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エリート揃い!マッキンゼーOB/OGリスト50選

マッキンゼー・アンド・カンパニーは、世界屈指の戦略コンサルティングファームとして知られています。

その厳しい採用基準や徹底した成果主義のカルチャーは、在籍するコンサルタントたちに高度な問題解決能力、リーダーシップ、グローバルな視点を身につけさせる土壌となっています。

その結果、マッキンゼーを巣立った人材の多くは、コンサルティング以外の領域でも目覚ましい活躍を見せています。

政治の世界で国の舵取りを担う者、著名企業の経営トップとして事業再編を主導する者、起業によって新たな業界を創出する者、さらには教育・メディア・社会起業分野へ活路を開く者など、その活躍の幅は非常に多岐にわたります。

ここでは、日本において各界で活躍するマッキンゼー出身者50名について、在職時期やエピソード、退職後のキャリア、現在の活動内容、そして各分野での影響力をまとめています。

マッキンゼーへの転職を考えている方にとって、“卒業後の可能性”を具体的に思い描く上で、大いに参考になるでしょう。


企業経営・投資分野の出身者

安達 保(あだち たもつ)

  • 在職時期: 1988年にマッキンゼー入社し、1995年にパートナー昇進、1997年まで在籍​

  • 在職中のエピソードや実績: 情報通信やハイテク産業の戦略策定プロジェクトを多数手掛け、前職(三菱商事)での知見も活かしながら活躍。マッキンゼー日本支社で重要顧客のプロジェクトを率い、若くしてパートナーに就任しています​

  • 退職後のキャリア: 1997年に退職後、GEキャピタルで事業本部長を務め、買収案件を指揮。その後カーライル・グループ日本代表に転身し、中堅企業への投資・再生に13年間従事しました​

  • 現在の仕事や活躍状況: ベネッセHD代表取締役社長として教育・介護事業を統括。2022年から同社取締役会長も兼務し、グローバル展開や構造改革を推進しています​

  • 影響力: 外資ファンド出身の経営者として、教育産業に経営改革の手法を持ち込み注目を集めます。投資家目線とコンサル出身の戦略力で企業価値向上に貢献し、業界再編にも影響力を持つ存在です。

川鍋 一朗(かわなべ いちろう)

  • 在職時期: 1997年にMBA取得後マッキンゼー入社し、およそ3年間勤務​

  • 在職中のエピソードや実績: 入社後まもなく家業である日本交通の経営危機を知り、タクシー業界の構造分析に携わったとも言われます。在籍期間は短かったものの、戦略コンサルタントとしてサービス業の経営再建策を学びました。

  • 退職後のキャリア: 2000年に家業の日本交通株式会社へ入社し、専務を経て社長に就任(2015年)​

  • 現在の仕事や活躍状況: 日本交通代表取締役会長として業界最大手の舵取りを行う傍ら、新サービス(JapanTaxiアプリ等)の開発や業界再編を主導。私生活では中曾根元総理の孫と結婚したことも話題になりました​

  • 影響力: 老舗企業の改革者として公共交通政策にも発言力があります。タクシー配車アプリを普及させるなど業界のIT化を牽引し、規制改革にも影響を与える存在です。

吉田 直樹(よしだ なおき)

  • 在職時期: 2000年代初頭にマッキンゼー勤務(詳細年次非公表)。国際基督教大学卒業後に入社し、数年在籍したとみられます。

  • 在職中のエピソードや実績: 戦略コンサルタントとして小売・流通分野を担当し、店舗戦略や収益改善プロジェクトに携わりました。論理的思考とデータ分析力を磨き、若手ながら顧客企業の信頼を得ていたと言われます。

  • 退職後のキャリア: コンサル退職後、2004年にディスカウントストア大手の**ドン・キホーテ(現PPIH)**に転職。経営企画や子会社管理を経て、2016年にパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス社長に就任​

  • 現在の仕事や活躍状況: 引き続きPPIH(ドンキホーテ持株会社)の代表取締役社長としてグループを牽引​

  • 影響力: 日本の小売業界で最年少クラスのトップ経営者として注目されています。大胆な戦略と現場重視の経営で企業価値を高め、小売業の常識を覆すような施策を次々打ち出すリーダーです。

