才能を発見できず、開花させないまま死にたくはありません。
「人生は一度しかない」という話には大抵の人は同意すると思います。しかし、「一度しかない人生を生ききったか?」と言われると、「もちろん」と言える人がどれだけいるのでしょうか?
いえ、他人のことを言っている場合ではありません。
もし、明日死んでしまったら、きっと、私は後悔します(肉体が活動を止めて、精神が残った場合の話です)
Appleの創業者であるスティーブ・ジョブスは「もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは 本当に自分のやりたいことだろうか?」と自分に問うたと言います。
余命1日
明日死ぬわけではないと思っていれば、「違うな。でも、そのうちにやりたいことが見つかるだろう」と悠長に考えてしまいます。
でも、お腹が痛いなと思って病院に行って、「あなたの寿命は後1日です。」と宣告をされたら、シャレになりません。人生の最期を楽しむ時間もなく、後悔と絶望の1日を過ごすか、開き直って、「私の人生、そんなに悪くなかった」と強がりで死んでいくのか。せいぜい、そんなレベルだと思います(私の場合です)。
だいたい話が違います。余命というのは、最低でも半年くらいあるイメージです。それが1日とは話が違います。でも、ジョブスの問いは、そういうことなのでしょう。
こんなはずではない日々(結構長い)
たぶん、私は明日も生きているでしょうし、それなりに一生懸命に過ごしてきましたが、十分に満足する人生ではありません。
私が「人は、その人にあった人生を送ることが決まっている」というような運命論者であれば、自分の人生を受け入れる(満足ではない)かもしれません。でも、そんな達観した人間ではないので、
・俺はこんなもんじゃない
・おかしい
・このままではいけない!
と強く思いながらも、仕事が忙しいし、お金も稼がないといけないし、疲れたから休みたいしなんてことの繰り返しで、ずいぶんを長い時間を過ごしました。
そんな繰り返しですから、
「あなたの余命後1日」
と宣告されてしまえば、
ガチョーン!!(思考停止)
です。
そして、きっと思考停止のまま死んでいきます。
そんな人生は嫌です。なぜなら、私の人生はこんなものではないからです。
「こんなはずではない」と思うとストレスが溜まりますが、プラスの面もあります。それは、「まだ、自分の才能に期待している」からです。要は、人生をあきらめているわけではないということです。
あえて、「まだ」と言ったのは、あなたが何歳かはわかりませんが、年齢を重ねるごとに、発揮できる才能というのは狭まるからです。仮に、私の野球の才能があったとしても、今から(49歳です)プロ野球選手を目指すのは現実的ではないでしょう。体を使って才能を活かす手段は限られます。
一方で、年齢を重ねることで、経験や知識を身につけて、頭を使うことで才能を活かす手段を考えることはできます。
年齢と才能というのは、結構重要な関係を持ちます。
経験や知識がない時は、自分が何者にでもなれると思います。しかし、経験や知識を増えるほど、才能のなさや実現できない理由がどんどんわかるようになります。自分が何者であるかはわかりませんが、大物ではないことを痛感する場面にたくさん遭遇します。
オールドルーキー
「それでもきっと自分には何かの才能があるはずだ」
50歳になろうとしている人間が、自分の才能を活かす方法を考えるなんて、ばかげた話かもしれません。
竹原ピストルさんは、「オールドルーキー」という曲で、
積み上げてきたもので
勝負しても勝てねえよ
積み上げてみたものと
勝負しねえと勝てねえよ
と歌っています。
これまで積み上げたもので勝負して勝てなかったから今の私があります。でも、積み上げてきたもので勝負するしかないのです。
そうしないと、一生懸命に生きてきた自分がかわいそうでしょう。
積み上げてきたものを大切にして、積み上げてきたものを手放し、そこに新しい才能を発見する。発見した才能を磨くために、また一生懸命に生きる。
どんな人にも才能はあります。
ただ、自分の才能を発見できる人と、発見できない人がいることは確かでしょう。統計を取ったわけではありませんが、後者の方が多いように感じます。
いえ、統計など関係ありませんね。
私は後者のまま死んでいく人間だったということであり、それでは嫌だと思っている人間であるということです。
人は必ず死ぬ。
いつ死ぬかはわからない。
人生は一度しかない。
このゆるぎない事実の前には、どんな言い訳も通用しません。だから、一刻も早く自分の才能を発見したいと思います。そして、その方法を考え、人生をかけた実験をしているのです。
才能を発見できず、開花させないまま死にたくはありません。
年をとって、何者にでもなれないとわかったからこそ、オールドルーキーとして生きるという選択肢もあると思います。
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