山梨県立文学館主催ZINE作り教室に参加して思ったこと
きっかけはこちらのチラシ。
昔、大学時代に文芸サークルで同人誌を作っていましたが、そのときには印刷屋さんにお願いして作っていました。当時はパソコンというよりはワープロの時代。なんとなく懐かしいなーと思って、申し込んでみました。
講師はこの方(隠し撮り)
インスタがあるみたいなので、紹介しておきます。京都芸術大学出身で、音楽活動もされているんですねー。
ちなみに、全く知らなかったのですが、この講座で制作したZINEは山梨県立文学館の所蔵物となり、翌日に開催されるZINEフェスティバルなるイベントで展示もされるとのこと。
想像以上に、本気ですねー。
というわけで制作開始。参加者は夏休みということもあって、お子さんが半分くらいでした。
今回、とてもいいなーと思ったのは、A4の紙表裏を使って8PのZINEを創る、というコンセプトです。
作る前は、ずいぶん紙面が少ないから、ZINEとして成立しないのではないか、とも思ったのですが、ワンテーマのプレゼンとしては充分。
ブログだ動画だnoteだと、自分のメディアを創ろうとする人はかなり気合を入れて時間をかけてやるイメージがありますが、このサイズのZINEでしたら2時間もあれば印刷製本までが完了できます。
この教室では、事前に使う素材を持参してください、ということだったので、別に紙面構成も考えずに、とりあえず使いそうな素材を印刷して持参しました。
で、これをちょきちょきして、紙面に当てはめていく。そこに文字を書き入れ、なんとなくの構成を完成させ、それを糊付けして完成です。
印刷に際しては、用意された好きな紙を選べるのですが、先生ともこれはクラフト紙がよかろう、ということで一致。
こうして初めてのZINEが完成したのでした。
作ってみて思ったのは、これは要するにチラシの替わりになるメディアだな、ということでした。ミニパンフレットと言ってもいいかもしれません。
今回は縄文で作りましたが、何かワンテーマで情報を絞って作ることで、カンタンに自分のメディアが作れるな、と思ったのでした。
さて、翌日のZINEフェスティバルにも参加してきました。
昨日の自作のZINEも、割と評判良かったので、セリアでクラフト紙を購入し、増刷して持っていったところ、配布用に設置してくださった上、出展者の皆様にも紹介してくださいました。
おかげで後で、ブースをまわったとき、あ、縄文の人だ、と高校生に認知されました。SNSより威力ありますねw
ブースでは、県内の大学や高校のサークルや部活が出展していまして、面白く拝見しましたが、特に小学生や高校生の、枠にとらわれない柔軟な発想はまさにイノベーティブ、天才的だと思いました。
こうして見ていたときに思い出したのが、こちらの記事で取り上げました「文化セクター」の話。
自分の中学時代の話ともつながります。
何が言いたいかと言うと、世の中、古今東西、教育のためのワークショップというのはいくつもあるわけですが、その目的が何か、ということを分類していくとどうなるか、という話です。
例えば、前に紹介したこちらのワークショップ。
こちらは一応、お金の使い方を学ぶ、ということになっていますが、実質、社会というものを学ぶワークショップになっています。
何度か紹介していますが、これまで図に描いたことがなかったので、図にしてみました。
社会をひとつのシステムと考えた時に、この4つの機能が動いていると調和が取れていいよね、というくらいに見ていただければいいのかな、と思います。
下記、個人的な感覚で記載してみました。
現在の日本は、本来は独立して存在して機能しなければならないものが、すべての機能が経済に引き寄せられている、という印象です。ということで、本来、「目標達成」機能を担わなければならない政治、「統合」機能を担わなければならない社会、「維持と緊張処理」機能を担わなければならない文化が、本来の機能を果たせていないのではないか、と。
それでも、社会のところは、いわゆるソーシャルセクターとして、ここの問題を解決すべく、頑張っている人たちがいるわけですが、問題は文化です。
経済とは無関係に、文化の機能を果たそうとしている人、という人や活動や団体というのが、現在の日本であまり思いつかない。
クールジャパンなんて政治と経済が介入しちゃって、もう単なる税金の無駄遣いで終わりました(断言)。
コミケだってYouTuberだって、どちらかというと経済に飲み込まれている気がします。特にSNS系は最近はだんだん規制が厳しくなっていって、いちばん簡単には収益カット、悪くするとアカウント停止なんてことも起こっているようで、だんだんと自由にモノが言えなくなっているようです。
エンタメは文化か、と言いますと、どちらかというと産業に組み込まれているような印象です。もちろん、それでも、「維持と緊張処理」機能を果たしている部分もあるのでしょうが。
大げさな話になってしまいましたが、今回のZINE作りというのは、まったくそういったプラットフォームによる経済の事情を配した形でメディアが作れるということで、これはすごいんじゃないか、と思ったのです。
最初に私の大学時代の話をしましたが、当時、印刷屋さんに頼らなければならくなった時代では、どうしてもまとまった印刷費が必要でした。
しかし、今や(って、いつの話だ、という感じですが)、自宅でもカラープリントできる時代。100円ショップに行けば、特殊な紙も買えてしまう時代。
そんなわけで、経済的な制約条件なしに、何やらもやもやしていることや、好きな気持ちを訴えたいこと、文学的な発散、芸術的な爆発など、誰にも迷惑かけずにやりたい放題できる、そんなZINEって、もしかして、もっとみんなやった方がいいかも!?と体験して思ったので、記事化してみました。
と言う訳で、第二弾はこちら?
現場からは以上です。お読みいただきありがとうございました。この記事が面白かったという方のスキ、何か言いたいという方のコメントもお待ちしております。
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