本田 桂子(ほんだ けいこ)

  • 在職時期: 1980年代後半にマッキンゼー日本支社に在籍。お茶の水女子大学卒業後、米ウォートン校MBA取得を経てコンサルタントとなりました​

  • 在職中のエピソードや実績: 在籍中は金融セクターの戦略案件を中心に担当。国際業務にも従事し、多国籍プロジェクトでリーダーシップを発揮しました。当時まだ女性の少ない環境で実績を残し、後進のロールモデルとなりました。

  • 退職後のキャリア: 2004年、世界銀行グループの**多数国間投資保証機関(MIGA)**長官に就任し、初の女性トップとして新興国への投資促進に尽力​

  • 現在の仕事や活躍状況: 国際金融や開発分野の要職を歴任し、現在も政府系ファンドや企業のアドバイザー、大学講師などグローバルに活動中です。開発途上国のインフラ投資支援やESG投資の推進にも関与しています。

  • 影響力: 国際機関のトップを務めた経験から、日本人女性のグローバルリーダーの先駆け的存在です。投資保証や開発金融の専門家として各国政府にも発言力を持ち、ダイバーシティ推進の象徴的存在でもあります。

堀 新太郎(ほり しんたろう)

  • 在職時期: 1990年代にマッキンゼーに在籍。早稲田大学大学院卒業後に入社し、数年間戦略コンサルタントとして勤務しました。

  • 在職中のエピソードや実績: 製造業や自動車業界のプロジェクトで頭角を現し、ハンズオンでの現場改善提案に定評がありました。論理的な戦略策定だけでなく実行支援にも力を発揮し、クライアント企業の業績向上に寄与しました。

  • 退職後のキャリア: 2000年代にベインキャピタル・ジャパンに移り、Managing Directorとして大型投資案件を主導​

  • 現在の仕事や活躍状況: ベインキャピタル日本法人の最高顧問を務め、投資判断や企業価値向上策について助言​

  • 影響力: ハンズオン型の投資ファンド運営で知られ、日本企業の事業再生やM&Aで影響力を持つフィクサーです。コンサルとPEファンド両方の経験を持つ希少な人材として、経営危機に陥った企業の再建策立案にも関与しています。

及川 直彦(おいかわ なおひこ)

  • 在職時期: 2000年代にマッキンゼーに在籍。慶應義塾大学卒業後に入社し、約5~6年勤務したとみられます。

  • 在職中のエピソードや実績: コンサルタントとして通信・メディア業界を担当し、新規事業戦略の策定に従事。鋭い分析力でデジタル広告市場の動向を捉え、クライアント企業のネットビジネス展開を支援しました。

  • 退職後のキャリア: その後、電通グループの電通コンサルティング社長に就任し、広告会社の知見と戦略コンサルの手法を融合させたサービスを展開​

  • 現在の仕事や活躍状況: スマートニュースDirector of CEO’s Officeなどを務め、同社の経営に参画​

  • 影響力: コンサル出身者が広告・メディア業界の変革を担った好例として注目されています。従来型メディア企業に戦略思考を導入し、デジタルシフトを加速させた立役者の一人です。

起業家として活躍する出身者

南場 智子(なんば ともこ)

  • 在職時期: 1986年に津田塾大学卒業後すぐマッキンゼー入社。2年間勤務後一度退職しMBA留学、帰国後再入社して1990年代後半まで在籍​

  • 在職中のエピソードや実績: コンサルタントとしてIT・通信領域のプロジェクトを多数担当。マッキンゼー在職中に培ったネットビジネスの洞察をもとに起業を決意します。女性初のパートナーの一人として社内外の注目を集めました​

  • 退職後のキャリア: 1999年にモバイル向けポータル事業であるDeNAを創業し、代表取締役社長に就任​

  • 現在の仕事や活躍状況: DeNA取締役会長として経営に関与しつつ、2015年よりプロ野球・横浜DeNAベイスターズのオーナーも務めています​

  • 影響力: 日本を代表する女性起業家として経済界に影響を与えています。IT業界の発展とプロ野球球団経営の両面で手腕を発揮し、政府委員も歴任するなど幅広い分野で存在感を示します。

