"Don't Cry for Me Argentina " ドント・クライ・フォー・ミー・アルゼンチーナ (アルゼンチンよ、泣かないで)
以前、平日の朝に戦闘モードに入るために聴くアゲ曲について書きました。
ちょっと疲れ気味だけど頑張らなければならないとき、勇気が欲しいときに聴く曲も、いくつかあります。
ニーナ・シモンの"I Wish I Knew How It Would Feel to Be Free"や"Ain’t Got No, I Got Life"、トミー・フラナガンの"Make Our Garden Grow"、アン・バートンの"Sunny"などもよく聴きますが、最もよく聞くのが、1978年のミュージカル「エビータ」のために作られたこの曲です。
僕は、1996年のミュージカル映画「エビータ」で初めて聴きました。 マドンナ主演、歌もマドンナです。
今もそうですけど、当時のアルゼンチンは貧富の格差が非常に大きい社会でした。いわゆる「南米病」です。一部の富裕層・地主が、資本も土地も独占していました。
エビータこと、エバ・ペロンは、地主の私生児として1919年に生まれます。地主の死後、愛人だった母と子どもたちは村を追い出されてしまい、成長するまで貧しい生活を送りました。
エバは、そこから幾多の男性遍歴を経て、アルゼンチンの有名女優に成り上がります。上流階級からは白い目で見られ、女優としての評価も決して高くはありませんでしたが、話術で人を魅了することができたエバは、ラジオパーソナリティとして人気を集めました。彼女のラジオは、特に貧困層に人気でした。
あるパーティで、青年将校だったファン・ペロンと出会って恋に落ちます。ファン・ペロンは、貧富の格差解消などの社会改革に理想を燃やす、若きエリートでした。
エバは、ファン・ペロンを助けて彼を大統領にします。1946年のこと。ラジオや演説で聴衆を魅了し、ファン・ペロンへの支持を集めたのです。そして、エバはファーストレディに。アルゼンチンの歴史上、初めての下層階級出身のファーストレディだと思います。
エバは、夫を支えながら、自身も政治活動に力を注ぎます。女性参政権の達成、最低賃金の設置、様々な慈善活動。エバは、「エビータ」という愛称で、貧困層や労働者階級から愛されます。
これからもっと多くの社会改革を果たそういう最中、エビータは子宮がんで1952年に33歳の生涯を終えます。アルゼンチンの多くの国民は、彼女の死を悲しみました。彼女は今でも、アルゼンチンの英雄の1人として、国民から愛されています。
これがオフィシャルストーリー。現実には、こんなきれいごとばかりではありませんけど、それを踏まえても、エビータはヒーローです。
南米の歴史は、哀しみに満ちています。 収奪、虐殺、貧困、格差、弾圧の繰り返し。
そんな歴史のなか、教育を受ける機会もなく、誰からの支援もないのに、たった1人で上り詰めたエビータ。貧困層や労働者階級から熱狂的に支持されたエビータ。そんな彼女に思いを馳せながら、この曲を聞くと、不思議と勇気が出て来るんです。
"Don't Cry for Me Argentina" (アルゼンチンよ、泣かないで) 作曲:Andrew Lloyd Webber, 作詞:Sir Timothy Miles Bindon ------------------------------------------------------------------------------------- It won't be easy, you'll think it strange 心の内を伝えることは簡単ではありません。あなた方は不思議に思うでしょうね。 When I try to explain how I feel 今の私が自分の思いを語ろうだなんて That I still need your love after all that I've done 全てが終わった今でもあなた方の愛を乞う私を You won't believe me きっと信じては頂けないかも知れません All you will see is a girl you once knew 過去の私の影を拭い去ることはできないかも知れない Although she's dressed up to the nines 今夜は着飾ってここにいるけれど at sixes and sevens with you この間まであなた方といた少女のままなのよ I had to let it happen, I had to change 運命に導かれて変わらざるを得なかったけれど Couldn't stay all my life down at heal 履き古しの靴のままではいられなかった Looking out of the window, staying out of the sun 陽の当たらない場所で留まっていることができなかったのです So I chose freedom Running around, trying everything new だから私はどこにでも行くことが出来、何にでも挑戦できる自由を選びました But nothing impressed me at all けれどそのどれにも私の心は動かされることはなかったわ I never expected it to 期待していたこととは違っていたから Don't cry for me Argentina どうか私の為に嘆かないで下さい、アルゼンチンの皆 The truth is I never left you あなた方を見捨てたことなど一度もありません All through my wild days My mad existence ひどい混乱に陥り嵐が吹き荒れようと I kept my promise 私は約束を忘れてなんていません Don't keep your distance だから私から離れていかないで下さい And as for fortune, and as for fame I never invited them in この私の幸運や名声は私が作り上げたものでは無いと言っても Though it seemed to the world they were all I desired 皆さんには私が望んだもののように見えるのかも知れません They are illusions 幸運や名声なんて幻のようなものよ They are not the solutions they promised to be そんなの約束されたものなんかじゃない The answer was here all the time 全ての答えはずっとここにあるのです I love you and hope you love me 私があなた方を愛すように、私のことを愛してほしいのです Don't cry for me Argentina どうか嘆かないで下さい、皆さん The truth is I never left you あなた方を見捨てたことなんて一度もありません All through my wild days My mad existence 荒れ狂い嵐が吹き荒れても I kept my promise 私は約束を破るつもりなどありません Don't cry for me Argentina だからどうか私の為に泣かないで下さい Don't cry for me Argentina どうか嘆かないで下さい、皆さん The truth is I never left you あなた方を見捨てたことなんて一度もありません All through my wild days My mad existence 荒れ狂い嵐が吹き荒れても I kept my promise 私は約束を守り通したつもりです Don't keep your distance だから私と共に生きて下さい Have I said too much? 喋りすぎてしまったかしら? There's nothing more I can think of to say to you もうお伝えすることはありません But all you have to do is look at me to know けれどありのままの私を見て、知って欲しいのです That every word is true その言葉すべてが真実だということを
あ、疲れてる訳じゃないですw
それに何かあった訳じゃないです😂
ちょっと、この曲に思いを馳せることがあったもんですから。