或る恋の話 第４話【応募作品】

サイダーを飲みながら
あなたの背中を目で追いかける

サイダーを飲みながら
心が焦れる

上司になったあなたは
とても忙しくなってしまった
お昼に公園で出会うこともなくなった

上司のあなたは
分け隔てをしない人だった

あなたは
みんなにも優しい人だった……

＊　　＊　　＊

ふう。ああ、どうしてもこの先が浮かばない。
休日に部屋でひとり、こんなポエムを書いてるなんて、メンヘラみたい。

安住さん、私のこと、どう思っているんだろう。
歓迎会のとき、無理してでも近くに行くべきだった。
二次会からの帰り道、あなたに話しかけるべきだった。

あのとき、なんで私の頭をさわってくれたんだろ……。
なんで、名刺をくれたんだろ……。
ああ、頭ぐるぐる。

noteでも見よう。
私の恋の話の第３話、一昨日にupしたばかり。

あ、友香さんから、コメント来てる。

「彼が詩織さんの上司になるなんて、縁を感じますね^_^
目上の人にきちんと意見を言える彼は、素晴らしい人だと思いますよ。
周りに流されず、自分の正しいと思うことを貫くって、なかなかできないことです。
先日、「恋と執着の区分」という記事を書きました😌
そういう彼の考え方や行動に共感するのって、本当の恋だと思うんです。
詩織さんの恋、実るといいですね😉
p.s. 携帯番号を教えてくれるなら、彼もきっと詩織さんが気になってると思いますよ^_^」

友香さん、優しいな。
携帯か。まだ、電話できてないや。
そうだよね、普通、番号なんて教えてくれないよね。

電話か……。
安住さん、今、何してるんだろう。
今、かけてみちゃったりして。
迷惑かなー。忙しいかもしれないし。
ああ、せめてLINEを教えてほしかった。

ん？　「あなたへのおすすめ」に、ぽかさんの記事が上がってる。
『YOU やっちゃいなよ』……？
なに、これ？　まだ読んでないや。
ジャニー喜多川……？？

私はいつも最初に「私なんて」ということが頭をよぎります
ですが、くよくよと考えているうちに「てやんでー！そんなこと知るか！」
と、謎に自分の思考に逆切れをし、
「YOU やっちゃいなよ」
と心の声がして、やってしまうのです
無謀という才能です

＊　　＊　　＊

トゥルルルルル
トゥルルルルル
トゥルルルルル

「はい、安住です」

「あの……、青山です、、、青山詩織です。ごめんなさい、休日なんかに、お電話して、、、、え、えーと…………、えーと………」

「ふふ、待ってたよ。電話」