高島 宏平(たかしま こうへい)

  • 在職時期: 1998年に東京大学大学院修了後マッキンゼー入社。2000年頃まで在籍し、Eコマースグループの中核メンバーとして活躍​

  • 在職中のエピソードや実績: 在職中、日本へのインターネット通販(Eコマース)普及に大きく貢献しました​

  • 退職後のキャリア: 2000年に有志と共にオイシックス(現オイシックス・ラ・大地)を創業し代表取締役社長に就任​

  • 現在の仕事や活躍状況: 引き続きオイシックス・ラ・大地社長として事業拡大に注力​

  • 影響力: ネットスーパー黎明期からパイオニアとして業界をリードし、食の流通革命を牽引しました。政府委員や書籍を通じてフードテックや地方創生にも影響を与えるなど、起業家兼オピニオンリーダーとして存在感があります。

田中 裕輔(たなか ゆうすけ)

  • 在職時期: 2000年代後半にマッキンゼー入社。在職約3年を経て独立(正確な年次は非公表ですが、一橋大学卒業後、米UCバークレーでMBA取得し2008年前後に入社したと推測)​

  • 在職中のエピソードや実績: 流通・小売チームに所属し、アパレル業界のEC戦略プロジェクトなどに参画。ネット通販市場の成長性に確信を持ち、自ら事業を興す準備を進めました。また在職中から靴販売の課題に着目し、独自ビジネスモデルを構想していたと言われます。

  • 退職後のキャリア: 2011年に靴とファッション用品のECサイトロコンドを共同創業し、代表取締役社長に就任​

  • 現在の仕事や活躍状況: ロコンドの経営を率いる一方、M&Aを通じて事業多角化を推進。近年はDXに悩む伝統企業への支援や投資も行い、スタートアップ投資家としての顔も持ちます。ビジネス系メディアで積極的に発信し、若手起業家の育成にも関与しています。

  • 影響力: 日本のEC業界に革新をもたらした起業家の一人です。消費者志向のサービスを追求する姿勢が支持され、伝統業界のDX推進にも影響を与えています。自身もテレビやSNSで発信し、新世代経営者として注目されています。

豊田 剛一郎(とよだ ごういちろう)

  • 在職時期: 2012年前後にマッキンゼー入社。東京大学医学部卒業後に医師免許を持ちながらコンサルタント職に就き、2015年頃まで在籍しました。

  • 在職中のエピソードや実績: 医療分野の専門知識を活かし、医薬品業界や医療機器メーカーのプロジェクトに従事。医師出身ならではの視点でヘルスケア業界の戦略立案に貢献しました。在籍中にデジタル医療サービスの可能性に着目し、起業の構想を温めていたとされています。

  • 退職後のキャリア: 2015年にオンライン医療事業のスタートアップメドレーを共同創業し代表取締役医師に就任​

  • 現在の仕事や活躍状況: 2021年に経営の一線から退き現在はメドレー社顧問的立場と報じられています。医療ベンチャー投資や後進起業家のメンター活動を行い、医療スタートアップのエコシステム形成に尽力。メディア出演等を通じデジタル医療の啓発にも努めています。

  • 影響力: 医師資格を持つ経営者として異色の存在で、医療業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)に先鞭をつけました。自身の発信力も高く、医療制度改革やベンチャー支援に関する提言で注目され続けています。

並木 裕太(なみき ゆうた)

  • 在職時期: 2000年にマッキンゼー入社し、約9年間在籍。30歳前後で最年少役員(プリンシパル)に昇進し2009年に退社​

  • 在職中のエピソードや実績: 若くして数々の戦略プロジェクトをリードし、特にスポーツビジネスや地域振興に関心を寄せていました。Jリーグ(サッカー)のクラブ経営改善にも助言するなど、社内随一のスポーツ通コンサルタントとして知られました。

  • 退職後のキャリア: 2009年に戦略コンサル会社フィールドマネージメントを起業し代表取締役に就任​

  • 現在の仕事や活躍状況: フィールドマネージメント社の経営に加え、日本サッカー協会理事やJリーグ理事としてスポーツビジネスに戦略的視点を導入​

  • 影響力: コンサル出身のスポーツビジネス改革者として注目されています。プロスポーツの経営高度化に寄与し、自治体や企業の枠を超えた連携を推進。著書や講演を通じてビジネスパーソンや学生にも影響を与える存在です。

