Notionマスターへの道!アップデートを重ね進化した今、Notionのプロパティについて改めて解説
これは「Notion Community Advent Calendar 2024」の13日目の記事です。
昨日は豚角煮チー牛 CheeseGue / Notionテンプレートクリエイターさんの記録魔デュエリストが送る「Notionを活用した遊戯王対戦記録」でした。
情報の蓄積に長けているNotionと分析力に優れたスプレッドシートを組み合わせて使用する方法は、全てをNotionで管理するよりも理想的な管理方法だと感じました。
テンプレートも公開されていたので、ぜひご覧ください!
Notionアンバサダーの円谷さんの記事にもありましたが、今年もNotionは数多くのアップデートがありました。
特にデータベース機能は、ボタン、チャート、フォーム、オートメーションなど、大幅に進化しています。
これらの機能については、既に多くの人が記事を執筆していますが、最新情報を反映した機能全体の解説記事はまだ少ないようです。
そこで今回は、Notionの「プロパティ」に焦点を当て、最新版の解説記事をお届けします。
※記事が長いため、時間がない方はTier Aまでご覧ください。
■ アップデート後のプロパティTier表を作成
ただ解説するだけでは面白くないので、プロパティTier表を作成してみました!
評価基準は、以下の通りです。
機能の汎用性:データベース全体での活用度や応用可能性
カスタマイズ性:設定や表示方法の自由度
業務効率化への貢献:ワークフロー改善やプロセス自動化への活用度
将来性:今後のアップデートでの進化が望めるか
これらは私の主観的な評価基準ですので、一つの参考意見としてお読みください。
各プロパティは、「機能/入力形式/使用例」の形式で解説します。
また、一部のプロパティには上級者向けのテクニックも紹介しています。Notion初心者の方は、今後の学習目標として参考にしてください。
▼ Tier S
データベース管理における機能性、使いやすさ、業務効率化への貢献度を考慮し、Tier Sの配置は迷いなく決定しました。Notionのデータベース機能を支える絶対的な王者と言えるプロパティです。
▢ リレーション
機能:データベース間の関連付けを行う
入力形式:他のデータベースからページを選択
使用例:プロジェクトとタスク、商品と在庫の紐付け
異なる2つのデータベースを連携させるリレーションは、私にとってなくてはならない機能です。もしこれが使えなくなったら、Notionの使用自体を諦めてしまうほど重要です。
この機能について解説した記事がありますので、ぜひご覧ください。
▼ Tier A
今年登場したボタンプロパティは、今やデータベース管理に欠かせない重要な機能として定着しています。
また、10月のアップデートで大きな機能強化を受けたプロパティを中心に、Tier Aに選出しました。
最近の改良により柔軟性と使いやすさが大幅に向上した「テキスト」プロパティは、データベース管理における基本的かつ強力なツールとして、個人的に今一番注目しています。🔥
▢ ボタン
機能:アクションの実行やワークフローの自動化
入力形式:ボタンのクリック
使用例:ステータスと日付の同時変更、🆕通知の送信
このプロパティは、ボタンを押すことで以下のようなアクションを複数同時に実行できます。
プロパティを編集:そのページのプロパティを編集できます。
ページを追加: 選択したデータベースに、指定したプロパティを持つ新しいページを追加します。
ページを編集: データベース内の既存のページを編集します。すべてのページまたはフィルターに合致するページのみを編集できます。
確認を表示: ボタンクリック時に確認画面を表示し、誤った変更を防ぎます。
ページまたはURLを開く: 指定したページやURLを開きます。
Slack通知を送信: 特定のSlackチャンネルに通知を送信します。
🆕変数を定義: カスタム変数を作成し、他のボタンアクションで使用できるようにします。
🆕メール送信: 指定したメールアドレスに自動でメールを送信します。件名や本文をテンプレート化することも可能です。
🆕Webhookの送信: 外部システムとの連携を可能にし、データの送信や更新を自動化します。
通常は有料プランでしか利用できないオートメーション機能と同等の機能が使用できる点が、特に魅力的です。
最近は有料プラン限定の機能も増えていますが、個人で使う分には無料プランで十分です。
