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てがいたかった しかの おはなし

しかは まいにち おはなしを かく どうぶつです

まいにち たくさん おはなしを かくので てが いたくなります

だれかが しかに おしえてくれました

まんねんひつ というものをつかうと てが つかれない

こどものしかは おかあさんに おねがいしました

「まんねんひつが ほしい」

おかあさんは くびをふりました

「まんねんひつは とても とても たかいのよ」

「それじゃあ しかたがないね」

しかは あきらめて えんぴつを けずって おはなしを かきました

としつきがすぎ しかは おとなになりました

ぱそこんをつかえば あまり ても いたくなりません

でも やっぱり てがきがしたい

つかいやすい ぼーるぺんは たくさんありますが すぐに つまってしまいます

「つまらなくて すらすらかけて なんじかんも つかっても つかれない……」

ふでぺんや さいんぺんを手に なやんでいた しかに ともだちの だむが りぷらいを くれました

「しか これ すきでしょう」

そこにあったのは とても うつくしい ぺんでした

しかのきおくが よみがえります

まんねんひつ!

まんねんひつをつかうと てが つかれない!

しかも こんなに うつくしいなんて!

しかは そのひから まいにち まんねんひつについて しらべはじめました

けついした しかは おかねを てに ぶんぐてんにでかけていきました

よさんは いちまんえん

いくつもの まんねんひつを しかは にぎります

そうして……

そうして……

しかは きっさてんで まんねんひつをみつめています

そこにあるのは うぉーたーまんしゃの かれん

よんまんえんでした

そこにある まんねんひつのなかで いちばん しかにとって かきやすかった ぺんは うぉーたーまんしゃの かれん よんまんえん だったのです

しかは そんなおおきなかいものをしたのは じんせいで さんどめでした

「どうして かしら」

しかは かんがえながら こーひーをのみました

しかには もう なにも わかりませんでした

ほんとうに かれんをつかえば てが いたくないのか

よさんとは なんだったのか

ちょきんは だいじょうぶなのか

なにひとつ わかりません

ただ わかるのは かれんで じを かいていると とても しあわせだということ だけでした

おしまい

ウォーターマン 万年筆 カレン フロスティーブラウンST

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