研究は、富士山マグネット、TCGビジネス、保護猫カフェ、日本語学校...いろいろだが、共通することは?
こんにちは、武蔵野大学の大学院言語文化研究科ビジネス日本語コースの模様をお伝えします。
今回は、大学院で2年間かけて行う特定課題研究の中間発表の模様をお届けします。
会場は、東京都有明のキャンパスの2号館。
今年は少し遅いですが、いちょうが紅葉していました。
武蔵野大学大学院のビジネス日本語コースは、日本で唯一の留学生限定のビジネス日本語の大学院です。
コースの概要や、在籍学生の様子など、詳しくは以前の下記の記事などをご覧ください。
では、早速、研究の中間発表の模様を見ていきましょう。
中国の小紅書(RED)で人気の富士山マグネットとは?
この日は、2年生の秋入学生11人の中間発表でした。
ビジネス日本語コースでは、春入学(4月)と秋入学(9月)で年2回の入学タイミングがあります。
今回はその秋入学の大学院2年生たちの発表です。
発表した秋入学生11人の出身国や地域は、中国、ベトナム、ウクライナ、マカオ・ポルトガル、とさまざまです。
中間発表は、2年間の研究の中間点として、研究目的や研究方法案などを発表し、他の学生や教員からフィードバックをもらう場です。
最初の発表は、富士山マグネットについての研究。
自分でもインバウンド観光客向けに通訳を兼ねたガイドのアルバイトをしている学生の発表です。
同じ富士山マグネットの写真でも、中国のインスタとも言われることがある小紅書(RED)でバズるものとバズらないものがあるそうです。
それをヒントに、インバウンド観光客が求めるマグネットのデザイン要件を探し出す。
そして、そのデザイン要件を踏まえたマグネット案を作ってみて、実際のインバウンド観光客に見せてそのニーズを検証するという研究です。
果たして、再現性あるデザイン要件が見つかるでしょうか。楽しみです。
TCGのカードの売買スタイルは日本と中国で異なる?
次は、TCG(Trading Card Game)ビジネスの研究。
カードの売買においては、日本はカード業者の仲介での取引が盛んな一方で、中国ではC2C(個人と個人の取引)での取引が盛んという違いがあるそう。
その取引の違いの実態を、自分で日本と中国で取引実験して調べる研究になりそうです。
保護猫カフェ、世界各国でどう違う?
次は、保護猫カフェの研究。
日本は他国と比べて保護猫カフェが広がっているそうで、その成功要因を踏まえて、母国での保護猫カフェの展開の可能性を確認する研究になりそうです。
日本語学校は海外からの留学生にどうブランディングすべきか?
次は日本語学校のブランディングの研究。
日本語学校で特にウクライナからの留学生を増やすために、どんなブランディングが必要かを研究するそうです。
まだまだ、さまざまな研究の発表が続く
まだまだ続きます。
インバウンド観光客が寺院の御守りについてどのような購買行動をしているかの研究。
日本のライトアップにおける成功モデルを参考にして、母国のベトナムでのライトアップによる観光振興策の可能性の研究。
日本の書店の成功モデルを分析し、中国の地方における書店展開への応用可能性を明らかにする研究。
中国での中古高級消費財のオンライン取引のニーズを調査し、日本の成功モデルも踏まえた上で、中国での展開可能性を明らかにする研究。
海外でのフリマアプリにおける交渉有無が取引価格に与える影響等についての先行研究を踏まえて、その日本のフリマアプリでの適合性などを明らかにする研究。
日本の飲食店における中国人観光客が酒類注文時に感じる文化的・言語的障壁を明らかにする研究。
メルカリにおける中国人ユーザーにとって出品体験の問題とその改善策の研究。
ほんと、大学院生たちの研究テーマはさまざまです。
研究はさまざまだが、その共通点は?
このように研究はさまざまですが、共通点があります。
それは、母国などの海外と日本を跨った国際研究であることです。
武蔵野大学の大学院ビジネス日本語コースは、留学生限定の大学院です。
このため、全員が二か国以上の居住経験があり、二か国語以上の言語と文化への理解があります。
このバックグラウンドを活かし、学生たちはこのような海外と日本を股にかけた国際研究、特にビジネスや言語文化に着目した比較研究などをし、日々、互いに学び合い、互いに高め合っています。
これが、日本で唯一の留学生限定でビジネス日本語を教育研究する大学院の研究の特徴であり、強みになっています。
もう一つ、ビジネス日本語コースの発表会には特徴があります
過去の発表会のnote記事をご覧になった方は、おわかりかもしれません。
ビジネス日本語コースの発表会にはもう一つ特徴があります。
それは、学生間での質疑応答が盛んなことです。
この日は、数え間違いでなければ、合計で37個の質問が発表者たちに他の学生から投げかけられました。
学生間で活発に質疑応答をするのは、武蔵野大学大学院のビジネス日本語コースがずっと大事にしている文化です。
全員が留学生のため、日本語ネイティブな学生はいません。
このため、日本語でも恥ずかしがることなく、質問もできるし、意見も言える。
結果、日本語での質疑応答が上手くなり、日本語コミュニケーションのレベルも上がる。
大学院を修了した学生たちがよく言ってくれることの一つです。
さいごに
無事に、中間発表は終了。
これから、実際の調査や分析、人によっては実験に進みます。
そして、その結果を考察をする。
さて、今後どのような研究に発展していくか楽しみです。
そうそう、ビジネス日本語コースの特徴をもう一つ言い忘れていました。
それは、笑顔です。
それも、仲間との笑顔に溢れている大学院です。
この日も、発表後、夕日が差し込む中で笑顔が集まります。
武蔵野大学大学院言語文化研究科ビジネス日本語コースでは、全員が留学生であることを活かした国際的な研究にも取り組んでいます。
武蔵野大学大学院言語文化研究科ビジネス日本語コースの教育研究に興味をお持ちの方で出願も検討される方は、こちらの入試案内もご確認ください。
ビジネス日本語コースでは、春入学(4月)と秋入学(9月入学)があります。
ぜひ、ご覧ください。