見出し画像

ケーススタディ&ビジネスコーチング研究会、始めます

下記にリリースめいたものを出させていただきましたが、おそらくこれでは何のことかわからないと思いますので、今回はもう少し何をどんな目的でやろうとしているのか、詳細を説明する記事を書いてみたいと思います。

コーチングバンクからのお知らせ : ケーススタディ×ビジネスコーチング研究会 株式会社キャリアクリエイツ&株式会社コーチングバンク共催で毎月開催

ちなみに、動画でも説明しています。

まずは今回、取り扱うLDノートの説明です。LDノートは1950年に設立された総合労働研究所という会社が1965年に創刊したケーススタディのための月刊誌です。ケーススタディというと馴染みがないかもしれませんが、ケースを使って学ぶ(スタディ)という意味。ハーバード・ビジネス・スクールで採用された学習法として有名ですが、もともとはロースクールなどで判例を用いた学習の際に開発されたものだったようです。

ハーバード・ビジネス・スクールでは、ある企業の事業立ち上げのケースなどを詳しく調査して、分厚いケースとして学習に使っていたようですが、このLDノートに関しては、別記事にも書きましたMTPの後継となるマネジメント育成のコースがもともとのきっかけだったようです。

公式ページはこちら

ブログもあるようです

当時の(今もあまり変わっていない気もしますが)企業のマネージャーのお悩みとして、
・マネジメントの勉強はしている
・実際の部下の管理は非常に難しい
・会社の方針が不明確である

ということがあり、結果として、会社の方針が不明確であるのが悪い、と、現場の問題解決からマネージャーたちが逃避している、ということがあったようです。

そこで、実際に現場で起こりそうなトラブルをケースにして、こういうことが起こったらどうしますか?というシュミレーションをしておこう、という目的で作られたのが、LDノートでした。ひとつのケーススタディはA4見開きで構成され、それに対して、管理の視点、心理の視点、法律の視点からの解説がつく、という構成で、なんとその後、現在まで会社の形態を変えながらも脈々と続いている、というものになります。

現在でも多くの企業や労働組合に採用されていますが、人事が購読していることが多いので、あまり一般の方は試験など以外では見たことが無い、という方も多いかもしれません。

ちなみに、このケーススタディのタイトルを分析して、日本の人材育成のトレンドがどのように変化してきたのか、というのを調べたレポートを下記にアップしていますので、御興味ある方は御参考ください。

さて、話が少し逸れたので戻しましょう。今回はそのケースを、コーチング戦略をどのように立てるのか、という観点から利用して、定期的に開催される研究会としてスタートすることにしました。

この研究会の目的は2つ。

ひとつは、ビジネスコーチングの実践現場を持たないコーチが、リアルなケースを用いてシュミレーションすることで、ビジネスコーチとしての引き出しを増やすこと。これはわかりやすいと思います。

そしてもうひとつは、日本の企業現場のマネージャー達が問題解決のひとつの方法としてのコーチングを学ぶこと。こちらはわかりにくいので、ちょっと解説します。

このLDノートは必ず、ケースのあとに2つの問いかけがついています。例えば、M課長が主役のケースでは、
・M課長の行動のどこに問題があったか?
・M課長はどのように行動を変えるべきか?

というような、2つの問いがついています。

もちろん、読者がM課長の立場になって、そこから学ぶことができる素直な方々だったら良いかとは思うのですが、だいたいは、自分はM課長のような問題ある行動はとらない。このM課長がダメなんだ、という立場に立って発言しそうです。そこで、今回の研究会では、このような設定を加えます。

・あなたがM課長のコーチで、M課長から今回のトラブルで悩んでいると話されたら、あなたはどのようにM課長をコーチングしますか?

まさかクライアントにダメ出しするわけにもいかず、まあ、ダメ出ししたところで反発されるだけでしょうから、では、どうするのか? コーチが誘導せずに、M課長が自分で問題に気づき、解決できるような行動を発見するように、どう導くか?

導くというのは誘導することでも教えることでもありません。そもそも、これはM課長の問題なのですから、M課長自身が、これならできる、と思えるソリューションを発見することを支援することが大事であって、これがまさにコーチングだな、と思う訳ですが、こういうコーチングを学べる機会って実はあまり少ないのです。

日本でコーチングを学ぶというと、すぐにスキル寄りになってしまい、デモセッションでも合格、となってしまうので、こういうビジネスの現場で使えない人が多いのではないかと思います。

ということで、結局のところ、ビジネス現場で実際に使えるコーチングを学ぶということをコツコツ学んでいく練習会のような場をやりたくて、今回、株式会社キャリアクリエイツさんの協力を得て、開催することになりました。

実際に4月にデモをやらさせていただいたのですが、

「本当に参加してよかったです!すごく学びになりました!」
「企業の職場のケーススタディを数人で考えを出し合い、コーチング戦略を立てる、思った以上に面白かったです。」
「皆さま、素晴らしいアイデアをお持ちで、自分だけでは出てこない戦略になるところが、本当に面白かったです!」

との感想をいただき、手ごたえを感じて、5月は夜に開催します。御興味ある方は是非、Peatixでグループをフォローしておいていただけますと、毎月2回のイベント情報がチェックできるかと思います。

この会の開催を通じて、日本のマネジメントの現場の問題が、ビジネスコーチングで解決していき、日本の組織の生産性が上がっていくといいなーと思っています。

現場からは以上です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?