実施レポート「文京柔術スパーリング会 vol.2」
初回開催から1ヵ月、待ちに待った2回目を開催できました。前回より良くなったところもあれば、怪我人を出してしまった反省点もあったりと、反省や学びの多い会になりました。
参加者内訳
総数(参加者/所属アカデミー)
参加人数:46名(男性34名、女性12名)
所属アカデミー:19
帯色・年齢・体重別の内訳
帯色
前回につづき、男女共に青帯が圧倒的。青帯の練習欲をひりひりと感じます。
年齢
男性はマスター1~3がボリューム層、女性はマスター4に集中しました。男女ともにアダルトをもう少し増やしていきたいです。
体重
男性はフェザーがダントツ。構想段階では軽量級練習会をベースに考えていましたが、すっかり中量級が中心になっています。女性はルースター多め。
目標の女性比率をキープ
女性が安心して参加できる環境づくりのひとつとして、女性比率を2割以上にしたいと思っています。8月いっぱいは受付上限(50名)のうち12名を女性枠として確保したところ(男性の申込上限を38名に制限)、幸い8月中に女性の参加が12名を超えました。今後も女性枠の確保は基本的に続けていきます。
直前キャンセル数件、ドタキャン0
第1回は事前・当日ともにキャンセル0とありがた過ぎる結果でしたが、今回は事前キャンセルが7~8名出ました(当日欠席は0)。
イベント運営する上でキャンセルに対する考えは色々あると思いますが、この練習会に関してはなるべく寛容でありたいと考えています。急な仕事や家庭の都合が出てしまうのが社会人だし、急な体調不良に陥るのがマスター世代なので。やむを得ない用事じゃなくても、女性の場合は女子練習会がかぶってしまった、海外の有名選手の来日セミナーがある…とか、そういう理由であってもいいと思っています。
一定の参加人数が維持できている限りは毎月開催したいと思っているので、キャンセルしても気後れせず次の機会にまた足を運んでください。実際キャンセル直後に10月の回に申し込んでくれた方もおり、それはすごくうれしかったです。
安全運営への取り組み
第1回の取り組みを継続し、追加で取り入れようと思った内容です。
投げ技の禁止
柔道経験者による投げが何度か見受けられましたが(禁止事項に書いていなかったのでルール違反ではないです)、投げられる側の受け身スキルや、周辺でスパーしている人の状況を考えて危険と判断しました。
まだ悩み中ですが、立ち姿勢での投げは全面禁止。立ちでのタックルやアンクルピックは悩み中(仕掛けてから倒れるor耐える間の移動が多く、周囲とぶつかる懸念)。座りでのアンクルピックやがぶられた状態でのタックルはOKかなと思っています。有識者に相談してみます。
受付後の爪チェック
アンケートで取り入れてほしいと要望ありました。爪切りは用意していましたがそこまでは考えておらず、次回から受付で長いと判断した人には対応お願いするつもりです。女性用爪切りなるものを早速購入したので、既存のものを男性用、追加購入分を女性用と分けることにします。
コールドスプレーを購入検討
怪我された方が冷やすためのコールドスプレーを薦められました。氷嚢的なものの事前用意が難しいため、スプレーなら持ち運びやすくて良いなと。使用したことがないので、実際の効果など有識者の意見を聞いてみます。
その他の取り組み
会場レンタル時間を長めに予約
初回は15:00~17:30でレンタルしましたが、準備時間がカツカツ、終了後の男性シャワーが混雑するという課題がありました。そこで今回は夜帯(18:00~21:00)も合わせて借りたところ、17時過ぎに集合写真を撮ったくらいからパラパラと帰る人が現れ、シャワーの混雑もある程度解消できたのではと思っています。
スパー開始が15:45だったので18時には皆帰ると思っていたのですが、最後のスパーが終わったのが18:30頃。スパーを終えてから技練をやる方、ゆっくり談笑する方もおり、穏やかで良い時間でした。この会を通して交流し、交流するためにまた会に参加してくれる…そんなサイクルができたら主催者冥利に尽きます。
会費の主な使用用途
中古スマホとモバイルバッテリー
今回の会費を元手に中古スマホとモバイルバッテリーを購入しました。会場のつくり的に参加者による三脚を置いての動画撮影が厳しく、動画はこちらで提供することにしています。
初回はジム仲間2人からスマホを借りましたが、撮影時間が長いため共有してもらうまでにかなり手間をかけてしまいました。今回は購入したスマホと私物(の社用)スマホの2台体制で臨み、計3時間無事に撮りきることができました。
ちなみに購入したのは超広角撮影ができるiPhone 12。GoProなどのアクションカム、安価なペット用カメラも検討しましたが、前者は長時間撮影に向いておらず、後者は画質に難有りで断念しました。長時間撮影への信頼(3時間撮り続けるとさすがに熱持ちますが)、ワイヤレス給電、携帯性を考えるとiPhoneは記録用カメラとしてかなり優秀です。
アンケートで頂いた意見
アンケートをお願いするにあたり「忌憚なき意見を…」と書いてはいるものの、頂いた意見を見るときはちょっと緊張します。腹の奥に力を入れて参加者の声を受け止める準備をして拝見しました。以下、一部抜粋(文言は編集)です。
満足度
14名中、12名が大満足、2名がおおむね満足、ということでひと安心…。
参加の決め手
・他ジムの人、体重の近い人と練習したい
・他ジムの同姓(女性)とスパーができる
