7日間の療養後も約50%で感染性のある新型コロナウイルスを保有している
新型コロナウイルスはヒトからヒトへ感染する力が高く、感染できる期間も長いウイルスです。
以前はウイルスの伝播防止のため、療養期間を「発症から10日間」求められていました。
一方で10日間の就業制限は社会活動への制約が大きく、令和4年9月から療養期間が「発症から7日」に短縮されました。
新型コロナウイルス-オミクロン株の感染後7日目以降に感染性を示すウイルスはいないのか、医療従事者を対象として検討された文献をご紹介します。
対象:2022年1月から2月にオミクロン株へ感染した医療従事者 55人
方法:発症日をday0として、day5・7・10・14に鼻咽頭で検体採取
アウトカム:
SARS-CoV2 PCR陽性率と症状の有無に応じたウイルス培養陽性率
対象者の年齢は中央値 34歳で78%が女性でした。
1人を除き54人は新型コロナのワクチンを接種していました。
基礎疾患としてコントロール良好な高血圧が2人、肥満が1人、乳癌が1人いました。
SARS-CoV2のCt値<33を陽性と判定したところ、day5・7・10・14で
それぞれ96.4%・87.3%・74.5%・41.8%が陽性でした。
ウイルス培養はday5・7・10・14でそれぞれ83%、52%、14%、8%が
陽性でした。
症状がないと申告していた方でも同じような割合でウイルス培養が陽性となりました。
今回の研究では主に若く、基礎疾患のない、ワクチンを接種された、軽症の医療従事者を対象としているため、高齢者や、基礎疾患のある方、ワクチン未接種の方、または重症者とは異なる結果となる可能性もあります。
療養解除基準である「7日」を経過しても半数の方は人へうつしてしまうウイルスを体内に残しています。
新型コロナは基礎疾患のある方やご高齢の方にとっては、未だに命に関わるほど重症化しうるウイルス感染症です。
7日間の療養後も他の方へうつさないよう、マスク着用といった感染対策にご配慮いただければ幸いです。