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人生にムダなことはあるのか?


人生にムダなことはあるのでしょうか?

社会全体で、効率化やムダ取りが盛んですが、一方で人生にムダなことはないという考えもあります。両者は、ムダに関する論点が違うので、交わることが簡単ではありません。

効率化を推進する時のムダというのは、

・段取りが悪いこと
・手順や人数を少なくしても効果が変わらないこと

段取りが悪いというのは、手順が抜けているか順番が違うことを言います。また、手順を省いても結果が変わらない場合は、省いていい部分はムダだと言えます。

一方で、人生にムダはないという考えは、その行為に対して意味づけができるということです。

たとえば、新入社員が段取りの悪い仕事をしたとしましょう。彼はムダな仕事をしているわけですが、仕事を覚えるという点では、段取りの悪い仕事をすることに意味があると考えることができます。

では、何のために新入社員研修を行うのでしょうか?彼らを少しでも早く教育し、戦力にするためでしょう。特に人材教育に余裕のない中小企業では、一刻も早く、新人を戦力化したいはずです。ならば、段取りの悪い仕事を指摘せずに、失敗から学ばせることに意味があるのでしょうか?

最初から戦力にするためには、正しい手順を教えておく方が効果的でしょう。ならば、失敗から学ばせることはムダだと言えます。しかし、新人時代の苦労があったから、一人前の社会人になれたという意味が後から付加されれば、失敗はムダではありません。

果たして、ムダとはどのように検証すればいいのでしょうか?


どのようにムダを検証すればいいのか?

ムダかムダでないかを検証するにあたり、時間軸の設定が必要になると思います。

先ほどの新入社員の例で言えば、その仕事の終わりに時間軸を設定すれば、ムダな仕事をしたことになります。しかし、一人前の仕事人になるという時間軸を設定すれば、ムダではありません。

同じ事象でも、ムダかムダでないかは、時間軸によって変わってきます。効率化を推進する場合は、時間軸が短く、ムダなことがないという考えの場合は、時間軸が長く設定されています。

時間軸の設定方法は、目的・目標に左右されます。

比較的簡単に達成できる目的は時間軸が短くなります。逆に、大きな目標の場合は時間軸が長くなります。

たとえば、記事を一本書くという目的の場合、情報収集と集中できる時間の確保が必要です。情報を集めている最中に関係のないページのネットサーフィンをするのはムダでしょう。しかし、膨大な雑学をまとめるという目的においては、ネットサーフィンに意味があるかもしれません。ただし、意味をなす場合は、目的・目標が達成された場合です。

つまり、ムダかムダでないかの検証は、目的・目標と時間軸によって決まってくるのです。


目的・目標がないとどうなるのか?

人には、行き当たりばったりという生き方もあります。あるがままを受け入れるという人もいます。こうした方々は、人生の目的や目標を設定していないことがあります。

その場合、理論的には人生にムダはなくなります。人生、すべてに意味があるという場合も同様ですね。


人生のムダをどう検証するのか?

ここまでの話で、ムダとは目的・目標と時間によって検証されることがわかりました。目的・目標が達成できなかったり、想定よりも多くの時間を要した場合は、ムダが発生したことになります。しかし、そのムダに意味が付けられれば、それはムダでなくなります。

たとえば、人生のすべての物事を完璧に成し遂げ、一切のムダを省いた人生があったとします。常に設定通りに物事が動くということです。試合をすれば、想定通りに全戦全勝。

この人生に喜びを感じるのでしょうか?

聴衆に共感させるストーリーの技法として、ヒーローズジャーニーやシンデレラストーリーという展開方法があります。主人公が苦難を乗り越えて、目標・目的を達成するというものです。仮に、主人公が何の苦労もなく完璧に物事を成し遂げたとしたら、そこに共感はないかもしれません。

つまり、人生とは、ある種のムダと共に生きることで、達成感などの喜びを伴うのです。そう考えると、人生にはムダがないといけないということがわかります。


人生にムダがあるとしたら

人生にムダがあるとしたら、自分の人生の目的や目標に沿わない行為をすることでしょう。典型的なのは、不平や不満を口にしたり、他人を誹謗中傷することでしょう。

不満を言うことを人生の目的にする人はいないでしょうし、不満を言うことに意味づけをすることもできないでしょう。他人への誹謗中傷を人生の目的や意味づけをすることができなければ、やはりそれは人生のムダでしょう。


まとめ

ムダとは、
・目的・目標
・時間軸
・意味づけ
で検証されるものであり、最終的な決定は、あなたの人生の捉え方によって決まります。

おそらく、人生にムダはあります。しかし、そのムダがストーリーになるのです。



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