12月振り返り 新リミ適用前 【天盃龍】について
くろ*です。
新リミットレギュレーション適用にあたって、ランク戦およびDCで使用した【天盃龍】についてのノートを残して供養しようと思います。
目次
1 デッキレシピ
2 展開例?こんなこともできますよ紹介
3 弱点
1 デッキレシピ
デッキレシピです。
採用カードを解説していきます。
理解している方は読み飛ばしていただいてかまいません。
天盃龍関連カード
天盃龍パイドラ 3枚
燦幻魔法罠をサーチorセットできるモンスター。戦闘補助系の効果はダメージ無効です。初動になるので3枚。
天盃龍チュンドラ 3枚
自軍の戦闘時にデッキから天盃龍を呼ぶモンスター。ダメージステップ中なので、灰流うらら等の効果無効が打てません。初動にもなり、他の初動と重ね引きすると貫通札や上振れ札になります。来月から制限カードになってしまうので1枚になります。
天盃龍ファドラ 1枚
墓地の天盃龍を蘇生する効果、自軍を戦闘破壊から守る効果を持ちます。初動にならないかつデッキに眠っていた方が強いカードですが、開門で素引きケアできるので1枚に減らしました。
幻禄の天盃龍 2枚
サーチするとポン出しできるモンスター。フリーチェーンでリリースすることでデッキから天盃龍を呼べます。素引きしても初動になりますし、このカードをサーチして手数を増やすこともできて、とても便利なカード。デッキにいると強いのはファドラと同じですが、初動として1枚、バトルフェイズに開門でサーチするためにもう1枚、と1ターンに2枚使うことがあるので、絶対に2枚です。
ドラ・ドラ 1枚
召喚してチュンドラをサーチして使います。パイドラ初動との違いは場にモンスターが1体増えるので、展開の幅が広がります。初動率を90%確保するために1枚採用。
深淵の獣マグナムート 1枚
ビーステッド共通の特殊召喚効果、特殊召喚したターンのエンドフェイズにドラゴンをサーチする効果を持ちます。相手の先攻1ターン目に特殊召喚することで、返しの初動を確保することができます。マグナムートを準初動に含めると、初動率は91.9%になります。星6なので、チュンドラと一気に10シンクロまで行けて、全てが噛み合った1枚。出せた試合はだいたい勝てます。
盃満ちる燦幻荘 2枚
あまりにも強いフィールド魔法。遊戯王界の強いフィールド魔法の中でもトップクラスの性能でしょう。メインフェイズ中にフィールドのドラゴンを相手のカード効果から守る効果がとても強くて、展開を盤石にしてくれます。サーチ効果もあるので初動にもなります。バトルフェイズ中に割ることで攻撃力を倍にする効果もあり、トライデント・ドラギオンで割ることで6000×3回攻撃のとんでもないダメージを叩き出すことができます。なんだこのカード。
燦幻開門 3枚
サーチ効果、手札からドラゴンを呼び出す効果から選択。バトルフェイズに発動することでその両方を使うことができます。初動にもなりますし、バトルフェイズ中の追撃としてとてもパワーの高い魔法カードです。うららの明確な打ち所ですが、メインフェイズ中にトランセンドを立ててからバトルフェイズに発動することでケアできます。
その他メインデッキ
以下、手札誘発と捲り札の採用枚数は、DC最終日時点での採用枚数になります。記事を書いている2024.12.31時点では採用枚数が変わっています。
D.D.クロウ 2枚
天盃龍ミラーで打てる手札誘発。誘発としてのパワーは低いので過信は禁物。相手のデッキによって効き方にムラがあるカードなので、採用枚数がコロコロ変わって最終的に2枚。
エフェクト・ヴェーラー 3枚
色々なデッキを幅広く見ることができる汎用性の高い誘発。マグナムートとの兼ね合いで光属性を確保する目的でも3枚。
増殖するG 3枚
やっぱり今月も一番強かった手札誘発。一番通したい誘発なので、他の誘発から投げて指名者を誘って、あと投げから通すことを意識しました。不動の3枚。
幽鬼うさぎ 1枚
天盃龍ミラーで燦幻荘に、白き森のくっつきもの(トイやセンチュリオン)に、粛声の永続魔法に、ペンデュラム系のスケールに、と何かと打てる場面があり採用しました。実際に回してみると打てずに抱え落ちする試合もあり、最強の手札誘発というわけではなかったです。最終的に1枚。
灰流うらら 3枚
天盃龍は増Gを打たれてもライフを削り切ることでツッパできますが、展開中に他の誘発を引かれたくない場合はやっぱりうららは必要でした。また、ミラーにおいて燦幻開門を絶対に止めなければいけないので3枚採用しました。