▢ 日付
機能:日時の記録と管理
入力形式:カレンダーから選択または直接入力
使用例:締切日、イベント日程
タスク管理やプロジェクト管理において、日付プロパティは不可欠な機能です。
日付範囲の設定や時間指定が可能なので、イベントやプロジェクトの期間管理にも効果的です。カレンダービューと連携すれば、視覚的なスケジュール管理も実現できます。
さらに、変数機能が追加されたことで、Notionカレンダーとの連携がよりスムーズになりました。
この機能を使ったテンプレート解説記事を書いたので、ぜひご覧ください。
▢ テキスト
機能:文字情報の入力
入力形式:自由記述
使用例:備考欄、AI自動要約
10月のアップデートにより、活用の幅が大きく広がったプロパティです。
リレーションの自動化に活用
数式プロパティに代わる静的プロパティとして活用することで、Notionの操作性が向上します
変数によるテキストの自動入力が可能になりました
レイアウトをカスタマイズすることで視認性が向上します
Notionをある程度使いこなせる方は、数式プロパティの代わりにテキストプロパティを使うことをおすすめします。数式で入力した関数をオートメーションやボタンに仕込むだけなので、移行も簡単です。
もちろん、動的プロパティである数式を使う必要がある場合も多いので、使い分けが必要です。
レイアウトのカスタマイズ機能により、テキストプロパティを独立したセクションとして配置できるようになりました。
これにより、ページ本文でメモを取る代わりに、テキストプロパティに直接入力する機会が増えています。
この方法の大きな利点は、データベースの検索対象として活用できることです。
▢ ステータス
機能:進捗や状態の管理
入力形式:プリセットされた選択肢から選択
使用例:タスク進捗、承認状態
Notionといえばタスク管理という人も多いので、TierAにランクイン!
ボタンやオートメーションにより、自動化が大きく進んだプロパティです。
こちらも解説記事がありますので、ご覧ください。
▢ チェックボックス
機能:二択の状態管理
入力形式:チェックの有無
使用例:完了確認、フラグ立て
シンプルながら非常に実用的なのが、チェックボックスプロパティです。
私は、記事の校正チェックリストや定期的なタスクの完了確認などに使用しています。視覚的に分かりやすく、作業効率の向上に大きく貢献しています。
上級者向けのテクニックになりますが、オートメーションの裏でこのプロパティを操作すると、より多くの自動化が可能になります。
テンプレート化したので、興味のある方はオートメーションの設定をご確認ください。
テンプレートでは2階層ですが、この方法なら3階層以上の自動化も可能です。詳しく知りたい方はコメントください。後日、記事にします。
▼ Tier B
Tier Bには、フォームやチャート機能の活用において重要な役割を果たすプロパティを主に選出しました。
これらのプロパティは、データの入力や可視化において基礎的な機能を提供しており、特にチャートでのデータ表示に頻繁に使用されます。
以前であればTierAに位置付けていた「数式」プロパティについて、9月頃までの評価から見直しを行い、TierBへとランクを変更することにしました。この判断に至った具体的な理由については、後ほど詳しく説明させていただきます。
▢ 数式
機能:自動計算処理
入力形式:数式を記述
使用例:合計金額計算、進捗率算出
データベース内での自動計算や条件分岐を実現する数式プロパティは、強力なツールです。複数のプロパティを参照した計算や条件に基づいた値の設定など、高度なデータ処理が可能です。
しかし、このプロパティはNotionの動作速度に影響を与えます。
数式プロパティは、Notionの動作速度に影響を与えます。1つのデータベースやページに複数の数式を設置すると、システムへの負荷が大きくなり、処理速度が遅くなる可能性があります。
先ほど「テキスト」プロパティで紹介したように、関数を代用することで、この負荷を軽減できます。
オートメーションは一時的にのみ作動するため、数式プロパティのような問題は発生しません。
しかし、便利なことには代わりないので、適切な数の数式プロパティを使用して快適な管理を目指しましょう。
数式プロパティの使い方の解説は、以下のリンクをご覧ください。
▢ 数値
機能:数値データの管理
入力形式:数字の直接入力
使用例:金額、数量管理
