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カップラーメンを待つくらいの間でわかる音楽講座 ごまかす感覚で音をたすのはダメ b labo vol.91

ごまかす感覚で音をたすのはダメ

先日ラジオから「雨あがりのダウンタウン」アグネス・ラムが聴こえてきた。歌唱力はおろか日本語もたどたどしいが、とても魅力的であった。

アレンジが大袈裟でない、これが大切であり彼女の歌の下手さを逆にうまく使っていると思う。素朴というか牧歌的な仕上がりだ。

とても少ない音数のなかでソプラノサックスが一番の味付けをしているのだが、フレーズはあくまでも歌のメロディを基本とする。最後のエンディング部分だけさりげなくジャズテイストを盛り込んでお洒落に終わっている。

「ラムちゃん下手だからバックのサウンドでごまかさないと」
なんて考えたら、きっと墓穴を掘る結果だったでしょう。

私自身も若いとき自信の無さから、そしてたんにカッコイイという思い込みから「音をたすこと」ばかり考えていました。

しかし役割とか全体図を考えずにたしたところで邪魔になるだけです。
バンドメンバー全員がこのように自信の無さをごまかそうと音数を増やしていったら? とても聴けるものではありませんね。

このメロディにはこのコードが欲しい、
リズムがこう来たらこう返す、
ここはオブリガードで重ねて・・・
など意味と役割を考えて必要に応じて入れる。
バンドやサウンドとはこうあるべきだと思います。


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