見出し画像

NPO法人ドラッカー学会設立記念大会でお話させていただいたこと

先日、研究会での発表について記事化させていただきました。

これには実は背景がありまして、参加者の皆様より、一度、聴いただけでは全貌がわからない、と言われたこと。時間も限られていますし、資料も全部読んでいたら時間がかかってしまうので、はしょりながら発表したことも、原因のひとつかと思います。

ただ、それでもこのときには時間がまだありましたが、今日の標題の「NPO法人ドラッカー学会設立記念大会でお話させていただいたこと」については、わずか15分ということもあり、文字化しておいた方がいいのでは?という話になり、今回はこちらを文字化して残しておきます。

前提として、このドラッカー学会というのは、2005年にドラッカー本人が来日した際に承諾を得てスタートした団体で、任意団体としての長い歴史があります。

それが、この度、正式に団体にした方が良いだろうということで、NPO法人になった、というものです。

歴史については、学会のHPが詳しいので、紹介しておきます。

このドラッカー学会では、春と秋に大会という名のイベントが開催され、春は公認の研究会による発表会、という位置づけになっています。ちなみに秋はもう少し外部に開いた会になるもので、今年は福岡県の糸島での開催が既に決まっています。(ちなみに、大会実行委員長は「もしドラ」のあの方です。)

さて、私が発表させていただいたのは春の大会で、研究会の発表としての発表でしたが、そもそも学会の名のつくNPO法人として、研究会という活動のスタンスをどう考えるのか、という話をさせていただきました。

アジェンダはこちらです。

NPO法人ドラッカー学会 2024年「春の年次大会」発表資料より

①そもそも、学会とは何か?

NPO法人ドラッカー学会 2024年「春の年次大会」発表資料より

まずは、そもそも学会とは何か、ですが、こちらはまずはWikipediaからひっぱってきました。「学問や研究の従事者らが、自己の研究成果を公開発表し、その科学的妥当性をオープンな場で検討論議する場」とのことです。

私はよく、研究のことをレンガを積む人の比喩で語るのですが、どのような学問であれ研究であれ、先人のものがなければそこに積み上げられない訳です。こうして人類が積み上げたものが文明とか技術とかになって、われわれの生活を支えてくれているわけです。

そしてレンガにも強度があって、研究としてしっかりしたレンガは査読付論文と言われるもので、学会はこれを生み出すために存在している、とも言えます。

よく、発表会やイベントなどのことを学会と言ったりしてますが、実際にはそれは補助的なもので、そこから研究が進化し、学会誌などの形でしっかりした研究が世に出されていく。それが学会の目的です。

ドラッカー的に言えば、「成果」という言葉は「組織の外の世界におけるポジティブな変化」のことを言います。こうして生み出された論文達が、世間の人にとって有益であれば、学会は成果を出している、と言えるでしょう。

②NPO法人ドラッカー学会の目指している目的と成果は何か?

NPO法人ドラッカー学会 2024年「春の年次大会」発表資料より

NPO法人に限らず、すべての法人には定款というものがあります。そこにはその組織の目的と、その目的を達成するために行う事業内容について書かれています。

ちなみに、NPO法人ドラッカー学会の目的は文章では、下記のように示されています。

この法人は,ピーター・ドラッカー教授の「ドラッカー・マネジメント」の思想及び業績を研究・啓蒙し,学界・ジャーナリズム・産業界との連携に基づき,その深化と発展を図ることにより,経済界・産業界並びにそれらを学ぶ学生・市民に広く寄与することを目的とする。

NPO法人ドラッカー学会 学会定款 より
https://drucker-ws.org/aboutus/terms.html

この図では、その定款の目的の文章を図式化しています。

②の目的を達成するための研究グループの目的と成果とは何か?

NPO法人ドラッカー学会 2024年「春の年次大会」発表資料より

先ほども述べました通り、定款には目的と一緒にそれを達成するための事業が書かれています。その事業を図にあてはめてみたものになります。

研究グループの活動はやはり、まさに「研究」ですから、位置づけとしてはこの図のようになるのではないかな、と思います。

ドラッカーの『非営利組織の経営』にはグループという言葉は使われていませんが、チームについては書かれているので、この研究グループは、研究チームと読み替えて解釈した方が良いのではないかな、と思います。

次の図は、私が所属しています、コーチング×ドラッカー研究会の活動領域について示したものです。メンバー70名という表記がありますが、これはコーチング×ドラッカー研究会のこの時の人数ですね。

NPO法人ドラッカー学会 2024年「春の年次大会」発表資料より

以下は具体的な研究会についての発表なので省略しますが、ここで伝えたかったのは何かと言えば、NPO法人として組織の一部として活動しているんだよ、というイメージを共有しましょうね、というお話でした。

私自身もそうですが、なかなか文字だけで示されても、特に日本語は文章の構造がわかりにくいので、イメージの共有というのが難しいです。

だったら図にしてみたらいいんじゃないか、ということで、言葉と言葉をつなぐ図を作ってみたわけです。

こうして図にすると、それが地図のような役割を果たします。自分はこの領域には関心があるけど、こっちは興味ないな、とか。この部分、誰もやっていないけど必要な活動だよね、じゃあ、私、やろうかな、などのように、図にするとそれを埋めようという意識も生まれやすいかと思います。

この後はアンケート結果などの紹介なのでここでは省略しますが、ここまでの話でだいたい10分間くらいの発表でした。

ちなみにNPO法人として新しいスタートを切ったドラッカー学会。NPOとしての運営は初めてですので、いろいろ試行錯誤しながらの新しいスタートとなりそうで、なかなか裏側の話なども面白いです。そういうスタート時のドタバタが好きな方にもオススメです。

御興味あればどなたでも入れますので、入会方法へのリンクも貼っておきます。

現場からは以上です。

ご意見・ご感想・記事で取り扱って欲しい話題のリクエストも専用フォームより募集しております。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?