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カップラーメンを待つくらいの間でわかる音楽講座 ボーカルほど楽器のことを知ってほしい(その2) b labo vol.95
ボーカルほど楽器のことを知ってほしい(その2)
演歌歌手の坂本冬美は師匠である猪俣公章から厳しいレッスンを受けました。
デビュー曲の「あばれ太鼓」ですが、歌の出だしである「どうせ~」のワンフレーズだけで何日間もダメだしされたそうです。
注意して聴いてみてください、どうせ~のフレーズの直前にはコブシがかかった「ん」が入っています。この「ん」から連動する「どうせ~」がうまく歌えずに苦しみました。
たしかにこの部分、ダイナミックに強調しつつスピード感も含ませるには「ん」がとても重要になります。
強調するには大きな音を出せばよい、そんな単純な問題ではありません。
ドラマーならご存知でしょうが「フラム」という手法を使えば、無理せずスムーズに大きく聴こえる音を出すことができます。
フラムとはジャストのタイミングで叩く音符(本音符)の直前に装飾音符を1打加えた奏法。 メインとなる音符の前にごく短い音を加えることで、複数の人が同時に叩いたような厚みのある音を鳴らすことができます。
ビートルズのツイスト&シャウトの最後を聴いてみてください。
「なるほど」と思うはずです。
フラムというのは一種の錯覚現象であり実際により大きな音が出ているとは思えません。音楽や楽器にはこのようなことが往々にしてあります。
声量があること、高い声が出ること、もちろんボーカルには必要で有利になることは間違いありません。しかしボーカルもひとつの楽器として捉えて鳴らし方、鳴らすべき間などを研究してください。