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妻(恋人)はお客さん
ビジネスで最大の資産はお客さんとの関係性だと言われる。いわゆるファン客という人が一定数いれば経営は安定する。
昔テレビに出ていたミュージシャンを最近見かけないことがある。テレビで見かけはしないが、豊かに生活をしているらしい。というのは、友人がその人のホームページ制作をしているからだ。
何をしているかと言えば、定期的にファンと集いを開催しているそうだ。ファンクラブは会員制になっており、会員は年会費を支払う。グッズが出るたびに、ファンクラブ会員価格で販売されるが、そもそも定価自体が怪しい。また、ファンイベントも特別価格であるが、ファンクラブ会員以外が来ているのかどうかはわからない。彼曰くは、「500人の熱狂的なファンがいれば一生食える」ということのようだ。
大企業にも当てはまる話で、僕はWindowsをMacに変えてからAppleのファンになった。結果、iPhoneはもちろん、Apple Watchまで買ってしまった。買い換える時は、もちろんApple製品になる。
ユニクロも同様で、同じようなデザインや機能で、もっと安いファストファッションはたくさんあるけれど、ユニクロで買う人が多いので、あれだけの大企業になっているのだろう。
当然のことを言っているようだけど、案外とわかっていないことが多い。というか、僕の仕事が企業のコンサルティングだとすれば、全くもって人生に活かせていない。あまりの応用力のなさで、仕事をなくしてしまわないように、自戒を込めて、仕事での知見を人生に活かす方法を考えてみたい。
さて、ビジネスに重要なのは、お客さんとの関係だという話をした。人生においてはなんだろうか?それはパートナーとの関係であろう。お客さんをつないでいくための努力が必要なように、妻(恋人)との関係をつないでいくためには努力が必要である。
お客さんとの関係をつなぐ方法は、あるマーケティングの教科書によると、
1:マメに連絡をする
2:購入後の保証
3:できる限り、プレゼントをする
4:優先的価格設定
5:信頼関係の構築
となる。
これをパートナーとの関係に置き換えると、
1:マメに連絡をする→家に帰ってからの会話、日中のLINEとか
2:購入後の保証→結婚後も変わらずにやさしくする(離婚しない)
3:できる限り、プレゼントをする→記念日は忘れない
4:優先的価格設定→若干の無駄遣いは許す
5:信頼関係の構築→誠実に接する(嘘はつかない、DVやモラハラは論外)
となるだろうか。
52歳になった自分を振り返ると、ほとんど逆のことをやっていたことに気づく。
先に紹介した本の中に「ビジネスの絶対的成功法則」が書かれていた。それは、「常にお客さんの立場に立って考える」ということだ。当たり前のことを言っているようだけど、妻や恋人の立場になれる人がどれだけいるか。少なくとも僕は、自分の立場しか考えていなかった。だから、「俺が稼いで家族を食わせている」というような横柄な考えができたのだ。
商品に問題があったり、フォローを怠るとお客さんが離れていく。だから、企業はお客さんをつなぐための施策を積極的に行う。お客さんはいつまでも当然のごとく、そこにいるわけではない。
妻や恋人も同じだ。当たり前のようにそこにいるわけではない。別れてしまえば、妻も恋人も他人になる。きっと世の中のすべての男は妻や恋人をつなぎとめる努力が必要なのだ。
3ヶ月前にマッチングアプリで出会った中国系の彼女は、「あなたは自分のことしか考えていない人間」と言った。一瞬、カッとなったけど、その通りだ。
関係をつなぐために、僕は人生で初めて努力をしている。