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ベイン(Bain)出身者の書籍10選

以下、ベイン(Bain)への転職を目指す方に向けて、Bain出身者やBain関係者が書いた(または監修などに携わった)書籍を幅広くご紹介します。

“読書リスト”としてまとめておりますので、興味のある書籍があれば是非手に取ってみてください。

名著企業価値4倍のマネジメント、意思決定の為の分析の技術に加え、十八番であるネットプロモータスコアなどコンシューマー領域の書籍など、どの本も有益な参考資料になるはずです。


企業価値4倍のマネジメント – ベイン・アンド・カンパニー ジャパン(奥野 慎太郎 他)

  • 著者: ベイン・アンド・カンパニー ジャパンのコンサルタントチーム(編著代表:奥野 慎太郎)。ベイン東京オフィスが総力を挙げ、日経BP社と協力して出版したレポート形式の書籍です。

  • 著者の概要: 本書はベイン東京オフィスによる独自調査とグローバル研究を組み合わせ、日本企業に向けて発信した経営実務書です。奥野氏をはじめとするベイン日本オフィスのパートナー陣が執筆に参加しており、それぞれの専門分野(戦略、組織、オペレーション、M&Aなど)の知見を盛り込んでいます。発行は2018年、日本経済新聞出版社。

  • 書籍の内容のまとめ: 企業価値を飛躍的に向上させる(最大で4倍にする)ためのマネジメント手法 を解説したものです。日本企業が置かれた経営環境(少子高齢化やグローバル競争の激化、デジタル変革など)を俯瞰し、その中で株主価値・顧客価値・従業員価値を同時に高めていくためのフレームワークを提示します。具体的には、事業ポートフォリオの大胆な見直し、非中核業務の切り離しと集中すべき領域への投資、デジタル技術を活用したビジネスモデル変革、従業員のエンパワーメントと企業文化醸成、といった施策群を統合的に実行することの重要性を説いています。各章では国内外の成功事例が紹介され、読者が自社の状況を診断し改革プランを描けるよう、チェックリストや図表も豊富に含まれています。

意思決定のための「分析の技術」 – 後 正武(うしろ まさたけ)

  • 著者: 後 正武(元ベイン・アンド・カンパニー 戦略コンサルタント、京都大学名誉教授)。マッキンゼー出身後にベイン日本代表パートナーを務め、その後学界に転じた異色の経歴を持つ。

  • 著者の概要: 後氏は日本の経営コンサルタント黎明期を支えた人物の一人で、論理思考・問題解決の手法について多くの著作があります。本書(1998年初版)は戦略コンサルタントの必須スキルをまとめた指南書で、若手コンサルのみならずビジネスパーソン一般にも長年読み継がれてきました。

  • 書籍の内容のまとめ: ピラミッドストラクチャーやMECEといった ロジカルシンキングの基本 と、経営課題を解くためのデータ分析手法を網羅的に解説しています。例えば「問題を大きさで捉える」「MECE(モレなくダブりなく)に分解する」「時間軸で変化を見る」「バラツキに注目する」「ツリー状に分解する」等、コンサルタントが日常的に使う思考の型を章立てて紹介。さらに分析結果を表現するグラフ・チャートの作り方まで踏み込んで説明されており、得られた洞察を的確に伝えるプレゼン技法も学べます。発行から四半世紀近く経ちますが、「戦略コンサルのバイブル」として現在もなお新任コンサルタントに推薦される古典的名著です。

成功するビジネスプラン – 伊藤 良二

  • 著者: 伊藤 良二(元ベイン・アンド・カンパニー 戦略コンサルタント、現経営コンサルタント)。ベイン退職後に独立し、新規事業開発支援などに携わる。2005年に日経文庫より本書を上梓。

  • 著者の概要: 伊藤氏は戦略コンサルタントとして培った知見をベースに、起業家や事業責任者向けの実践書を書きました。特にビジネスプラン策定の分野では経験が豊富で、本書出版当時ベイン東京オフィスから転身した若手プロフェッショナルとして注目されました。

  • 書籍の内容のまとめ: 事業計画書(ビジネスプラン)の作り方 を体系立てて解説する入門書です。新規事業を立ち上げる起業家や、既存企業で新プロジェクトを担うビジネスパーソンに向けて、頭の中のアイデアを説得力あるプランにまとめ上げるプロセスを示しています。誰が・何を・どこで・どのように実行するのか、といった基本要素の整理方法から、市場環境分析、競合優位性の書き方、財務計画の立て方、リスク評価まで、計画書に盛り込むべきポイントを網羅。コンパクトながらビジネスプラン策定のエッセンスが詰まっており、「最初の一冊」に適した解説書と評価されています。価格も手頃な新書判ということもあり、ビジネスプラン作成に初めて挑む人々に広く読まれています。

創業メンタリティ 危機を救い、さらに企業を強くする3つの戦略 – クリス・ズック, ジェームズ・アレン

  • 著者: クリス・ズック(ベイン・アンド・カンパニー パートナー)、ジェームズ・アレン(同パートナー)。ベインにて企業成長戦略の研究・コンサルティングに従事し、多数の著作を共著。

