読書感想文というのは結局何だったのでしょうか?
いまだにリアルタイムで読書感想文を書いている方にも届くといいですね。このへんに関してはまとまった文章をもっと書きたいんですが、とにかく私は子供の頃から読書感想文というものがめちゃくちゃ嫌いで、教師にその意義をしょっちゅう問う面倒くさい生徒でした。学校の先生というのは激務なのでそういうことをしていじめるのはやめたいとは思うが、じゃあ誰に何を言ったらいいというのか?
さて、読書感想文とはいったい何だったのかはともかく、求められている内容としては、
・ある程度の量の文章を読み切る能力
・ある程度の量の文章を読み切り、内容を把握する能力
・(ここが重要ですが)読書感想文のフォーマットを理解する能力
・読書感想文のフォーマットに合わせた内容を調整する能力
・それを書きあげる能力
以上です。
文章を読む、内容を把握する、それについて所見を書く、これは実は普通にできる人はけっこういると思います。内容が「何を書いてもよい、感じたことをかきなさい」だったとしたらそれで別に何の問題もないのです。でも実際はそうではありません。読書感想文のポイントは「フォーマットを理解する」です。
実をいうとこの能力は完全にビジネススキルです。
履歴書、エントリーシート、職務経歴書、月間努力目標、始末書、プレゼンテーション資料、フォーマットが決まっていて書かないといけない内容も決まっていてその枠の中で新規性を出さないといけないんだけど新規性より先にフォーマットを理解していないと困る文章、お仕事を始めるとそれなりの量書かされますね。無限に書くことになるお仕事の方もいらっしゃるでしょう。
読書感想文はそれの練習ができるはずです。
はずです。
ちゃんと教育してもらえれば。
しかし実情として読書感想文の書き方というものを我々は教わらずになんか本を読んで文章を書いて来いと言われたから書いたのにこの内容ではだめですと突っ返される経験を持ちすぎており、結果として好きな同人作家に感想を送るひとつおぼつかないのです。
フォーマットを教える授業を! 一時間!
どうして取れないんだろう!
現在の学校では取っている人もいることを祈る!
読書感想文に求められているフォーマットはこうです。
・こういう内容でした
・この点に関して、わたしは(社会的・思想的に常識の範囲内と考えられる知見)を得ました
・本を読むことによって、そのような知見が得られて、向上しました
以上です。
「社会的・思想的に常識の範囲内と考えられる知見」というのがまあ気持ち悪いんだけどそういうルールなので仕方がない(わたしはこの点において過去数回国語教師に一方的な喧嘩を売り困らせました)。
・友情の大切さ
・家族の関係性のあるべき姿
・動物愛護
・自然環境に対する問題意識
あたりが穏当です。「旅行」とか「戦争」とか「恋愛」とか「歴史」をテーマに取るのもありですが事故りやすいので気をつけましょう。動物愛護や自然環境関係も「やっぱり人類は滅ぶべき」とかに持っていくと、事実そうであるとしても職員室に呼び出される危険性があります。
何を問われているかというと、「人類として生きていく自覚を持っているか」みたいな話です。
うるせえわ! それ本当に国語教育か!?
仕方がないですね。「この会社を裏切る気はないです」と、思ってもないことを書類に書かなくてはいけないように、友情は大切だなあと思ったり、動物を大事にするのは大切だなあ(しかし人類の方がもっと大事である)と思ったり、しているということにしなくてはならないのだ。
効率が悪い。
効率が悪い! (読書感想文が嫌いです)
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