屋敷わらし 1枚
墓地に触るギミックを止める使い方でたまに活躍。DC中とくに強いなと思った場面は、①ビッグウェルカム・ラビュリンスに打てる。②墓穴に対して打って、誘発の質を高めることができる。の2点です。
原始生命体ニビル 3枚
霊獣のためだけに3枚採用しました。霊獣がヴェーラー無限泡影で止まらず、ニビルが直撃することを踏まえての3枚採用。霊獣以外に対して腐ることが多いのでDC中はあまり強いカードではなかったです。
ライトニング・ストーム 2枚
魔法罠を割れるカード。ユベル等でごくごくたまにモンスターに触れたい場面があり、最終的に羽根箒大嵐と入れ替えました。
禁じられた一滴 3枚
DC環境がそもそも
・ギミックパペット先攻ワンキルのせいで魔法を打つ機会がない。
・先攻ぶん回し系の一部で魔法を完封するギミック(ペンデュラム系の魔法族の里、焔聖騎士のエンジェリング)があるため、返しの魔法が打てない。
・キマイラの上振れで出てくるディアベルゼのせいで打たせてくれない。
と、魔法の価値が下がっていました。実際に回してみると上記以外に色々なデッキがいて、それらのデッキに広く打てるカードとして採用しました。上記のデッキに先攻最大展開を通されて負けるならまだしも、そうではないデッキに負けるのが致命的なので、効くか効かないか分からない微妙な手札誘発を増やすよりも汎用性の高いこのカードを採用しました。
無限泡影 3枚
エフェクトヴェーラーに似た手札誘発ですが、主にギミックパペットにおいて地獄人形の館適用下で打てる手札誘発として、ヴェーラーよりパワーは上でした。1ターン目に投げるか後攻1ターン目に返し札として投げるかは常に考えてました。
エクストラデッキ
燦幻昇龍バイデント・ドラギオン 2枚
場にシンクロ素材を常に確保しながら、複数の10シンクロに繋げることができるキーカード。2枚目はこのDC中一度も使わなかったので、要検討です。
燦幻超龍トランセンド・ドラギオン 1枚
バトルフェイズ中の相手の効果の発動を一切許さず、ワンキルを通すのにとても重要なカードです。燦幻荘でメインフェイズ、トランセンドでバトルフェイズに耐性を付与することができ、メインフェイズ中にトランセンドを立てることで相手の全ての妨害をかわすことができる全ケアルートをよく使用します。また、自爆特攻をして自身の効果で蘇生しながら相手の高打点モンスターを割って、強引に攻撃を通す方法もあり、使い方は無限にあります。
ブラック・ローズ・ドラゴン 以下1枚
S召喚時に盤面をリセットするモンスター。チェーン2以降のS召喚でタイミングを逃すので、バトルフェイズ中のS召喚では扱いに気をつけましょう。炎属性ドラゴン族なので、燦幻荘で耐性を得ることができます。
オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン
ミニトランセンド。バトルフェイズ中の相手のモンスター効果を発動させない目的で使用します。とくにトランセンドを蘇生させるルートを取る場合は、トランセンドが場から離れることで相手にモンスター効果を打たせる隙が生まれてしまうのて、メテオバーストを残してケアします。
鬼動武者(デストロイ・ザムライ)
自身が戦闘を行う場合に相手のモンスター効果をそのバトルフェイズ中に消すカードです。厄介な戦闘耐性を持ったモンスターの処理に使います。幻禄の天盃龍やバイデントを使ったターンはドラゴン族縛りがついてデストロイを出せなくなるので注意。
帯刃龍カイベルト
フィールドのカードを1枚破壊できるカード。相手の戦闘で越えられないモンスターを割ったり、魔法罠を割ったり、自分の燦幻荘を割って5000打点として殴ったり、デストロイの攻撃宣言中にモンスターの数を変えて複数体無効にするために出したり、汎用性の高い1枚です。
トライデント・ドラギオン
自分のカードを2枚まで割ってその数だけ追加攻撃できるフィニッシャー。燦幻荘を割ることで6000×3回攻撃、トランセンドを割ることで蘇生して追撃ができるヤバすぎるモンスター。出したら必ずライフを削りきりましょう。
フルール・ド・バロネス
主に罠デッキへの活躍が多いモンスター。破壊と無効で罠2枚に触ることができて突破力が高いです。マグナムートが絡むと特に出しやすく、後続の展開を通すために露払いをしてくれます。デストロイザムライ同様、ドラゴン族縛りがつくと使えないので注意。