加藤 勇志郎(かとう ゆうしろう)

  • 在職時期: 東京大学卒業後、20代でマッキンゼー入社。2010年代前半に数年間在籍し、その後独立​

  • 在職中のエピソードや実績: 若手ながら製造業クライアントの改革プロジェクトで成果を挙げました。特に工場の生産性向上やサプライチェーン改善に関するコンサルティングに情熱を注ぎ、自ら起業アイデアを模索します。マッキンゼーで得た知見を元に、伝統的製造業の効率化に挑む決意を固めました。

  • 退職後のキャリア: 2017年に製造業向け受発注プラットフォームを提供するスタートアップキャディ株式会社を創業、代表取締役に就任​

  • 現在の仕事や活躍状況: キャディ株式会社CEOとして急成長を牽引。国内外の工場ネットワークを拡大し、部品調達の効率化と透明化を実現中です。各種メディアで若手起業家として紹介されるほか、経産省の委員など公的活動にも参加しています。

  • 影響力: 日本の製造業改革の旗手として期待されています。伝統産業にITとデータ分析を持ち込み、新たなバリューチェーンを構築する試みは国内外から評価が高いです。若い世代の起業家コミュニティにも刺激を与える存在です。

大石 佳能子(おおいし かのこ)

  • 在職時期: 1990年代前半にマッキンゼー入社。大阪大学法学部卒業後、ハーバード大学MBAも取得しており、その知見を携えてコンサルタントとなりました​

  • 在職中のエピソードや実績: ヘルスケア・医療分野のプロジェクトを多く担当し、日本の医療制度改革や病院経営改善に関する提言を行いました。医療現場のニーズに経営の視点を取り入れる重要性を痛感し、後に自ら医療コンサル会社を立ち上げるきっかけを得ました。

  • 退職後のキャリア: 2000年に医療コンサルティング会社メディヴァを設立し、代表取締役社長に就任​

  • 現在の仕事や活躍状況: メディヴァ社長として医療・ヘルスケア領域のコンサルティングを牽引する傍ら、政府の医療政策会議メンバーや大学非常勤講師なども務めています。女性起業家のロールモデルとして講演活動も活発に行い、医療ビジネスに関する著作も発表しています。

  • 影響力: 医療分野で経営の観点を根付かせたパイオニアです。行政の審議会等を通じて医療制度改革にアイデアを提供し、現場の声を政策に反映させる役割も果たしています。女性リーダーとしての発信力も大きく、ヘルスケア産業の未来像に影響を与えています。

郡谷 康士(ぐんや やすし)

  • 在職時期: 2000年代後半にマッキンゼー東京オフィスに入社し、数年間在籍しました。東京大学法学部卒で、シカゴ大学でMBAも取得しています​

  • 在職中のエピソードや実績: 在職中はマーケティング戦略のスペシャリストとして活躍。特にテレビ業界向けの戦略案件に携わり、テレビ視聴データの分析や広告効果測定手法の研究を進めました。その経験から独自の視聴計測ビジネスの着想を得ています。

  • 退職後のキャリア: 2015年にテレビ視聴の計測・分析サービスを手掛けるTVISION INSIGHTS株式会社(現REVISIO)を共同創業し、代表取締役社長に就任​

  • 現在の仕事や活躍状況: REVISIO社長としてテレビ×データビジネスを牽引。2022年には社名変更し事業領域を動画配信など新たな視聴体験へ広げています​

  • 影響力: 伝統的なテレビ産業にデータドリブンな改革をもたらした先駆者です。広告主のマーケティング戦略を変えつつあり、メディア×テクノロジー分野のキーパーソンとして業界に影響を与えています。

岩田 林平(いわた りんぺい)

  • 在職時期: 2005年にMBA修了後マッキンゼー入社。順調に昇進し2012年パートナー就任、2016年まで在籍​

  • 在職中のエピソードや実績: 銀行出身で金融知識が豊富なことから、金融サービスやインターネット企業の戦略案件を担当。卓越した分析力でクライアントの信頼を得て、最年少クラスでパートナーに昇格しました​

