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サービスで伝えたい価値の解像度を上げていく過程(後編)

前回「【開発日誌】伝えたい価値の解像度を上げていく(前編)」に続く内容です。


前回、ユーザーの課題をマップで洗い出してそれを元にインタビューを実施、解決策をリストアップするところまでを行いました。今回は、リストアップした解決策をより具体的な機能に落とし込んでいきます。



そもそもユーザーは

・サッカー/フットサルをプレーすることが目的の人もいればそうでない人もいる。
・プレーが目的の人はすでにリーグなどに所属したりチームを創部していることが多い。
・プレーが主目的でない場合、仲間と集まる手段としてチームへ所属する価値を感じている人がいる。

ということが前回のインタビューで得たインサイトでした。



そこで私が考えた提供価値が下記です。

・チームの価値観やレベルに合わせて適切な相手が手軽に見つかること。
・チームの活動が可視化されてメンバーが帰属意識を持てること。



ふむ。


解像度が低い!!ということでもう少し分解していきます。


チームの価値観やレベルに合わせて適切な相手が手軽に見つかる

とはつまり、ただプレーをするためだけに適当に相手を見つけるのではなく、お互いに高め合う良い関係が気づけるチームとの出会いを生み出すことです。


このサービスでは、ただ希望者をマッチングするのではなく、そのチームのフェーズやモチベーションにあった適切な出会いを提供していきたいと考えています。



対戦相手が検索できるサービスを調査

様々なジャンルで対戦相手を必要とする競技はあります。まずは、すでにあるサービスがどんな工夫を施しているのか調査を行いました。


ゲーム、テニス、サッカー他スポーツ全般の対戦相手を募集できるサービスをジャンルと特徴に分けて整理。

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その特徴をもとに「対戦相手募集」という行為の特徴を2軸に分類し直す。

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結果、ひとくくりに対戦相手募集サービスといっても、初級者から上級者まで自由度高く交流するものと、上級者が修練の場として利用する自由度の低いものがあるとわかりました。


私の作りたい社会人サッカー/フットサルサービスはただチームをマッチングできれば良いというわけではなく、良質な出会いや気持ちよくプレーできる環境の整備を大事にしたいと考えています。そのため、「本気度はやや高め」「自由度は低め」のポジションが適していると結論づけました。


次に、2つ目のテーマである「チームの活動が可視化されてメンバーが帰属意識を持てる」状況を作る方法を考えます。



「俺たちのチーム」をいかに作るか

チームの代表や創設メンバーでない限り、「俺たちのチーム」という意識を強く持つことはなかなか難しいと思っています。これは会社でも同じかもしれません。トップや役員は「全員が経営者目線で自分ごと化して業務して欲しい」と言ってもなかなかそうならないのが現状です。


今回その難題のヒントを得るために調べたのが「サウナイキタイ」というコミュニティサイトです。

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昨今のサウナブームにさらに火をつけた立役者だと思っているのですが、何よりサウナファンが積極的に情報提供したりコメントを書いたりする熱量の高さが感じられる自分も大好きなサイトです。



人の積極性を引き出すには?

参加者が積極的に話題にしたりコメントしたりするのはどんな心理があるんでしょう?一番知りたい!けど難しいと感じる領域です(笑)


下記は自分なりの分析です。検索性やデザイン性の高さは言わずもがな。自分の好きなものを同じく好きな人の姿が見えると人は嬉しくなる。サービス全体に営利ではなく愛が溢れている。普通気にしないようなニッチな情報まで載っていて思わずニヤリとしてしまう。といった点がポイントではないかと思いました。

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つまり、「人は人の存在を感じたい」のではないか。「部活あるある」「地元あるある」など、一部の人しかわからないが共感できることをシェアするのがみんな好きです。それと近くて、「自分が好きなこと知っているニッチなことを共感してくれる誰かがいる」と認知できる機会を人は求めているのではないでしょうか?

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課題の解像度が少し上がった

ここまで色々と考察したり調べたりする中で、最初まだまだぼんやりしていた課題に具体性が出てきました。ここでの学びは、「情報の整理の仕方」です。


<最初の課題>

・チームの価値観やレベルに合わせて適切な相手が手軽に見つかること。
・チームの活動が可視化されてメンバーが帰属意識を持てること。


<考察・調査後の課題>

【チームが見つかる】
・各チームの属性が明確にわかる項目が記載されていること(レベルやモチベーション)。
・自分たちの対戦したいチームへ気軽にコンタクトできること(最低限のマナーをサイト側で制御)。
・登録して終わりではなくマッチングまでをサポートする仕組みがあること。

【チームの活動に帰属意識を持てる】
・試合の結果や活動の記録が蓄積され誰でも閲覧できる。
・自チームのみでなく他のチームの活動の記録もタイムライン上で見ることができる。


自身が感じた課題感やユーザーインタビュー、その他類似サービスの分析はただ情報を並べるだけでは不十分なことが多く、本質的ではない課題設定やありきたりな解で結論づけがちです。


しかし、それらの情報にもうひと手間だけ・・・(料理で言うなら塩麹につけるとか塩で揉むとか?)加えることで色んな面が見えてきます。付箋に書き出してKJ法をしたり、x軸とy軸に分けて特徴を洗い出したりと色んな角度から検証をすることで見えてくる課題がありました。



ここから必要最小機能をリストアップしてスケジュールとビジュアルイメージのラフ画を作る

一旦全体像の整理が終わったので作るものも明確になりました。ここから一気にプロトタイプを作っていきたいと思います。


ただ、この間にVue.jsとNuxt.jsの勉強を進めてはいたもののまだまだ探り探りな感じはあります。ので、引き続き試行錯誤しながら進んでいきたいと思います。


次回は、スケジュールとビジュアルイメージのラフ画の作成、実際のコーディングで意識したことなどについて書いていければと思います。


ありがとうございましたm(_ _)m

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keita
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