厄災の星ティフォン
DCでまさか多くないだろうと思っていたドラグーンオブレッドアイズが想像以上に多かったため、ドラグーンを処理するカードとして何度か使用しました。出すと展開が止まるので、本当に無理な場面のごまかしでしか使いません。
ストライカー・ドラゴン
リンク1として採用。効果は使いません。リトルナイトの除外効果を使うための下準備として使用したり、メインフェイズ中にヴェーラーをくらったチュンドラを変換してファドラで蘇生させてヴェーラーをかわしたり、テクい1枚。
天球の聖刻印
先攻を渡されたときの最低限の妨害として出します。ミラーで燦幻荘を張られた場面、自分のヴェーラーや無限泡影にチェーンして燦幻荘を剥がすことで、ヴェーラー泡影を通すことができるので覚えておきましょう。
灼熱の火霊使いヒータ
ミラー最強のカード。ミラー以外でも、メイン展開に妨害をくらった際に相手の灰流うららをパクって咎姫で天盃龍を蘇生させることで、切り返しの一手として使えます。
S:Pリトルナイト
相手の戦闘で突破できないカードを除去するカードとして重宝します。除外効果を使うとライフを削り切ることができなくなりますが、ないと困る1枚です。DC中にマリンセスと当たった試合で、マリンセスのフィールド魔法を除外して耐性を消して捲る活躍をしてくれました。
賜炎の咎姫
ヒータのところで解説したとおり、天盃龍を蘇生させる第二の展開手段として使います。
2 展開例?こんなこともできますよ紹介
天盃龍の展開の解説はあえてはしません。ライフを削り取るだけなら誰でもできます。
ここでは、展開を通すうえでの小技等をいくつか紹介したいと思います。
(1)全ケアルート
盃満ちる燦幻荘とトランセンドのカード解説のところで触れましたが、燦幻荘でメインフェイズ中、トランセンドでバトルフェイズ中の相手からの妨害をすべてかわす方法があります。
メインフェイズ中にトランセンドを出す+追撃用のモンスターを用意する、これだけで簡単にワンキルを通せるので覚えましょう。
(例)
燦幻荘発動
燦幻荘効果でパイドラorチュンドラの足りない方をサーチ
パイドラ召喚、開門をサーチ
チュンドラを特殊召喚
パイドラ+チュンドラでバイデントをS召喚
バイデント効果でパイドラ蘇生
バイデント+パイドラでトランセンドをS召喚
バトルフェイズに移行
開門発動、チュンドラを特殊召喚(ここにうららはもう打てないです。)
(2)戦闘破壊耐性を持つモンスターの対処
天盃龍の基本は戦闘で相手を倒すことなので、戦闘破壊耐性を持つ相手には少々手を焼くことになります。
環境においては、戦闘破壊耐性を持ち、戦闘ダメージを反射し、かつ効果で破壊すると後続のモンスターが出てくる【ユベル】は厄介です。
たとえば戦闘破壊耐性を持ったユベルモンスターが3体並んだ場面を想定します。
この場合においても、以下のモンスターを上手く使うことでワンキルが可能です。
手札 : パイドラ チュンドラ
パイドラ召喚、開門サーチ
チュンドラ特殊召喚
バトルフェイズへ、チュンドラでユベルを攻撃
ダメージステップにファドラを特殊召喚
パイドラでユベルを攻撃、攻撃宣言時にパイドラ効果発動、パイドラ+チュンドラで鬼動武者(以下デストロイ)をS召喚
デストロイでユベル1を攻撃(ここでデストロイの効果により、ユベル1の効果が無効になります)
攻撃宣言時に開門を発動、チュンドラを特殊召喚
ファドラ効果、ファドラ+チュンドラでバイデントをS召喚
バイデント効果でファドラを蘇生、ファドラ効果でパイドラを蘇生
パイドラ効果、パイドラ+バイデントでトランセンドをS召喚
墓地のバイデントの効果で蘇生、相手のファントム・ペインを破壊
ファドラ効果、ファドラ+バイデントでトライデントをS召喚
トライデント効果、トランセンドを破壊して攻撃権追加
トランセンド効果で蘇生、ユベル2を破壊(バトルフェイズ中なので、ユベルの破壊時の効果はトランセンドにより発動不可です。)
フィールドのモンスターの数が変化したことで、デストロイの攻撃の巻き戻しが発生
デストロイの攻撃が巻き戻しによって変更された場合、最初に攻撃対象にしたモンスターの効果が無効になったままという裁定が出ています。
デストロイでユベル3を攻撃、効果でユベル3の効果も無効に
これでユベル1と3の効果を無効に、ユベル2を除去し、戦闘破壊耐性を持つすべてのモンスターの無力化に成功しました。
残ったモンスターで総攻撃を仕掛けて勝ちです。
