第21話「左スワイプ」

　婚活アプリで面白いと思ったのが、写真の左右のスワイプです。何かと言いますと、「お話ししてみたい」「いいね」「こいつぁ上玉だ」と思ったら右に写真を移動させ、「うーん」という方は左に写真を移動させる行為です。右に移動させると、その人に「いいね」が送られる仕組み。
　最初それが楽しくて、止めどなくスワイプさせていました。左、右、左、右……。徐々に基準が厳しくなっていき、かなり可愛い子じゃないと右にしない状態に。
　3日目くらいでふと気づくのです。タクヤよ、お前は選べる立場の人間なのかと。何様だと。
　そこから猛省し、プロフィール重視にしました。そして例え可愛い女性でも、合わなそうだったら左スワイプするようにしました（泣きながら）。

　私の左スワイプする傾向を書き出してみました。世の男性の意見ではなく、あくまで「私の」なので、暖かい目で読んでください。

「海外旅行が趣味です」

　この趣味の女性がまぁ多い。9割の人がプロフィールに書いている印象です。写真も、どれだけ行っているんだというくらい何枚も海外写真を載せています。見栄えは良いですし、その方にとっては思い出の写真なのでしょう。ですが、私がこれを見て思うことは、「金かかりそう！」です。すぐに左スワイプです。
　ただ、好印象の女性もいました。
「1年に1回、お金を貯めて行く海外旅行を楽しみに生きています！」
　可愛い。1年に1回くらいなら金額も想像できますし、私も一緒に行きたいな、とまで思いました。
　旅行の間隔や、かけているお金が分かれば印象は変わりそうです。

「初回デート費用：男が全部払う」

　これを言っちゃう女性は引きますね。
　もちろん男性自身は「男が全部払うのが当たり前」と思っていますが（思っていない人は改めましょう）、女性が「払って当然」と公言しちゃうのは、はしたないなと思ってしまいます。
　無回答、もしくは「相手と相談して決める」なら好印象。

「趣味は山登りです」

　昔、富士山に登ったことがあります。山頂で、「もう一生山には登りません」と誓ったので、申し訳ないですが左スワイプ。

「ドライブ好き」

　東京に住んでいると全然車に乗らなくなりますね。元々車に興味も無いですし、その人にとっても車好きの男性の方が良いんだろうなと思って左スワイプ。

「プロフィール写真が変顔」

　目的はなんでしょう……。左スワイプ。

「プロフィール写真が景色の写真」

　1枚目に景色が来た時点ですぐに左スワイプ。経験上、他も全部景色なので。

「タバコを吸う」

　これは無条件で左スワイプ。自分が吸わないので、生活に関わってくるとなるとツラいです。

　こう見るとあれですね。お前何様だと。
　何をそんなに選り好みをしているのか。変顔くらい良いじゃないか。山登りも良いじゃないか。確かにそうです。冷静になりました。もう少し判断を緩めようと思います。

　逆に私が「いいね」をするのはこんな方々。

「楽しそうに笑っている写真」：やっぱり笑っている顔が一番。
「食べている写真」：個人的に好きです。
「インドア派」：インドア派はなかなかいないので貴重です。
「aiko好き」：一緒にライブに行きたいです。
「カフェ好き」：一緒にカフェ巡りしたいです。
「ドラマ好き」：好きなドラマを語り合いたいです。
「映画好き」：色々観に行きたいです。
「漫画好き」：ウチに来たらマンガ喫茶感覚で楽しめます。
「ゲーム好き」：一緒にゲームしたいです。

　二人で一緒に楽しむことを想像しながら「いいね」を送っています。私の想い、届け！
女性「左スワイプ」