配していた部品を3Dデータだけで見積~発注~製造までおこなえるサービスのようです。
 今回のようなワンオフ物の依頼を小ロットかつ消費者側から受けるのは、企業的にはお金になりにくいのかなと思いますが……そんな中でこのようなサービスを提供していただけるのは本当に頭が上がりません……

5-2 依頼方法

依頼方法はいたって簡単です。以下に大まかな流れを箇条書きで記載します。

  1. 公式サイトよりログイン(初めての際はアカウント作成)

  2. 依頼ページから作成したモデリングデータをアップロード

  3. モデルチェック

  4. 材料、仕上げ等を指定

こんな感じです。今回はモデリングデータのアップロードから順を追ってみていきます。

● 依頼ページから作成したモデリングデータをアップロード
 アカウント作成後、ログインすると以下のようなページからモデリングデータのアップロードが可能になります。

アップロード画面


 なおアップロード可能なファイル形式は以下リンクに記載されているものになります。今回私はsat形式にてアップロードしました。

● モデルチェック
 モデルをアップロードすると以下のような表示がなされます。切削と板金を選択する項目があるため、今回は板金に変更して次へを押します。数量もここで2に変更しておきます。

 修正事項がある場合は、対象箇所を自動修正します。すごいですね……文明の利器……ただし穴位置等の自由度が大きい部分は自分で修正して再アップロードの必要があるようです。
 今回は冒頭でもお話したとおり、曲げ加工に必要なRをあえて取らずにモデリングしています。そのままアップロードしたところ以下のような自動修正提案が表示されました。特に従わない理由もないのでそのまま修正提案を受け入れます。
 すると自動で再モデリングされますので完了するまで待ちます。

モデルの自動修正提案画面

● 材料、仕上げ等を指定
 モデルの修正が終わりましたら使用する材質、仕上げ等を指定します。今回はアルミの板金で仕上げは黒の艶消しアルマイトにしてみました。オタクは黒が好き。
 決まったら左下の見積条件確定をクリックすると金額が出ます。今回は別に急いでいないので20日目出荷に設定して¥2,687が2個で¥5,356となりました。ワンオフ製品にしては安いですね。なおこの見積もり金額は税抜きになります。ここに消費税10%が乗ってきますので注意です。

仕上げ等の決定画面

● 注文
 後は諸々情報入力して注文するだけです。届くのは結構先になりそうなのでまた届いたらこちらに追記しようと思います。

6.終わりに

 久々に人目に触れる文章を書きました。はっきり言ってインターフェースのハーフラックマウント治具なんてニッチな記事だなぁと……
 まぁニッチと記載はしましたが、今回やってみたのは言ってみればモデリング→3Dプリントでテスト出力→製品化の流れなのでそういった意味では皆さん普通にやられていることなのかなと感じました。
 文章書くのは頭が整理されてる感じがして非常に楽しかったので、気が向いたらまた何か書いてみようかと思います。

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