  • 著者の概要: ズックは約25年以上にわたり持続的成長企業の条件を研究し、業界に名高い「コア事業」戦略の専門家です。アレンもベインのグローバルパートナーとして、新興市場や顧客戦略に精通し、両名は企業の成長モデルに関する知見を多数発表しています。

  • 書籍の内容のまとめ: 大企業が抱える成長の「踊り場」現象に対し、“創業者のメンタリティ”を取り戻すことの重要性を説く一冊です。ベインの調査によれば、成長阻害要因の85%は社内要因だとされ、本書では社員の自主性・顧客志向・オーナーシップといった創業時のスピリットを大企業で復活させる具体策を紹介しています。官僚化した組織に警鐘を鳴らし、現場への権限移譲やスピード重視の文化醸成など、 3つの戦略 を提示。実例として創業者精神を維持し続ける企業のケーススタディを示し、持続的な業績向上の秘訣を明らかにしています。

リピータビリティ ― 再現可能な不朽のビジネスモデル – クリス・ズック, ジェームズ・アレン

  • 著者: クリス・ズック(ベイン パートナー)、ジェームズ・アレン(ベイン パートナー)。上記「創業メンタリティ」の共著者コンビで、企業戦略と成長モデルの研究者です。

  • 著者の概要: 両氏は全世界2000社以上を対象に調査を行い、成功企業に共通する原則を抽出するプロジェクトを率いました。本書はその成果の一つで、ズック&アレンは“シンプルさ”を武器に競争優位を維持する戦略論を提唱しています。

  • 書籍の内容のまとめ: 激しい変化の時代においても、 「再現可能」 なビジネスモデルを持つ企業だけが安定的成長を遂げると論じています。多くの企業はイノベーションを求めて過度な改革に走りがちですが、調査から導かれた答えは「急進的な改革ではなく、成功パターンの反復」でした​

「顧客愛」というパーパス <NPS3.0> – フレッド・ライクヘルド, ダーシー・ダーネル, モーリーン・バーンズ (監修:大越一樹・髙木啓晃)

  • 著者: フレッド・ライクヘルド(ベイン・アンド・カンパニー フェロー。NPS®の提唱者)、ダーシー・ダーネル&モーリーン・バーンズ(ベイン パートナーでNPSエキスパート)。監修の大越・高木両氏もベインの日本オフィス幹部。

  • 著者の概要: ライクヘルド氏は顧客ロイヤルティ研究の第一人者で、ネット・プロモーター・スコア(NPS)の生みの親です。共著のダーネル氏らもグローバル企業のNPS導入を数多く手掛けてきた専門家で、日本版ではベイン東京オフィスの大越氏らが解説を加えています。

  • 書籍の内容のまとめ: NPS開発から約20年を経て登場した「NPS3.0」の全貌を紹介する最新版です。アップルやアマゾンなど“顧客を愛し、顧客から愛される”企業は、顧客ロイヤルティを経営の中心に据えることで高収益かつ持続的成長を実現してきました。本書では 「顧客愛」 を企業のパーパス(存在意義)に置き、NPSを単なる指標ではなく企業文化・経営体系として進化させる方法を解説しています。デジタル時代に対応した最新のNPS活用事例や、誤解されがちな点の訂正、そして顧客や従業員を幸せにしながら利益を上げる企業の具体策を豊富に盛り込み、NPSの新しい地平を示す内容です。

ネット・プロモーター経営 ― 顧客ロイヤルティ指標NPSで「利益ある成長」を実現する – フレッド・ライクヘルド, ロブ・マーキー

  • 著者: フレッド・ライクヘルド(ベイン フェロー)、ロブ・マーキー(ベイン パートナー)。ライクヘルド氏は前述の通りNPSの創始者、マーキー氏はベインで長年NPSコンサルティングをリードしてきた人物です。

  • 著者の概要: ライクヘルド氏は「ロイヤルティの伝道師」として知られ、これまでに顧客ロイヤルティに関する著書や論文を多数発表しています。マーキー氏はNPS実践の第一線でグローバル企業を支援し、その知見をもとに共同執筆しました。本書は原題 “The Ultimate Question 2.0” として2011年に出版され、NPS手法の完全版とされています。

  • 書籍の内容のまとめ: NPS(ネット・プロモーター・スコア) を企業の成長エンジンとして活用するための実践ガイドです。NPSとは「この製品・サービスを知人に勧めたいですか?」という究極の質問を通じて顧客ロイヤルティを測定する手法で、20年以上の研究の成果として誕生しました。本書ではNPSを導入して成功した企業事例を多数紹介し、顧客からの評価を経営指標に組み込むことで「良い利益(顧客を大切にした成長)」を生み出す戦略を解説しています。またNPSスコアを向上させるための社内体制づくり、従業員エンゲージメントとの連動など、NPSを経営管理サイクルに組み入れるノウハウも詳細に述べられています。