・ルールが明記され、安心材料になった
・前回レポート、こまめな情報更新で興味をもった
・近所だから
所属ジム以外の人との交流(スパー)を求める方が多く、体重カテゴリも近いとなお良しといった感想が見受けられました(私もです)。体重制限無しも今後は考えていましたが、基本的には軽中量級の会にしようと思います。女性はどのジムも絶対数が少ない印象で、練習会を通して同姓とスパーできる機会を求めているように感じます。
他ジムの人とスパーするにあたり不安を抱いて参加される人もおり、ルール(特に禁止事項)を明記することで一定の安心材料になるようでした。私はその辺り鈍感(普段の出稽古はボコボコにされる前提)なので、こういった意見はとても参考になります。
情報発信について触れていただいたのはすごくうれしかったです。時間、お金、労力を割いて参加してくれる人に対し、当日までどんな人がくるか分からない、参加してみたら期待と全然ちがったという事態は避けたいと思っています。参加人数が少ない時期の情報公開は結構抵抗あるのですが、今後もこまめに更新していきます。
「近所だから」は一番共感しました(笑)。
企画案
・ノーギ
・練習試合、疑似試合
・セミナー案(ケガ予防、テーピングなど)
ノーギ練を求める声が多いです。3ヵ月に1回くらいのペースと考えていますが、申し込み状況や反響を見て1~2ヵ月に1回ペースも検討します(私はノーギ全然なので撮影や談笑に尽力予定)。
練習試合的なものは初回開催後くらいからやりたいと考えていました。性別やカテゴリを考えると何組試合を成立させられるかが課題です。年齢や体重のカテゴリを減らす(45歳以上/以下、(男性の場合は)70kg以下・70~85kg・85kg以上など)、帯も白・青&紫・茶&黒と3段階にするなど工夫すればなんとかなるのか…。もうしばらくは練習会を続け、多くの人に呼び掛けられる体制をつくっていきます。
セミナー形式のイベントは近いうちに何かしらやる予定です。当初はトップ選手を招いてミニセミナー+スパーみたいな形式を考えていましたが、それはPATO STUDIO主催のPATOS CAMPなどが先行してあるので、当会はまた違う形を模索してみます。早ければ11月開催時に実現できらたと考えています。
振り返りと雑感
スパーリング中のケガ
男性同士のスパーリング中、1名が負傷してしまいました。ケガした本人によると、ライトスパー的に取り組んでいたが力んだ際に肋骨周辺を痛みがはしったとのこと。病院でレントゲンを撮ったところ骨折ではなかったそうで、症状的にもおそらく肋軟骨の損傷じゃないかと思われます。
柔術ではよくある怪我なのと(私も1年前に経験)、バチバチにスパーをしていたわけではないので仕方ない一面もあるのですが、怪我なく終えることが今後の最優先事項だと改めて認識しました。
当日は東中野・まるもと鍼灸整骨院の丸本先生が参加しており、迅速に怪我の対処を行ってくださいました(帯を肋骨上あたりに巻いてコルセットの代わりにしていました)。本当にありがとうございました!
程良い練習会の緊張感
試合で一番しんどいのは緊張からくる疲労です。喉あたりで浅く呼吸してしまう感じや、力み過ぎて手の筋肉が硬直してしまうなど、この辺りを疑似体験できるのが練習会の良さだと思いました。私は数本程度しかスパーしなかったのですが、普段の練習の3倍くらい疲労感がありました。所属ジムでも緊張感もって練習しなくては。
男女スパーの落としどころに悩む
ルールに明記している通り、当練習会では白帯男性から女性への誘いを禁じています。実力が拮抗した際に力んで怪我させてしまう懸念があるからです。この取り組みはそれなりに評価してもらっているのですが、女性から男性へ、色帯男性から女性へのスパーの誘いもしづらくさせてしまっている気がします(私の体感ですが)。
女性参加者に男性とスパーしているかを伺ったところ、「これだけ女子がいると女子同士で十分練習ができる」という回答がありました。ありがたい感想である反面、女性参加が少ない際に自然と男性ともスパーできる環境づくりを考えなくてはと思いました。まだ答は出ませんが、回を重ねながら良い方向に向かっていけるといいなと。悩みます。
共催という考え方
イベントのアイデアを思いついて最初に問うのが「自分(文京柔術スパーリング会)がやる意味があるか」ということです。たとえばノーギ練は私自身ではなく、ジム仲間の要望からスタートし、仲間のために実現させたいとはじめた企画です。
一方で子どもが柔術をやっている友人からは「キッズ練習会をやってほしい」と言われましたが、ユナイテッドジム東京にキッズクラスはないので、それは自分の役割とは違うかなと思いました。
「違うからやらない」は間違っていないのですが、「やりたい企画がある人のサポートをする」と考え直すと、イベントの楽しみ方がより広がる気がしてきました。それが共催なのか、運営サポートなのか、機材の貸し出しだけなのか、コンセプトによって関わり方は変わっていくと思います。まずは談笑レベルでいろんな人の話を聞いてみたいです。
今回の練習は自分のためになった
2回目の開催で運営も落ち着き、今回は自分がやりたかったスパーをたくさんでき、主催としてもイチ参加者としても満足度の高い練習会になりました。楽しかった…。個人的には月2ペースで開催したいですが、まだそこまでの需要はなさそうなので自制します。
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