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リザエレ! エレミネイション+ウィンクルム EPISODE EX 『二十年前……』

はじめに

 この度は数ある記事、作品の中から本作品(「リザエレ! エレミネイション+ウィンクルム」)をお手に取っていただき、心より感謝を申し上げます。

 度々のお願いで恐縮ですが、お読みいただく際の注意事項を以下に添えさせていただきます。

 本作品は現在『note』のみで連載しております。その他のブログサイト、小説投稿サイト、イラスト投稿サイトでは連載しておりません。この作品は一部無料にて公開しているものですが、掲載されている画像、文章などは著作権フリーではありません。無断転載、コピー、加工、スクリーンショット、画面収録、AI学習及びプロンプトとして使用する行為はお控え頂くよう、ご理解の程よろしくお願い致します。

 この作品の物語はフィクションであり、登場する人物、場所、団体は実在のものとは一切関係ありません。また、特定の思想、信条、法律・法令に反する行為を容認・推奨・肯定するものではありません。本作には、演出上一部過激な表現が含まれております。お読みの際は、十分ご注意ください。




旧東雛都飯谷区住宅街の様子
時雨山噴火時の写真(義竜県)
浸水した瓦礫の町を歩く女性(岩城県)
博仙町(旧福崎県)
旧西京都市の様子


「二十年前……」


 陽暦二千二十五年九月一一日。日和海域の海底資源を巡り、イニーズ軍とメアーカ軍、日和防衛隊による戦いが勃発した。戦争はイニーズ軍の潜水艇が日和領海に侵入したことから始まった。
 開戦当初、戦いによる日和列島本土への直接的被害は無かったが、その二日後に太海洋沖、南東海レムリ沖で震度六強の地震が断続的に発生。列島各地に大津波が押し寄せた。
 この被害で岩城県、義竜県にある原子力発電所は壊れ、その他各県の発電所も爆発などで損傷し運転停止。列島各地に停電が起きたことによりインフラは遮断され、経済活動は壊滅状態に陥った。
 そしてさらに二日後、急激に発達した熱帯低気圧により大型の台風が発生。台風は日和列島に上陸し、列島全域を移動する形で北上。三日間続いた大雨によって一部地域の都市部、農村部は洪水に見舞われた。

 ある一部の避難所では人々が溢れかえ、備蓄されていた水、食料、支援物資が不足し、奪い合いが発生した。さらに、「避難所へ行くと記憶を消される」「疫病蔓延対策のために強制的にワクチンを打たされる」「外国勢力が土地や資産を奪いに来る」「ボランティア集団と偽ったイニーズ党員が子供たちをさらう」など、根も葉もない噂デマも多く流れ、避難生活を強いられる人々と被害の少なかった地域で暮らす人々に情報の格差が生まれ、国力が弱まっている状態の日和は次第に分断されていった。

 こうした問題が起きているにも関わらず、二つの大国及び国連は戦争をやめることも、やめさせることもせず、まるで日和の答えを待つかのように戦争を続けていた……。

 開戦から一か月後、ついに国連が動き出し、国連加盟国はイニーズ軍を指揮するイニーズ共和国に対し経済制裁を加えた。そして戦争はイニーズ軍の全面降伏により終結。メアーカ軍、日和防衛隊は勝利した。

 戦争のきっかけとされた海底資源の話は戦争の終結とともにうやむやにされ、日和は国防に関する法を改正。これにより、百三十年続いた日メ安親保障条約が失効し、実質メアーカの属国であった日和は独立を果たした。そして、戦争と災害により五つの島々に姿を変えた日和は、復興の道を歩んでいく――。

 戦争は後に日メ・イニーズ戦争と名付けられた。日和を襲った災害は、『日和大震災』と呼称された。




 最後までお読みいただき、ありがとうございました。