  • 退職後のキャリア: 2016年に料理レシピ投稿サイト運営のクックパッド株式会社に転じ執行役に就任​

  • 現在の仕事や活躍状況: クックパッドの代表退任後は英国拠点で同社の海外事業拡大に注力​

  • 影響力: 大手インターネット企業の経営トップを務めた経験から、スタートアップ界隈でも発言力があります。特に「食とIT」の分野で新サービスを次々展開し、生活者の食体験を豊かにすることに貢献しました。その経営手腕は次世代起業家の模範ともなっています。

内海 康文(うつみ やすふみ)

  • 在職時期: 2000年代にマッキンゼー入社。大阪大学経済学部を卒業後、シカゴ大学MBAを取得しており、その後にコンサルタントとなりました​

  • 在職中のエピソードや実績: 在職中は消費財・流通業界のプロジェクトを多く手掛け、現場主義のコンサルタントとして知られました。クライアント企業の経営幹部に寄り添い、人材育成や組織改革の重要性を説いたとされます。コンサルタントとして培ったネットワークが後の独立の基盤になりました。

  • 退職後のキャリア: マッキンゼー退職後、株式会社HRCを立ち上げ代表取締役に就任​

  • 現在の仕事や活躍状況: 引き続きHRCの代表として経営コンサルティング事業を展開。近年では地方企業のDX推進プロジェクトにも参画し、中小企業のデジタル化支援に注力しています。また、自ら大学院で教壇に立ち後進にコンサルスキルを伝授するなど、人材育成にも取り組んでいます。

  • 影響力: 大企業から中小企業まで幅広い経営層と接点を持ち、実践的なコンサルティングで定評があります。独立系コンサルタントの成功例として業界内で知られ、関西経済界にも顔が広い存在です。

学術・教育分野で活躍する出身者

大前 研一(おおまえ けんいち)

  • 在職時期: 1972年マッキンゼー入社。日本支社長やアジア太平洋会長を務め、1994年退職​

  • 在職中のエピソードや実績: 原子力工学の博士号を持つ異色のコンサルタントとして、独自の分析力で数々の企業戦略を成功に導きました。1980年代には日本支社長としてマッキンゼーを牽引し、「マッキンゼーの顔」としてTV出演や著書『企業参謀』出版など通じ戦略的思考を社会に広めました​

  • 退職後のキャリア: 1990年代後半に経営コンサルから教育分野へ軸足を移し、1998年に経営教育機関**ビジネス・ブレークスルー(BBT)**を創設​

  • 現在の仕事や活躍状況: BBT大学学長として次世代リーダー育成に注力。オンライン教育の先駆者として、社会人MBAプログラムを展開しています。メディアでも経済評論家として健在で、直近の社会課題について提言を行っています。

  • 影響力: 日本に「経営戦略ブーム」を起こした立役者であり、戦略コンサルタントの草分けです。その後は教育者として影響力を持ち、「ビジネス頭」を鍛える著書は累計数百万部に達します。政財界に弟子筋の経営者も多く、日本の経営思想に多大な足跡を残しています。

勝間 和代(かつま かずよ)

  • 在職時期: 1998年にマッキンゼー入社し、約6年間在籍​

  • 在職中のエピソードや実績: それ以前に金融機関のトレーダーや証券アナリストの経験があり、異業種からの転身組コンサルタントとして活躍。マッキンゼーでは金融・製造など複数業界のプロジェクトに参画し、働きながら早稲田大学でMBAも取得するバイタリティを見せました​

  • 退職後のキャリア: 2003年に退職後は独立し、経済評論家・著述家として活動を開始。ワークライフバランスの提唱や個人投資家向けの情報発信を行いつつ、2007年以降『ビジネス頭を創る○○』シリーズなど著書がベストセラー連発​

  • 現在の仕事や活躍状況: 現在も経済評論家としてテレビや雑誌で活躍。YouTubeやオンラインサロンを運営し、ファンとの交流を図っています。中央大学大学院客員教授や企業の社外取締役(監査と分析社 取締役)も務め、実業と言論の両面で活動中です​

