才能はどのように活かされるのか?
才能を数値化すると能力になるとお話をしました。
で、その能力を活かしてサービスや商品を作ることができれば仕事になります。そして、仕事がたくさん獲得できれば成功するということです。
これが、才能を活かすというサイクルです。
メジャーリーグで活躍している大谷翔平選手は、速いボールを投げることができます。160キロ(数値)のボールを投げる才能をプロ野球という仕事にしました。160キロ以上のボールをたくさん投げて、勝ち星を重ねて、ホームランをたくさん打てば、彼はどんどん成功します。
大谷選手のようなわかりやすい才能は成功に直結します。わかりにくい才能でも、清掃の新津春子さんのように、「世界一清潔な空港」という数値化することで、清掃のサービスを仕事にすることができます。
私の場合は、どうしたらいいですか?
「私の才能はどう活かせばいいでしょうか?」と質問をされることはあります。
少々、厳しい言い方をすると、「どうすればいいでしょうか?」は思考停止です。才能を活かすことができる人は、早速に数値作りに入りますからね。
とは言え、「自分で考えてください。」というのはひどい話なので、「どうすればいいでしょう?」にお答えすることにします。
才能の数値化が難しい場合は、今の仕事を一生懸命にやって、数字を作るということです。そのために、月給や時給で仕事をしないと決めるのです。月給や時給で報酬を得ている感覚を持ち続けると、仕事を時間で考えるようになります。この考えで報酬を増やそうとすると、長時間仕事をするしかありません。
で、具体的にどうすればいいかと言いますと、時給のパート主婦から上場企業の社長になった橋本真由美さんを例にお話をします。
橋本さんは、専業主婦を続けていましたが、ご主人の給料以外の収入を目的に、近くにできたブックオフの1号店に時給600円のパート勤務をはじめます。
ブックオフのビジネスモデルは、キレイな本を仕入れて、できるだけ速やかに高値で販売することで、利ざやを稼ぐモデルです。ビジネスモデルの基本は、仕入れ。つまり、買取です。ですから、「高価買取」という上から目線でなく、「お売りください」という文言も橋本さんのアイデアです。また、お客様が大量の本を車に積んできた時は、駐車場に取りに行くなどのサービスを実施しました。
もちろん、本が売れるように棚の整理や並べ方などを工夫して、売上を上げる方法を考えて、実行します。結局、パートの仕事では時間が足りず、直訴して正社員になります。
その後、店舗のマネージャーを経て、社長にまでなるのです。
橋本さんが評価された最初のステップは、橋本さんは作った棚の本がたくさん売れたということです。
橋本さんは、時給のパートであるのに、「売上」という数字を作ったのです。
この時、上司に「どのように並べればいいですか?」と聞いていれば、その先はなかったでしょう。
才能が開花する瞬間とは?
才能を数値化するためには、一長一短ではできないかもしれません。特に、これまで月給や時給で仕事をすることに慣れた人は、何をしていいのかわからないというのも理解できます。
わからないからこそ、今の仕事で「こうしたほうがいい」と思うことを積極的にやるのです。その結果、仕事の時間が長くなるかもしれませんが、残業代などを気にしないことが重要です。
もちろん、すぐに成果として数値化できないかもしれません。橋本さんも不採算店の立て直しを担当していましたが、100%の確率で成功したわけではなかったようです。そんな時は、「超つらい」とお話になっています。それでもあきらめない。そこに光明が見えます。そして、つらさが、何かのきっかけで、「超楽しい」に変わる瞬間があると橋本さんは言います。
橋本さんの場合は、創業者の坂本孝さんからの評価だったのかもしれません。
才能が開花する瞬間とは、「つらい」が「楽しい」に変わった瞬間であり、それが活かすべき才能であることでしょう。
才能とは、できること。
能力とは、才能を数値化すること。
成功するとは、能力を通じて、価値を提供できるということ。
そんな風に思います。