台湾興行を行った話 vol.9〜Miracle Fusion!後半戦〜
いよいよフィナーレが見えてきました。
この連載。なんとしても5月中に終えるつもりがもう29日。間に合うのか!?
🔻ここまでの経緯はこちら🔻
第4試合
いよいよストロング勢の登場です。
青木優也は言わずと知れた現在の大日本プロレスを背負って立つ男。
裏話ではありませんが、最初AXE WANG選手の試合を見た時に青木と組んだら面白いかも?と思ってタッグを組ませようかと思っていました。
ですが、前回神谷選手の遠征時に見た闘魚選手の人気っぷりとベビーフェイスっぷりに圧倒され、これは青木優也とのベビーフェイス軍団を組むしかないなと、方向転換した次第です。
対する中之上靖文・吉田和正。別にヒールって訳ではないのですが、2人ともデカいので、ある種デカさは怖さと言うか、存在感で憎まれ役を演じてくれる感じがしました。別に悪ぶったりする必要もなく、純粋な強さと言うものがあるからこそ、反対に青木組への声援を集めることになったような気がします。
ちょっと心残りなのはAXE WANGの立ち位置。
事前の情報ではヒールっぽいって聞いていたのですが、個人的にはそんな印象を受けず、ラフファイトな訳でもない至ってシンプルに運動能力の高い選手だなと思いました。悪い意味じゃないですよ。そして身長もあり、ルックスも表情も良い。技に一個一個躍動感があるんですよね。彼が台湾で人気なのは一瞬でわかります。そしてpuzzleとしても彼を育てたいのがヒシヒシと伝わってきます。
台湾の選手からは日本の選手と試合をしたいという気持ちが伝わってきます。彼ももっともっとガッツリぶつかり合いたかったのではないかと思いますが、また次の機会にできたら。日本でも見てみたい選手です。
セミファイナル
今回1番驚いたのはこちらのカード。
台湾遠征時に王者・WILLYを圧倒しまくり、実力で挑戦をもぎ取った神谷英慶からすると負ける要素が見当たらない試合だったように感じます。
常に余裕の佇まいで全ての攻撃を受け止めている印象を受けました。
何も通じないという恐怖を与えて心を折りにいってるんだな、と。
とにかく最近の神谷英慶はパワーみなぎる試合で、他者を圧倒することが多いです。しかも相手は王者とは言え、キャリアも若い、身長・体重ともに言わばジュニアの選手。
この試合でベルトを奪取することで次の台湾大会への弾みがつくのでは。もしくは台湾の選手が取り返しに日本に来ても良いな、と妄想していました。
対するWILLYは身体は小さいのですがとにかくガッツの溢れる選手。
どんなに弾き返されても諦めない姿勢は至宝流出を阻止するための王者としてのプライドなのか、それとも…
僕が言うのもなんですがよく心が折れなかったなと思うくらいキツい攻撃を受けまくっていましたが、最後はファイヤーバードスプラッシュで勝利。
手前味噌ですが今の神谷英慶から勝利を収めることが出来る選手はそういないと思います。会場が大爆発したのは言うまでもありません。
そして試合後、WILLYに話を聞いたら本当に緊張していたと。勝つことが出来て本当に嬉しかったと涙を流していました。
プロレスが見せてくれる、一面的な強さ・弱さではない、弱い(と認識している)からこそ立ち向かえるみたいな部分を見せてくれように感じます。
とにかく気持ちの良い選手でした。
プロレスが大好きなんだなと。
彼も機会があれば日本で見てみたい選手です。
ちなみに疑問に思った方もいたかもしれませんがこの試合がセミファイナルでした。蛍光灯デスマッチが決まっていたためメインはそちらだとしても、なぜ自団体のジュニアタイトルマッチがあるのに、puzzle王座戦が後ろにラインナップされたのか。
なんというか直感ですかね。
仮に蛍光灯デスマッチだけを期待して来てくれたファンの方がいたとしたら、大日本プロレスの凄さを、台湾のプロレスの熱さを感じさせてくれる試合になるのではないかと思い、試合順を組ませてもらいました。
WILLY選手も神谷選手も期待に応えてくれた良い試合でした。
あと、この試合、青木選手がWILLY選手のセコンドについていました。なぜなのかはさておき、闘魚選手と青木選手のセコンドワークはこれぞセコンドと言うと素晴らしい立ち振る舞いでした。やはりプロレスの試合はセコンドで全然変わってきます。日本でも各選手意識してほしい部分です。
メインイベント
さて、ついに蛍光灯デスマッチの開催です。
この試合のために台湾大会を組んだのではないかと思うくらい期待感を感じました。日本では開催する機会が減っている蛍光灯デスマッチですが、まぁよく会場は許可してくれたなと思います。正直なんだかわかってなかったんだと思いますけどね😅
