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カップラーメンを待つくらいの間でわかる音楽講座 揺らぎ b labo vol.46
揺らぎ
最近は有名グループの特定トラックだけを抽出した音源が数多くYouTubeとかに流れています。ビートルズ関係は特に多く、ドラムだけベースだけなどの音源が譜面と一緒にアップされていたりする。
「昔あんなに苦労して耳コピしたのにあの苦労はなんだったのだ」
と怒る反面、その耳コピに間違いも多くて情けなくもなる。
自分で勝手に柱の角に足の小指をぶつけたような気分だ。
それはさておき、こういうベースだけ音源などをあらためて聴くと「けっこういい加減だったのね」とか「本当にこれでいいの?」という感じがする。
ポール・マッカートニーとか「サムシング」であきらかに走っている場面があったり、間違いをごまかしている場面がある。
ジェームス・ジェマーソンの「What's going on」のベースもドラムとは対照的に前につっこみ気味だったり、一瞬迷って音が途切れたりしています。
有名な酔っ払い伝説は本当のようです。
クリックのない時代で修正もできない一発勝負なので仕方ありませんが、全体として聴くと不思議と違和感がない。むしろ心地よく感じる。
ここが音楽の面白いところでグルーヴと呼ばれているのはこうした「揺らぎ」のことではないでしょうか。揺らぐもの同士があるポイントで重なり合うと心地よい安定感に変化する。
完全に揺らぎのない、つまりグルーヴのない音楽とはファミコンのスーパーマリオのような音楽です。だからこそゲームに集中できる。
結局、譜面どおりテンポどおりにきっちりと演奏しただけでは不十分だということですが難しい問題ですね。
多少ずれていても「味よ」なんて言う人がよくいますが、それは雑の間違いです。それに味なんてかなりのベテランでなければ出せません。
「意識した場所に意識した音を出す」
これが本当にきっちりとした演奏だと思います。これができれば譜面どおりにも、また状況に応じて揺らすことも可能となります。
まぁ私自身が正解がどこにあるのか?結論がでていませんが、だからこそずっと音楽をつづけているのかもしれませんね。