TIME TALENT ENERGY ― 組織の生産性を最大化するマネジメント – マイケル・マンキンス, エリック・ガートン

  • 著者: マイケル・マンキンス(ベイン パートナー)、エリック・ガートン(ベイン パートナー)。マンキンス氏は経営資源管理の専門家でHBR執筆も多数、ガートン氏は人材戦略のエキスパートで、本書共同執筆のため来日セミナーも行っています。

  • 著者の概要: 両氏はベインにおける組織・人材マネジメント実務を牽引し、グローバル企業の組織改革プロジェクトを多数手掛けました。「社員の時間・才能・エネルギー」に注目した独自のフレームワークを提唱し、Harvard Business Review Pressから2017年に本書を出版しています。

  • 書籍の内容のまとめ: 「働き方改革」 や個人の効率化だけでは、企業全体の生産性向上には不十分であると指摘し、真に希少な経営資源である「時間・人材・意欲(エネルギー)」を最大限活用する組織運営法を提示します。著者らの調査では、トップ企業は平均的企業に比べて生産性指数が40%高く、その差は限られた優秀人材を重要課題に集中投下しているかどうかにあると分析しています。具体的には会議やメールに費やす時間の最適化、人材ポートフォリオの見直し、社員のモチベーションを削ぐ「組織の重り(ドラッグ)」の排除など処方箋を提案。日本版では国内企業への調査結果も盛り込み、日本企業はグローバル比で組織生産性が20%低い実態とその要因について考察しています。

AX(アジャイル・トランスフォーメーション)戦略:次世代型現場力の創造 – ダレル・リグビー, サラ・エルク, スティーブ・ベレズ

  • 著者: ダレル・リグビー(ベイン パートナー、グローバル・イノベーション&アジャイル・プラクティス責任者)、サラ・エルク(ベイン パートナー)、スティーブ・ベレズ(ベイン パートナー)。監訳・解説として石川順也・市川雅稔両氏(ベイン日本パートナー)が参加。

  • 著者の概要: リグビー氏は1978年にベイン入社以来、小売・イノベーション領域を専門とし、「アジャイル経営」に関する知見を牽引してきました。エルク氏とベレズ氏も大規模チェンジマネジメントの専門家で、多くの企業でアジャイル導入を支援しています。本書は2020年に米国で刊行され、2021年に日本語訳が出版されました。

  • 書籍の内容のまとめ: 急速に普及する 「アジャイル」 手法を、大企業がうまく取り入れるための指南書です。アジャイルは本来ソフトウェア開発から生まれた手法ですが、今では企業経営全般に広がっています。しかし何でもかんでもアジャイルにすれば良いわけではなく、誤った導入はかえって混乱を招くと指摘します。本書では**「正しくアジャイルを実践する」**ための原則として、トップ主導の戦略との整合、官僚的プロセスとのバランス、段階的導入とスケーリング手法などを解説。自律的な小チームを活用しつつも全社的な方向性は見失わないことが肝要であるとし、機動力と統制を両立させた企業事例を豊富に紹介しています。

プライベートエクイティ 6つの教訓 経営のための知恵袋 – オリット・ガディッシュ, ヒュー・マッカーサー

  • 著者: オリット・ガディッシュ(ベイン・アンド・カンパニー 会長)、ヒュー・マッカーサー(ベイン パートナー、グローバルPE(プライベートエクイティ)グループ責任者)。ともにPEファンド支援の豊富な経験を持つ。

  • 著者の概要: ガディッシュ氏はベイン復活の立役者であり、世界的戦略コンサルタントとしても有名です。一方、マッカーサー氏はベインのPE領域トップとして世界中の投資ファンドに助言を提供してきました。二人がタッグを組んだ本書は、投資ファンドの価値創造手法を一般企業の経営にも応用できる形でまとめています。2008年に日本語訳が出版され、PEブーム下で注目を集めました。

  • 書籍の内容のまとめ: プライベートエクイティ・ファンドが短期間で企業価値を向上させるために用いる施策から、一般企業にも役立つ6つの教訓を抽出しています。例えば「経営の焦点を絞り迅速に意思決定する」「経営陣にオーナーシップを持たせるインセンティブ設計」「徹底したキャッシュフロー管理」等、PE流のアクティブな経営手法を紹介。著者はこれらを「経営の知恵袋」と呼び、どのような企業でも採り入れ可能な実践策として解説します。PEファンドが培ったベストプラクティス(事業ポートフォリオの見極め方、コスト削減と成長投資のメリハリ等)を具体例とデータで示し、経営者にとって有益な示唆を提供する内容です。

各書籍の内容には、Bain出身者ならではの視点とノウハウが色濃く反映されています。それぞれの著作から、コンサルティングの現場で培われた思考法や戦略術、マネジメントの極意を日本語で学ぶことができます。​

これからも、スキル・キャリアアップに役立つ記事を更新していきます。
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