個人的には石川勇希を世界に見せつけるくらいの感覚ではいました。アブドーラ・小林、伊東竜二はやはりリビング・レジェンドなのでみんな知っている訳です。ただし、今の王者(当時)は石川勇希。大日本プロレスのデスマッチ王者とはどんな存在なのか、台湾の皆さんに感じて欲しくてメインの蛍光灯、石川勇希が最後に入場してくる試合をラインナップしました。
あとは宮本さん、イサミさんに参戦していただいたのも大きかったです。ヤンキー二丁拳銃の知名度も抜群でした。最初は青函タッグvs小林・伊東も良いなと思っていたのですが、宮本さんが出てくれることになり、ダメもとで当日入り、翌日帰りの台湾遠征をイサミさんに打診したところ二つ返事でOKしてくれてこの試合が決定しました。イサミさんは今は団体の長ですので、忙しいんですよ。それでもこの遠征に参加してくれて本当に感謝しています。
そしてなんと言っても今回の遠征の主役的な存在「アブドーラ・シャオリン」。
なんでなのかはわかりませんが大人気なのです。本人も気を良くしたことでしょう。
プロレスのパフォーマンスは生ものです。
「これをやって欲しい」というオーダーに応えるものではないですし、ウルトラマンがスペシウム光線を出すように必ず見れる技が並んでいるわけではありません。ですがこの試合にはファンの方が見たかった姿が確実にあった気がします。
満足度調査をしてみたい。
試合は懸念していた蛍光灯の細さもなんのその。バンバン割っていくんですが、音が違うんです。細く短い音って言うんですかね。ポン!って音が鳴るのは不思議な感じでした。そしてやはり割れづらいのか、結構割れないシーンがありました。硬さや細さなど、なんでも良い訳ではないことを再認識しました。ぜひBJWCOREで見てみてください。
そして1番会場が沸いたシーンがこちら。宮本さんの雪崩式ファイヤーサンダーでテーブルをクラッシュした瞬間。割れんばかりの大歓声とホーリーシットのチャント。生で初めて聞きました。この日の試合では菊田選手は本当に粘り強さを見せてくれました。普段は巡業中など運転への責任感から意識してなくてもブレーキがかかることもあると思います。でも今回は受けるも攻めるもボロボロになって闘ってくれていると感じました。
荒れた試合のフィニッシュはバカチンガーエルボードロップでアブドーラ・シャオリンの勝利。千両役者というんですかね。本当に伊東・小林がいる大日本プロレスのデスマッチは絶対に誰が見ても楽しめると思います。デスマッチが苦手な人にこそ見てほしいし、今回の台湾でその証明がされたと思います。
最後はレッカ選手に通訳を頼みつつ、愛してまーすでフィニッシュ(扉絵参照)
シャオリンさん曰く「俺が締めたはずなのにレッカがエースみたいな写真」とのこと。
個人的な感想としては石川選手のデスマッチ王者ここにありを見せつけるというよりは伊東・小林・宮本・イサミのベテラン勢に持っていかれたなという印象は持ちました。強さだけでなく、お客様を惹きつけるのは何なのか、その差はまだまだあるのかもしれないですね。ですが遠征直前の死闘となった塚本拓海とのタイトルマッチの疲れをものともせず台湾遠征3試合、全てメインを務めてくれた石川勇希に感謝していますし、やっぱり石川のデスマッチは華がある。アメリカ遠征でも魅了してきてほしいです。
終了後の売店では新台湾プロレスの選手たちが色々と手伝ってくれました。
休憩時間も最初に「15分間」と言っているから、みんなそれを意識してくれてるんですがうちはいつもの通りあと5分だろうが1分だろうが練り歩きをしようと準備する始末。「あと1分で始まりますが」と聞かれましたが「始まるまでは売店時間です」と謎の遠足理論のような言葉をかえす我々に、多分「こいつらこんなに物販に命かけてるんだ」と思ったことでしょう。
血だらけで撮影会や売店に立つ姿は現地の選手たちにどう映ったのか😅しかしながらこれも大日本プロレス。
戦いを終えて
さっそく撤収をしていくのですが、蛍光灯の破片や養生シートの回収、リングの解体など予想以上にテキパキと進んでいきます。
今回の会場をお借りした時間は19時まで。
充分間に合う感じだったのですが、結構ギラついた目でスタッフさんにみられていました。
必死こいて片付けをして18:30くらいにこれは問題ないでしょ、と言う感じになってきたら、即座にバトミントンネットを立て始めるスタッフ。
18:50くらいにはまだ全部が出きっていないのに、バトミントンを始めていました。
ちょっと長くなってきたので今回はこの辺りにして残り2話「打ち上げ編」「九份観光編」はまた後日。
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