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泣き寝入りしない!ブラックバイト被害者のための労働審判・訴訟ガイド


「残業代が支払われない」「不当に解雇された」「パワハラを受けている」…
ブラックバイトの被害に苦しみ、労働基準監督署への申告や、会社との交渉を試みたものの、問題が解決せず、途方に暮れている方もいるのではないでしょうか。
もう、泣き寝入りする必要はありません。
このガイドでは、ブラックバイト被害に立ち向かうための最終手段、**「労働審判」と「訴訟」**について、弁護士監修のもと、わかりやすく解説します。
「労働審判」や「訴訟」は、あなたに認められた正当な権利です。
「裁判なんて、大げさ…」「自分には無理…」 と諦めてしまう前に、ぜひこのガイドを最後までご覧ください。
この記事でわかること

  • 労働審判と訴訟の違い

  • 労働審判・訴訟のメリット、デメリット

  • 労働審判・訴訟の手続きの流れ

  • 証拠の集め方、弁護士の探し方

  • 労働審判・訴訟で、あなたが得られる可能性のあるもの

この記事は、以下のような方におすすめです

  • ブラックバイトで、違法な働かせ方をされている

  • 労働基準監督署への申告や、会社との交渉では解決しなかった

  • 労働審判や訴訟を検討しているが、何から始めれば良いかわからない

  • 労働審判や訴訟の手続きの流れ、費用について知りたい

  • 弁護士の探し方、選び方を知りたい

このガイドを、ブラックバイト被害から抜け出し、あなたの権利を守るための一歩としてください。
「ブラックバイト対策室」は、あなたの戦いを全力でサポートします。

第1章:労働審判・訴訟という選択肢

1-1. 労働審判とは?


労働審判とは、労働者と事業主との間の個別労働紛争を、迅速、適正かつ実効的に解決するための、裁判所の手続きです。
原則として、3回以内の期日で、調停(話し合い)による解決を試み、調停が成立しない場合には、審判委員会が審判を下します。
裁判官(労働審判官)1名と、労働関係に関する専門的な知識経験を有する労働審判員2名で組織された労働審判委員会が、審理を行います。

1-2. 訴訟とは?


訴訟とは、当事者間の紛争を、裁判所が法律に基づいて判断し、解決する手続きです。
労働に関する訴訟(労働訴訟)は、地方裁判所で行われます。

1-3. 労働審判と訴訟の違い


項目労働審判訴訟解決方法調停(話し合い)と審判判決期日の回数原則として3回以内制限なし関与する人裁判官1名、労働審判員2名裁判官審理の進め方非公開公開解決までの期間平均で約72.7日(令和3年司法統計)事案によるが、半年から1年以上かかることが多い費用訴訟より低額(数千円~数万円程度)労働審判より高額(数十万円以上)証拠の厳格性訴訟ほど厳格ではない厳格上訴審判に不服がある場合、2週間以内に異議申立てが可能。異議申立てがあると、訴訟に移行する。判決に不服がある場合、控訴・上告が可能

1-4. 労働審判のメリット・デメリット


メリット

  • 迅速な解決が期待できる: 訴訟に比べて、審理期間が短く、早期解決が期待できます。

  • 手続きが比較的簡単: 訴訟に比べて、手続きが簡単で、本人でも対応しやすいです。

  • 費用が比較的低額: 訴訟に比べて、費用が低額です。

  • 非公開で行われる: プライバシーが保護されます。

  • 専門家が関与する: 労働問題に詳しい労働審判員が関与するため、実情に即した解決が期待できます。

デメリット

  • 調停が成立しない場合、審判が下される: 必ずしも、自分の希望通りの結果になるとは限りません。

  • 審判に不服がある場合、異議申立てをすると、訴訟に移行する: 解決が長期化する可能性があります。

  • 相手方が欠席した場合、手続きが進まない場合がある

  • すべての労働問題に適しているわけではない: 複雑な争点がある場合などは、訴訟の方が適している場合があります。

1-5. 訴訟のメリット・デメリット


メリット

  • 判決により、白黒はっきりした解決が得られる: 判決には強制力があり、相手方が従わない場合は、強制執行が可能です。

  • 控訴・上告により、上級審の判断を仰ぐことができる: 判決に不服がある場合は、上級審に判断を求めることができます。

  • すべての労働問題に適している

デメリット

  • 解決までに時間がかかる: 労働審判に比べて、解決までに時間がかかります。

  • 費用が高額: 労働審判に比べて、費用が高額になります。

  • 手続きが複雑: 労働審判に比べて、手続きが複雑で、本人での対応は困難です。

  • 公開の法廷で行われる: プライバシーが保護されません。

  • 厳格な証拠が必要

1-6. どのような場合に労働審判・訴訟が有効か?


労働審判が有効な場合

  • 早期解決を望む場合

  • 証拠が一定程度揃っている場合

  • 費用を抑えたい場合

  • プライバシーを守りたい場合

  • 話し合いで解決できる可能性がある場合

訴訟が有効な場合

  • 白黒はっきりした解決を望む場合

  • 相手方が争う姿勢を示している場合

  • 複雑な争点がある場合

  • 証拠が膨大にある場合

  • 相手方が、労働審判での解決に応じない可能性が高い場合

1-7. 労働審判か訴訟か、どちらを選ぶべきか?


どちらが適しているかは、個々の状況によって異なります。
弁護士などの専門家に相談し、最適な方法を選択することをお勧めします。

第2章:労働審判の手続きの流れ


2-1. 申立前の準備


  • 証拠の収集: 労働審判を申し立てる前に、できる限り証拠を集めておきましょう。(第4章で詳しく解説)

  • 弁護士への相談: 労働審判の手続きは、訴訟に比べて簡単ですが、不安な場合は弁護士に相談することをお勧めします。(第5章で詳しく解説)

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