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小さな物語。

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掌編・短編集。
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2018年12月の記事一覧

夜から逃れる

夜から逃れる

 きみが最後のひとだよ、といわれたとき、わたしは保仁のその言葉を信じていなかった。髪を撫でるその仕草に、わたしは保仁の誠実さを感じられなかった。ただ、物をわからない子どもを、あやすような仕草だと、心のなかで軽く毒づいた。

 それでもわたしは保仁から離れたくなかった。

 雨が降りしきる夜は街のネオンが滲んでいて、わたしと保仁は夜から逃れるように、静かな場所を目指した。保仁の身体から、わたしの髪の

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