おぬきのりこさんの生ライブ訪問記 in 渋谷Body&soul(2022.12.11)
プロローグ
「真面目」なウラノは、焦っていた。
もう11月である。
いろいろ手を広げすぎたせいで、秋から異常に忙しい。
ところが、新人賞も獲った一流ジャズボーカリストでnoterの、おぬきのりこさんが定期的に一日店長を務める三軒茶屋のライブカフェバー「四軒茶屋(よんちゃ)」が、12月いっぱいで店を閉じるという。
「しまったぁぁぁぁぁぁぁ!!(@_@)」
ぜひ行きたいと思って、noteのコメント欄で「今度、行きますね♪」などと答えていたが、悠長な性格で何事もギリギリのスリルを楽しむのが好きとあって「年内行けなかったら春くらいまでに……」などと気長に構えていた。
「真面目」なウラノは、こうなったら行かなくては気が済まない。
しかも「もうなくなる」と分かったら、是が非でも行きたくなる。
しかし、おぬきさんの11月の担当日がお店のスケジュールにupされると、どうしても外せない仕事が入っていた……。12月のフィナーレの日は、常連さんやファンがこぞって集まるから難しいだろう。
すると、耳よりの情報が。12月11日(土)に 3rdアルバム「Baby in jazz」のプレリリースライブが行われるらしい。
そうだ、ライブも絶対行きたいと思っていて、六本木のライブはスケジュールが合わず、そのままになってたんだ。
よし、この日は何があっても行こう。
どんな美女からお誘いがあっても、絶対に行こう。
お気に入りのホテヘル嬢の月に一度の出勤日でも、絶対に行こう。
ライブ当日
「すっごく、オーラのある人だよ」
おぬきのりこさんに会ったことのある友人が、こう言った。
オーラ……。
人目をはばかる、後ろ暗いことばかりしているウラノは、オーラが苦手である。なんだか見透かされているような気がしてしまう。
美輪明宏さんのような人だったらどうしよう……。
渋谷の公園通りのイルミネーションを見ながら、そんな思いが去来する。
会場は、渋谷 BODY & SOUL。
BODY & SOULといえば、50年の老舗。名門のjazzbarだ。
ずっと南青山のブルーノート東京の近くにあり、ブルーノートで演奏する前後に、著名なミュージシャンが訪れ、演奏もしたという。
(昔、連れて行ってくれた先輩の受け売りw)
2021年秋に、渋谷に移転したのは聞いていた。
南青山には 2回ほど行ったことがあったが、渋谷は初めてである。
前の店は、南青山らしい老成された高級感とお洒落感があったが、渋谷の店はどうだろうか。
あ、あった! BODY & SOUL。
建物の違いはあるが、南青山の店の雰囲気が再現されている。
外装もロゴも、そのままだ!
おお、おぬきさんの名前、あった、あった。
以前の店内、もっと狭かったような気が。
素敵な雰囲気はそのままに、すごく広くなってる! 快適!
生おぬきさん
着いたのは、ライブ開始40分前。席はカウンター。隣にちょうど女性の一人客がいて話していると(彼女はピアノが好きで坂さんのファンとのこと)、すっかり満席に。
僕が行くジャズライブでは、これだけ広い会場が満席になるなんて、めったにない。数組登場とかなら分かるが、今日はずっと、おぬきさんが主役。人気とファンと厚さがうかがえた。
すると、開始20分くらい前に、おぬきさんの姿が!
方々の顔見知りのファンに挨拶をしている。目の前を通り過ぎたら一声かけようと思ったが、なかなかそのタイミングはやってこない。そのうちスタッフがCDを持ってきたので、買っておいた。
ひと通りの挨拶を終えたおぬきさんは、店の入口のCD販売コーナーで購入者にサインなどをしている。
ライブ後は忙しいだろう。よし、行くか!
