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従業員のスキルアップ訓練に使える助成金~人材開発支援助成金~

 企業の成長・発展には、商品やサービスの質を向上し、生産効率を高めることが欠かせません。そのためには、従業員のスキルアップや能力開発を企業が率先して行っていく必要があります。
 国の人材開発支援助成金(人への投資促進コース)は、企業が自社の従業員に職務に関連した専門的な知識・技能を習得させるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合等に、訓練経費の一部等を助成する制度です。


1.人材開発支援助成金とは

 事業主等が雇用する労働者に対して、事前に作成した計画に沿って職務に関連した訓練を 実施する場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。


2.人への投資促進コースとは

 人材開発支援助成金の中の1コースで、企業における労働者の人材育成を支援するため、以下の訓練を実施した場合に訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等が助成されるコースです。令和4~8年度の期間限定助成となっており、訓練の幅が広く、助成率も高くなっています。

3.定額制訓練を実施した場合の助成額

 従業員向けのサブスクリプション型の研修サービスを導入し、会社がその費用をすべて負担して訓練を行う場合、研修サービス費用の60%(大企業は45%)が助成されます。
 たとえば、200万円の研修サービスを受けた場合、120万円が国から助成されるという仕組みです。


4.訓練開始までの流れと申請必要書類

 人材開発支援助成金を活用するためには、訓練開始前に計画を立て、その計画を労働局に届け出ておく必要があります。
 具体的な流れと主な申請必要書類は以下の通りです。

①計画提出

  1. 職業能力開発推進者の選任、事業内職業能力開発計画の策定・周知

  2. 事業内職業能力開発計画に基づき、職業訓練実施計画を作成する

  3. 職業訓練実施計画を訓練開始日の1か月前まで(※)に管轄労働局に提出※ 定額制訓練の場合は、原則、定額制サービスの契約期間の初日から起算して1か月前まで

計画提出時の主な必要書類

  1. 職業訓練実施計画届

  2. 訓練別の対象者一覧

  3. 訓練内容を確認できるカリキュラム

  4. 訓練期間中の労働条件がわかるもの (雇用契約書の写しなど)

②訓練の実施

「職業訓練実施計画」に基づき、定額制サービスによる訓練を実施します。

  1. 業務上義務付けられ、労働時間に実施・受講すること

  2. OFF-JTであって事業外訓練であること

  3. 対象労働者の合計受講時間数が10時間以上であること

③訓練実施後の支給申請の流れ

訓練終了日の翌日から2か月以内に、必要書類を労働局に提出します。

  1. 支給申請までに、訓練にかかった経費全額を支払う

  2. 支給申請に必要書類を管轄労働局に提出する

支給申請時の主な必要書類

  1. 法令違反等がないか確認する書類

  2. 支給申請書

  3. 助成額を算定した書類

  4. OFF-JT実施状況報告書

  5. 出勤簿、タイムカード、賃金台帳の写しなど

  6. 事業主が訓練費用を負担したことを確認できる 振込通知書など

  7. 訓練に使用した教材の目次等の写し

  8. 受講を修了したことを証明する書類(修了証など)


5.まとめ

市場ニーズが急速に変化する中、企業が生き残っていくためには、従業員のスキルアップや能力開発を積極的に行い、生産性を向上させていくことが必須だと言えるでしょう。
 国としても企業による人材育成を支援することに力を入れていますが人材開発支援助成金は、コースの種類も多く、要件の確認、計画の策定等の難しさから活用していない企業も多いようです。
 弊社では、対象となる研修の選定~支給申請まで、ワンストップでお手伝いさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。

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