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第40話「デート(仮)」

(前回からの続き)
 前回ロードさんに告白して、返事待ちの状態です。それまでボーッと待っていても仕方ありません。デートに誘って距離を縮めて行きたいと思います。

 まずうなぎ屋さんに誘いました(「うなぎ食べたいね」という話が出ていたので)。
 久々のうなぎです。堪能しようと、渋谷の高級店を予約しました。さすが高級店、上品な雰囲気でとても良い感じです。
 料理はコースを注文。最初に出てきたのは「うなぎの骨せんべい」でした。
(あれ? あまり美味しくない……)
 ははーん、高級店でありがちなやつですか。見た目の上品さで値段を高くして、味はイマイチというやつ。
 2品目はうなぎの小鉢料理。これも小洒落た小さなお皿に、ちょこんと料理が乗っているだけのものです。こんなちょっとした料理が美味いわけ……、
「うまー!!!」
 いきなりテンションMAXになりました。美味しすぎます。ロードさんも「美味しい!」と絶賛でした。
 3品目、4品目と、とてつもない美味しさが続きます。
 6品くらい続いたでしょうか。少食の私、苦しくなってきました。「ふー、もうお腹いっぱい」と言おうと思ったその時です。メインのうな重ドーン!
 ここでー!? そういや、まだうな重食べていなかったですけど! 遅くないですか?
タクヤ「ロードさん、食べられそうですか? オレお腹いっぱいになってきました……」
 私と同じ細身体型のロードさんに聞いてみます。
ロードさん「私はギリ行けそうです」
タクヤ「スゴいですね……」
 食べ物を残すのは嫌です。私も頑張って口に放り込みます。ですが、もう、無理、限界。結局3分の2残しました(結構残したな)。
 はいここで、トドメのデザートドーン!
タクヤ(ブクブクブク)
 泡吹きました。店主の胃袋計算どうなってんでしょうか。
 ロードさんはギリ完食。スゴい。
 帰りは具合悪くなって口数少なくなるタクヤ。男らしくないし、全然距離が縮まっていない気がします。

 別の日には「ジャコメッティ展」へ行ってきました。

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 腐ってもデザイナーです。芸術は普通の人より分かります。「この人出来る!」と思われるようなことを言えば、尊敬により距離も縮まるはずです。
 私は作品を心の目で見て、感じたままをロードさんに伝えました。

タクヤ「細いですね(震え声)」

 絶望!
 山田五郎さんの音声ガイドがとても分かりやすくて楽しかったです。こんな感じのことを言いたかったです。

 数回のデート(仮)を終え、私は困っていました。ロードさんの、「返事はちょっと待って」の「ちょっと」はいつくらいでしょうか。こちらからまた申し込んでも良いのでしょうか。そのタイミングは?
 悩んでいると、ちょうどLINEでロードさんからデート(仮)のお誘いがありました。
「鎌倉へ日帰り旅行行きませんか?」
 ここだ! ここでもう一度申し込もう!
 明確な目標が出来たことにより、私はテンションが上がってきました。

 次回へ続きます。

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