手には、二つの武器が。
一つは、おぬきさんの玉著『アムールの交差点』(牧野出版、2017年)。夏前にAmazonで購入したのだが、まだほとんど読めていない(春までには全部読んで感想を書くぞ!)。
もう一つは、手土産の菓子。1859年開業の横浜の老舗洋菓子店「ケーキショップ ノリコ」の名物「横浜宝乳菓」と、名物かどうかは知らないスノー・ポルボローネである。
「横浜宝乳菓」は、クリームチーズを使った生菓子なので、解凍後 2日しか持たない、手土産には持って行ってはいけない代物である。しかし、手土産には「ノリコのこれ」しか考えられない! 保冷剤や保冷バックを用意して決行したのだった。
おぬきさんなら、笑ってくれるはず!
この 2つの武器を持って、おぬきさんの元へ。
まず、手にさっき買ったCDと、家から持ってきた『アムールの交差点』を持ち、「すみません、コアなファンです」と声をかけてみた。
すると、「やべーやつか?」みたいな一瞬の間がw
(そりゃ、そうだw)
「あ、noteでお世話になっている、ウラノです」
「えー!! ウラノさん!? 来てくれたんですか!!」
後は、2人で大笑い。よかった、すぐに通じて。
友人の「オーラ」という言葉に、多少身構えていたウラノだったが、すごく明るくあたたかいオーラでありました。
手土産のお菓子も笑って受け取ってくれて、良かった。
本とCDの両方に、快くサインまでいただきました!
ありがとうございました!
生ライブ
さて、席に戻って生ライブ。予習は一切してきていない。
歌を聴くのは、これが初めて。
本当は、ライブ中に撮影なんてしてはいけないのだけど、シャッター音を消してワンカットだけ。アプリを使ったので、解像度は低め。
ジャズが好きなどと言っても、スタンダードナンバーもろくに知らないし、ボーカルが入ったジャズはあまり聴かないので抽象的なことしか言えないのだが、歌声がまろやかであたたかくて美しい。
実は、もっとハスキーでソウルな歌声をイメージしていた。
「Baby in Jazz」に収載された23曲はどれもバラード。
タイトルナンバーの"Baby in Jazz"と"Mom in Jazz"は、いずれも母をテーマにした、おぬきさん作詞・作曲の新曲。残りの21曲(CDは2枚組)は、おぬきさんが好きな・歌いたいバラード曲を集めたらしい。
なかには僕でも知っているスタンダードナンバーもあったが、すべてにぬくもりが感じられて心地よい。「母」がテーマだからだろうか。
おぬきさんも、ご自身のお母さんを想像しながら、母親になった気持ちをイメージして歌ったという。
会場全体が一体となって、うっとり。みんなで微笑みながら、横揺れである。そう、おぬきさんの歌声を聴くと、なんかなごんで微笑んでしまうのだ。右斜め前の髭のおじさんなんて、恍惚とした表情でゆらゆらしていた。風貌からして、ジャズに造詣の深い古いファン、もしくは店の常連だろう。
うっとりばかりかと言えば、そうではない。おぬきさんのトークがおもしろいのである。特にテナーサックスの小池さんとの掛け合いが絶妙だ。
2023.2.10(金)リリースライブ
今回は 3rdアルバム「Baby in Jazz」のプレリリースライブ。
今度は来年の2月10日(金)に、目黒 Blues Alley Japanでリリースライブが予定されている。
ウラノもまた行くつもり。皆さんもぜひどうぞ。
おぬきさん先日は、ありがとうございました! また近々!
「真面目」なウラノは、年内に書けてすっきりw
ネットで検索したら「ネット乞食」という言葉に出くわしました。酷いこと言う人、いるなー。でも、歴史とたどれば、あらゆる「芸」は元々「乞食」と同根でした。サーカス、演芸、文芸、画芸しかりです。つまり、クリエイトとは……、あ、字数が! 皆様のお心付け……ください(笑) 活動のさらなる飛