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冒険と使命感が生んだ“やさしい資本主義”──Cotopaxi創業者の挑戦

●はじめに

この記事では、ポッドキャスト「MASTER of SCALE」に登場したアウトドアブランド「Cotopaxi(コトパクシ)」の創業者、デイビス・スミス氏の物語を取り上げます。読んでいくと、独自のマーケティング手法から社会貢献を組み込んだ経営戦略、そしてスミス氏が歩んできた波乱に満ちた道のりまでが見えてくると思います。最後まで読むことで、ビジネスと社会貢献を両立させる可能性について考えるきっかけになると考えます。


●今回のトピックを知る

番組では「A more compassionate capitalism(よりやさしい資本主義)」をテーマに、スミス氏が立ち上げたCotopaxiのストーリーが語られています。彼は幼少期からのアウトドア体験やラテンアメリカでの生活経験をもとに、「冒険する楽しさ」と「社会的弱者を支援する情熱」を融合させたブランドを作りたいと思ったそうです。加えて、過去にはブラジルでeコマースを急成長させたものの、利益構造が伴わないまま拡大し、苦い経験をしたといいます。こうした失敗を糧に、Cotopaxiでは持続可能なビジネスモデルを模索し、社会貢献と収益性を両立させる組織作りに注力しているようです。


●今回のトピックを理解する

  1. 失敗から得た学び
    スミス氏はブラジルで事業を急拡大させるなか、利益構造を固めないまま資金を投下した結果、資金繰りやチーム関係の問題に苦しんだといいます。事業を伸ばす前に、まずは採算性やパートナーとの信頼関係など、基盤を安定させておく必要があると痛感したそうです。

  2. Cotopaxi創業の原点
    スミス氏は貧困を目の当たりにした経験から「事業を通じて社会に貢献したい」という思いを強めました。アウトドア用品で有名な企業は多く存在しますが、そこにあえて「貧困撲滅や地域社会支援」を明確に組み込むことで、他ブランドとは異なる価値を提供したいと考えたようです。実際、商品売上の一定割合を寄付する仕組みを採用し、Bコープ(Benefit Corporation)としての認定も取得しています。

  3. “やさしい資本主義”を具現化する仕組み

    • ユニークなマーケティング
      事業開始時に24時間の冒険レースを企画し、バックパックを身につけた参加者がSNSで一気に話題化したそうです。ユニークな体験がブランドを広める原動力となりました。

    • 継続的な社会貢献
      単なるイメージ戦略ではなく、1%の収益寄付や製品原材料の廃棄物再利用を徹底し、貧困への支援を継続しています。

    • 組織運営の工夫
      社会貢献を実践するために、早期に「チーフインパクトオフィサー」を雇い、寄付先の選定や効果の検証を専門家に任せる仕組みを作ったようです。

  4. CEO職から離れた背景
    スミス氏は会社を軌道に乗せた後、自身の信仰心に基づいて教会の活動を優先し、日々の経営から退いたといいます。ただし、現在も取締役としてビジョンとカルチャーを守り続けており、「創業者はいつか会社を離れるものだが、その後もミッションを支えることができる」と話しています。

  5. まとめとしての「なるほど」
    Cotopaxiの事例は、「社会貢献とビジネス」を両立させるうえで、初期から明確なビジョンを設定し、企業活動のあらゆる面に社会貢献を溶け込ませるのが大切だと示唆していると思われます。従業員や投資家に対しても、なぜそれが重要なのかを説明し、納得を得る努力がポイントといえそうです。


●今日ここだけは理解して1日を終えよう

なぜCotopaxiは“やさしい資本主義”を実践できるのか?
→なぜなら、創業当初から「貧困撲滅の使命」をビジネスモデルに組み込み、1%寄付やリサイクル素材の使用など具体策を設定したから。
よって、単にアウトドア商品を売るだけでなく「社会的意義」を重視するブランドとしての地位を確立している。


●まとめ

Cotopaxiの軌跡からは、経営者の個人的な体験や価値観をビジネスの核に据えると、強い意義と差別化が生まれると考えられます。また、寄付や環境配慮を収益構造にしっかり組み込むことで、利益と社会貢献の両立が可能になるようです。日常生活でも、自分が選ぶ商品や企業を「どんな社会貢献の仕組みがあるのか」という視点で見直すと、新しい発見につながるのではないでしょうか。

Cotopaxiのような活動を法律、民間活動を通して実践しようとしているBコープ(Benefit Corporation)について理解ができる記事もあるので是非ご一読いただけますと幸いです。(有料記事ですが、一部無料で読めます)
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(本記事は、master of scaleの「A more compassionate capitalism」の内容をフェアユースの範囲内で引用・要約して解説の記事を作成しています。)


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●今日のポッドキャスト

「MASTER of SCALE」は、起業家や経営者が成長戦略や組織作りについて語る番組です。レイド・ホフマン氏など著名な投資家・事業家がホストやゲストを担当し、スケールアップ(事業拡大)の手法を多角的に取り上げることを目的としていると考えられます。


●ゲスト紹介


今回のエピソードに登場するのは、アウトドアブランド「Cotopaxi」創業者のデイビス・スミス氏です。幼少期をラテンアメリカで過ごし、貧困に直面した経験から「社会に貢献するビジネス」を目指したといいます。ブラジルでのeコマース事業の苦い失敗をバネに、Cotopaxiでは堅実な収益モデルと明確な社会的使命を併せ持つ組織を作り上げ、急成長を果たしました。現在は信仰活動のためにCEO職を離れていますが、同社の取締役としてブランドの理念やカルチャーを支え続けています。

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