このように、厄介なモンスターにはデストロイザムライを使うことで突破することができます。
(3)フレ戦であった場面
ここからは実際にフレ戦で起きた場面を例に、捲り方を紹介します。
相手は【ジャンクドッペル】
増殖するGを指名者にはじかれ、PSYフレームロードΩを使い回されて手札が幻禄の天盃龍1枚になってしまい、相手のフィールドにはナチュル・ビースト、カオスアンヘル、レッドデーモンアビスが並ぶ危機的状況…
ここでドローしたのが、天盃龍チュンドラでした。
ここから捲っていきます。
展開
幻禄を通常召喚
チュンドラを特殊召喚
バトルフェイズ、幻禄でナチュビを攻撃、攻撃宣言時に幻禄効果でリリースしてファドラを特殊召喚
チュンドラでナチュビを攻撃、効果でパイドラを特殊召喚
パイドラ効果で燦幻荘をセット
パイドラでナチュビを攻撃、攻撃宣言時にパイドラ効果発動
ここで相手のレッドデーモンアビスがパイドラを対象に効果を発動してきたので、チュンドラをチェーンしてチュンドラ+パイドラでバイデントをS召喚
バイデント効果でチュンドラ蘇生
ファドラでナチュビを攻撃、効果でパイドラを蘇生
バイデントでナチュビを攻撃(400)←戦闘ダメージ
ファドラ効果、ファドラ+バイデントでトランセンドをS召喚
トランセンドでナチュビを攻撃(800)
バイデント効果で蘇生、ナチュビを攻撃(400)
パイドラ効果、パイドラ+バイデントでトライデントをS召喚
トライデント効果でチュンドラと裏側の燦幻荘を割って攻撃権追加
燦幻荘効果でトライデントの攻撃力を6000に
トライデントでナチュビを3回攻撃(3,800×3)
400+800+400+3,800×3 = 13,000
ナチュビが攻撃表示で立っていたので、アンヘルで戦闘破壊耐性が付与されているのを逆手に取ってサンドバッグにして勝つことができます。
なお、僕はこのとき燦幻荘セットではなく開門をサーチしてしまったので、ライフを削り切れずに負けました。判断をもっと上手くできるようになります。
反省の意を込めて紹介させていただきました。
(noteへの掲載を許可してくださった対戦相手のフレンドさんには感謝致します。)
3 弱点
最後に天盃龍の弱点を紹介します。
(1)トラップカード
とくに永続系のトラップは苦手です。燦幻荘で防ぎきれないうえに、除去手段がメインギミックにないため、EXのカードあるいはテーマ外の除去カードを採用するしかないです。
また、ダルマカルマも天敵になります。裏守備でモンスターが残ればまだしも、燦幻荘適用中はモンスターが墓地に送られるので1枚で崩壊します。
おすすめ対策カード
スキルドレイン
センサー万別
ダルマカルマ
(2)DDクロウ
全ケアルートを取られた場合に唯一手札誘発で対抗できるカードです。バイデントの蘇生効果に打つことで全ケアルートは避けることができます。他の展開手段を持たれていると貫通される場合もあるので、他の妨害カードと併せてなんとか生き延びましょう。
(3)幽鬼うさぎ
燦幻荘のサーチ効果に有効です。他の妨害カードが通るようになるため、複数枚で天盃龍の猛攻を防ぎきってください。
(4)完全体カオスアンヘル
光属性と闇属性を両方素材にした、いわゆる完全体カオスアンヘルの処理には苦労します。デストロイザムライで無理やり耐性を消すしかありません。
(5)アークネメシス・エスカトス
ドラゴン族を宣言されると、後攻で何もできなくなります。【霊獣】は先攻展開でこのカードを目指すのがベターです。スプライト・エルフのリンク先にエスカトスを出してヴェーラー無限泡影をケアしつつ、効果を通すことができます。12月のDCで霊獣が評価された理由のひとつです。
その他色々な場面によって刺さったり刺さらなかったりするカードは何枚もあります。天盃龍の場合、その自由枠の多さから、それらの対策カードに対抗手段を採用できるのが強みです。
罠がキツいならレッド・リブートを入れればいい。
耐性持ちがキツいならサタンクロースを入れればいい。
環境に刺さる誘発の枚数を増やし、そうじゃないカードはその都度減らす。
等など…
こうした調整を何回も重ねて、【天盃龍】は完成していきます。
環境は日々変化していくため、天盃龍の自由枠を環境に合わせて適応させていくことで、安定した勝率を出すことができるでしょう。
「天盃龍は盆栽」という言葉を聞きましたが、日々の緻密な調整を繰り返して、天盃龍を自分のデッキにしてみてください。