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就活適当にやったら弩ブラック企業に就職した話 2
こんにちは。或いはこんばんは。
一般会社員の黒猫です。
もの好きな方に向けた第二話。
ここでの結論を先に言うなら。
【定時に仕事が無いなら迷わず帰れ。
ダメと言われるなら会社がダメだ。】
さて。
企業研究も下調べもしないまま、ノリと勢いで就職し、意気揚々と地獄の門をドリフトしていく私。
最初の地獄は針の山だった。
東証一部上場企業とはいえ、巨大な一族経営。
本社での研修はホワイトと言って申し分なく。
地元ということもあり和やかな雰囲気で新卒の仲間と別れた。
そして半蔵門の配属先。
仕事内容はニッチなメーカー。
オフィス内装の製造、販売、工事までを行う会社。
メンバーはこちら。
・支店長 離脱物横領罪で前科あり。怒ると手がつけられない。
・課長 唯一の良心。怒ると手がつけられない。
・係長 数々の女性を中⚪︎させてきた経験あり。
Vシネマを見るのが趣味。怒ると手がつけられない。
・主任A ADHD。たまに案件を中途半端にして飛ぶ。課長がケツを拭く。
・主任B 無口。怒り方がネチネチ型
・担当 私のトレーナー。基本的に現場をみがわりにする。怒り方がネチネチ型。
おわかりのように、沸点が低過ぎる部署であった。
新卒で至らない点があったことを差し引いても、怒りの沸点は低い。
どうしてこうなったのかといえば、全ては独立採算制度という体制のせいである。
支店ごとに一つの会社のように扱い、採用やらなんやらを本社ではなく支店単位で行わせる。
自分に似た体質の人間を中途採用しようとしたら可能なのである。
全体としては良い会社、部分的に見れば全く別会社というような感じである。
こういうもののデメリットも調査不足だった。
配属先のトレーナー担当に同行し、ビルの内装現場や工事状況、見積の作成から折衝まで、一通りを学ぶ。
礼儀やマナーはある程度熟知しているので、そこに対しては特段怒られることは無かった。
最初にネチネチ言われたのは仕事終わり。
「お前さ。普通『なにかやる事ありますか?』って言って帰るだろ。
なんで定時で片付けて帰ってんの?
仕事覚えたくないの?」
そう、突然言われた。
定時は18時。チャイムも鳴る。
ただ帰る人は確かに居ない。
新卒に残業なんてないし。
ましてや本社の研修で何もなければ帰宅せよと言われていた。
(文化圏が違うのか…?)
仕事は確かに覚えたいので、次から帰る時には必ず『何かやることありますか?』と聞くようにした。
ただ、これを聞いた後そこそこ重い見積をさせられるうえに数値のミスをすると、
『お前、イヤイヤやってるからこんなミスばっかなんだよ。責任感持ってやれよ。』
などお叱りを受ける。
ちなみに解放されるのは定時の7時間後。
朝1時だ。
帰宅は埼玉なので到着は朝3時。
次の日は満員電車を避けるため朝6時に出発。
1ヶ月後には睡眠時間3時間の、虚ろな目をした弩疲れ会社員の出来上がりである。
平日昼間なのに山手線で気を失う事もしばしば、睡眠不足で頭に血が通わずふらつく。
そんな中で連日夜中まで見積作業。
ミスをしないわけが無い。
こんな形でチクチク、チクチクと針の山を登るように、小さなミスは消える事無く。
同行した上司全員から叱られ続けるのだった。
反響が無くても続く…