進路、詰み。

先生に「今月中には絶対決めないといけないよ」と言われてしまったし、僕もそう思うので本格的に大学を選び始めた。遅すぎるね。

日本にある大学の半数以上は定員割れしていて、大学生になろうと思えば誰でもなれる。文字通り「名前を書けば入れる大学」が過半を占めている。が、そんな無名大学に入ったところで就職が絶望的なのは言わずもがな、大学進学がスタンダードになりつつある現代日本ではきっと鼻で笑われる一生を過ごすことになるでしょう。こういった面では学歴社会は進行しているのでは?と思うけどそれは個人の感想。

本題に戻し、僕の話をします。
僕は生物が好きで、今まで理系のカリキュラムで授業を受けてきた。数学の成績は芳しくなく、模試での偏差値は常に40〜55程度。ただ生物が得意だったのでここまではよかった。ここまでは。
問題は化学。
僕は化学が絶望的にできなかった。想定外だった。
理系として生きていく以上、数学・理科2科目が必須となる。数学は伸ばせるところまで伸ばせるとして5〜7割と見積もり、生物と化学で補うつもりだったのだが、結果は化学が数学と同じかそれ以上にできなかった。偏差値は35〜50程度。控えめに言って終わっている成績。化学の授業が始まるのは文理選択後の高2からなので、これは完全な誤算となる。
3科目のうち2科目の成績が終了していると流石に名のある大学は厳しい。厳しいどころの騒ぎじゃない。
「終わり」である。

国公立を選ぼうが私立を選ぼうが数学と理科最低1科目は必須である以上、理系としての進学は絶望的。

じゃあどうする?
幸い(?)なことに、僕は昔からなぜか国語はできた。
これはもう文転するしか…という思考に至った。

しかしここでまたも問題発生。「受験に必要な科目を履修していない」のである。文系の受験に必要な科目は、国語・英語・社会が相場であり、文転者への措置として数学での受験の制度も設けられているものの僕は数学ができない。数学から逃げたくて選択する人が圧倒的多数の文系をわざわざ数学で受験するような酔狂はよっぽど数学が得意な人間しかいない。つまり、僕は数学受験の制度を利用しては戦えない。
僕が履修済みの基礎のつかない社会科目は公共/倫理のみ。共通テストで使う予定なので履修したが、個別試験ではなんとこの「公共/倫理」のみがピンポイントで使えない大学が多い。なぜ。公共/政治経済でなら受験可能なところが多いのに、倫理はだめらしい。
となると僕には履修していない科目である「世界史」「日本史」「地理探究」「政治経済」のどれかを選んで一から学ぶ道しか残されていない。

本当にそんなことができるのか?
元来文系の人間とのブランクは約一年半、教科書もない状態から全く未履修の科目を独学で?受験で全国の精鋭たちと対等にやり合えるレベルまで???
無理に決まってるだろ、そんなの

名のある私大を共通テスト利用で受験する場合、文系なら国語・英語・任意の科目を組み合わせた合計点、理系なら数学・英語・任意の科目を組み合わせた合計点が「8割」程度でないと受からない。8割。数学ができない僕にとっては数学がいるだけで無理な得点率だ。他の科目で12割を叩き出さなくてはいけなくなる。文系なら国語で点が取れる(確率が高い)分まだ現実的になるが、それでも8割は相当厳しい。
やっぱり個別試験からは逃れられない。

もう6月だ。受験まであと半年と少ししかないじゃないか。そこで未履修の科目を独学で?かといって理系は絶望的だ。やはり文転するしかない。

僕は全ての選択を間違えたのだ。
恨めしき2年前の今、文理選択の紙の「理系」に堂々と丸を付けた自分を嬲り殺してやりたい。
あのとき化学が苦手なことを知っていれば、あのとき国語が好きになることを知っていれば、あのとき行きたい大学と系統が決まっていれば、あのとき、

どんなに悔やんだって時間は戻らない。過去は変えられない。僕が世界史も日本史も政治経済も地理探究も未履修であるという事実も変わらない。

頑張るしかない。またか、また頑張るしかないのか。
僕が人生における選択を誤らなかったことはない。
いっつも、自分の失敗の尻拭いに追われ、それを繕うために常人よりも多くの努力が必要になる。
でも行きたいんだろ、大学。
生きたいんだろ、できれば。
じゃあ頑張るしかないよ、
なんて わかってるよ うるさいなぁ。
頑張るしかないんだから、死なないように頑張るよ。

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