シンプルながら重要な機能を提供するのが、数値プロパティです。金額計算やデータ分析において基礎となるデータ型として活用されています。
テキストプロパティと同様に、数式プロパティの代わりとして活用できます。Notionの動作が軽くなるのでおすすめです。
▢ セレクト
機能:定型選択肢からの選択
入力形式:ドロップダウンリストから1つのみ選択
使用例:カテゴリ分類、タグ付け、🆕フォームの選択肢
マルチセレクトとまとめて解説します。
▢ マルチセレクト
機能:定型選択肢からの選択
入力形式:ドロップダウンリストから選択 ※複数選択可
使用例:カテゴリ分類、タグ付け、🆕フォームの選択肢
定型的な選択肢からの選択を可能にするのが、セレクトとマルチセレクトプロパティです。データの分類やタグ付けにおいて、一貫性のある管理を実現します。
セレクトは単一の選択肢、マルチセレクトは複数の選択肢を選べる点が異なります。どちらも以下のような特徴があります。
選択肢ごとにカラーコードを設定可能
フィルターやソートの条件として活用可能
フォーム入力時の選択肢として利用可能
私は、記事のカテゴリ分類やプロジェクトのステータス管理、タグによる情報整理などに使用しています。カラー設定を活用することで、視覚的な情報管理が可能になり、直感的な操作性を実現しています。
Notionでは、リレーション機能で代用できるので、そちらの使い方も合わせて確認することをおすすめします。
▢ 電話
機能:連絡先電話番号の管理
入力形式:電話番号形式での直接入力
使用例:取引先連絡先、社員情報管理
連絡先管理において重要な役割を果たすのが、電話プロパティです。形式が統一されているため、データの整理や検索が容易になります。
私は、取引先データベースに使用しています。モバイルアプリと連携すればワンタップで発信できるなど、実用的な機能として重宝しています。
NotionMailが近々リリースされるので、将来的にNotionPhoneとかでないかなと期待しております。
▢ メール
機能:メールアドレスの管理
入力形式:メールアドレス形式での直接入力
使用例:顧客連絡先、🆕自動メール送信
連絡先管理において基本的かつ重要な機能を提供するのが、メールプロパティです。フォーム機能では、メールアドレスの形式チェックが自動で行われるため、データの整合性が保たれやすい特徴があります。
オートメーション機能とフォーム機能を組み合わせることで、お客様への自動返信もできます。
NotionMailのリリースにより、来年注目のプロパティです。
▼ Tier C
Tier Bと評価は大きく変わりませんが、Tier Cには個人的に改善の余地があると感じるプロパティを主に選出しました。。
▢ ID
機能:一意の識別子の管理
入力形式:自動生成
使用例:会員番号、タスクid
データベースのレコードを一意に識別するための基本的な機能を提供するのが、IDプロパティです。チーム利用において、タスク名ではなくIDで共有すればよいので意外と便利です。
しかし、誤って作成したページにも自動的に番号が振られてしまうため、単純な番号付けをしたいユーザーには扱いづらく感じられるかもしれません。
現在のシステムも管理するうえでは便利なので、設定ができるようになることを期待しています。
▢ ユーザー
機能:Notionワークスペースユーザーの関連付け
入力形式:ユーザーリストから選択
使用例:担当者割り当て、レビュアー指定
Notionワークスペース内での協業において重要な役割を果たすのが、ユーザープロパティです。タスク管理やプロジェクト進行において、担当者の割り当てや権限管理を効率的に行うことができます。
今年のアップデートで指定したユーザーへの通知機能が追加され、使い勝手が大幅に向上しました。
改善点として、一部のユーザーのみが経験する問題ですが、別のページで共有設定したゲストユーザーが選択肢に表示されてしまう点が挙げられます。この問題の改善を期待しています。
▢ URL
機能:ウェブリンクの管理
入力形式:URLの直接入力
使用例:参考リンク、ウェブサイト管理
ウェブリンクを効率的に管理するための基本的な機能を提供するのが、URLプロパティです。シンプルな機能ながら、外部リソースとの連携において重要な役割を果たしています。
また、Save to Notionを使っている方にとって必須プロパティです。
プレビュー機能の実装やプロパティ上でのハイパーリンク作成機能があれば、より実用的で使いやすくなるでしょう。
▢ ファイル&メディア
機能:ファイルの添付と管理
入力形式:ファイルアップロードまたはドラッグ&ドロップ
使用例:文書保管、画像ギャラリー
文書や画像などのデジタルアセットを管理するための基本的な機能を提供するのが、ファイル&メディアプロパティです。
レイアウトカスタマイズとの相性が良く、ページ内で画像を効果的に配置する際に重宝します。
アップロードしたファイルの自動要約など、Notion AIに対応したらTier Aです。期待も込めてTier Cに置きます。
▼ Tier D
誤解を避けるために補足しますが、Tier Dに分類されたプロパティも実務において頻繁に活用されており、決して重要性が低いわけではありません。
これらのプロパティは既に十分に成熟した機能であり、現時点での完成度が高く、今後の機能拡張や大幅な改善が見込めないため、Tier Dに分類しています。
▢ ロールアップ
機能:関連付けられたデータベースの値を集計・表示
入力形式:自動計算(リレーションプロパティと連携)
使用例:プロジェクト全体の進捗率、部門別売上集計
関連データベース間の情報を集計・表示する強力な機能を提供するのが、ロールアッププロパティです。特にリレーションプロパティと組み合わせることで、複数のデータベースを横断した集計や分析が可能になります。
しかし、現状では以下のような制限や改善の余地があります。
集計方法のカスタマイズ性が限定的
複雑な計算式との連携が難しい
これらの課題はすべて数式プロパティで解決できます。そのため、ロールアッププロパティはあまりアップデートされていないと考えられます。
基本的な機能は十分に実装されているため、多くのユーザーにとって現状の機能で十分だと考えられます。
▢ 最終更新日時
機能:ページの最終更新日時を自動記録
入力形式:自動更新
使用例:ドキュメント管理、変更履歴追跡
ページの変更履歴を自動的に追跡する基本的な機能を提供するのが、最終更新日時プロパティです。文書管理やバージョン管理において重要な役割を果たしています。
強いて改善点を挙げるとすれば、更新履歴の詳細表示機能があれば便利だと感じます。
API連携などにも使う便利なプロパティです。
▢ 最終更新者
機能:ページを最後に編集したユーザーを記録
入力形式:自動更新
使用例:文書承認フロー、品質管理
ドキュメント管理や承認フローにおいて重要な役割を果たす基本的な機能なのが、最終更新者プロパティです。チーム作業での変更追跡や責任所在の明確化に役立ちます。
このプロパティも「最終更新日時」プロパティと同様です。
▢ 作成日時
機能:ページの作成日時を記録
入力形式:自動生成
使用例:文書管理、プロジェクト開始日の記録
ページの作成時点を自動的に記録する基本的な機能なのが、作成日時プロパティです。文書やプロジェクトの開始時期を追跡する上で重要な役割を果たしています。
改善点は思いつきませんでした。何かあれば教えてください🙇♂️
▢ 作成者
機能:ページを作成したユーザーを記録
入力形式:自動生成
使用例:文書管理、オーナーシップの追跡
ページの作成者を自動的に記録する基本的な機能なのが、作成者プロパティです。文書管理やプロジェクト管理において、責任の所在を明確にする重要な役割を果たしています。
作成者のみに編集権限を付与する機能があれば、より便利になるでしょう。
▼ 最後に
▽ 最近のアップデートについて:便利だけどついていけない
今年1年は、Notionヘビーユーザーの私にとって、まさに歓喜の1年でした。アップデートがあるたびに、まるで子供の頃のプレゼントの箱を開けるようなワクワク感を味わいました。
一方で、最近Notionを使い始めた方々は、この急速な進化についていけていない印象を受けます。「便利だとは分かっているものの使いこなせない」という相談が増えているのが現状です。
▽ Notion初心者が学べる環境を作りたい!
私なりにNotionを広めるチャレンジをしてきました。少しずつですが経験を積んだので、2025年はさらに力を入れていきたいと考えています。
初心者が学べる環境として、Notionのコミュニティがあります。
既に多くの人が様々な視点で魅力的なコミュニティを展開しているので、私も違うベクトルでこのような取り組みの一員として参加していこうと思います。
▽ バトンタッチ🏃
明日はHaruki Inoueさんの「キャンパスリーダーとしてのリアルと考えていること」です。お楽しみに!