  • 影響力: 「勝間式○○」と銘打った自己啓発メソッドは社会現象となり、多くのビジネスパーソンに影響を与えました。女性のキャリア論や投資教育の分野でも発信力が強く、著名人としての影響力を持ちながら企業経営にも関与するユニークな存在です。

石倉 洋子(いしくら ようこ)

  • 在職時期: 1980年代にマッキンゼー日本および米国ワシントンD.C.オフィスに在籍。上智大学卒業後、ヴァージニア大学でMBA、ハーバード大学でDBA取得という経歴を持ち、コンサルタントとして活躍しました​

  • 在職中のエピソードや実績: 国際派のコンサルタントとして、自動車産業のグローバル戦略プロジェクトなどに従事。女性先駆者として社内のダイバーシティ推進にも貢献したとされます。論文博士号を持つ理論派でありながら現場視点も重視し、多面的な分析で評価を得ました。

  • 退職後のキャリア: その後、1990年代から学界に転身し、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授や早稲田大学大学院商学研究科教授を歴任。日本学術会議副会長も務めました​

  • 現在の仕事や活躍状況: デジタル庁での任務を終えた後も政府のDX推進に助言を行い、企業の社外取締役(資生堂など)としてガバナンス強化に携わっています。また国際会議でのスピーカーやメディア出演を通じ、日本のリーダー育成と女性活躍の重要性を訴えています。

  • 影響力: 学者と実務家の両方の顔を持ち、ビジネススクールでは多くの経営人材を育成しました。最近では日本のデジタル改革の象徴的存在として注目され、官民デジタル化に影響を与えています。女性リーダーのロールモデルとしての発信も社会に影響力があります。

名和 高司(なわ たかし)

  • 在職時期: 1988年にハーバードMBA取得後マッキンゼーに入社。1990年代を通じ在籍したとみられ、パートナーまで昇進しました​

  • 在職中のエピソードや実績: 規制緩和や産業政策分野のプロジェクトに深く関わり、日本企業の国際提携戦略などを数多く手掛けました。豊富な知見を著書『Strategy x Execution』シリーズにまとめ、社内外に発信するなど知的リーダーシップを発揮しました。

  • 退職後のキャリア: 2000年代に入り一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授に就任​

  • 現在の仕事や活躍状況: 一橋大学大学院経営管理研究科特任教授としてMBA教育に携わり、ESGやCSV(共有価値の創造)経営の専門家として企業研修や講演も多数実施。大企業の社外取締役も務め、サステナビリティ経営の普及に力を入れています。

  • 影響力: 戦略コンサル×経営学教授という両面から日本企業をリードする存在です。近年はESG経営の第一人者としてその必要性を説き、多くの企業が名和氏の提唱するフレームワークを参考にしています。政策立案にも知見を提供し、日本の産業競争力強化に影響を与える思想家です。

平野 正雄(ひらの まさお)

  • 在職時期: 1980年代後半から1990年代前半にかけてマッキンゼーに勤務。横浜国立大学工学部から東京大学大学院工学系研究科を経て入社し、スタンフォード大学で修士号も取得しています​

  • 在職中のエピソードや実績: 製造業を中心に国内外の戦略案件に携わり、90年代の規制緩和期には金融機関の戦略立案にも関与しました。優れた数理分析能力で複雑な問題を整理する手腕が評価され、パートナーとして多くの若手コンサルタントを指導しました。

  • 退職後のキャリア: 2000年代に入り投資ファンドのカーライル・ジャパン共同代表に転身​

  • 現在の仕事や活躍状況: 早稲田大学教授として経営戦略とファイナンスの講義を担当するとともに、自身の経験をまとめた著作を発表。複数の上場企業社外取締役としてコーポレートガバナンス強化にも携わります。近年はDX戦略を専門とする研究所の所長も務め、企業のデジタル戦略策定を支援しています。

  • 影響力: コンサル・投資・教育の3分野で成果を残す希有な存在です。投資先企業の再生成功例は業界でケーススタディとなり、現在も経営教育を通じて新世代リーダーに影響を与えています。経営書の執筆やメディア解説を通じ、大局的な日本経済論を発信する論客でもあります。

上山 信一(うえやま しんいち)

  • 在職時期: 1986年に運輸省(現国交省)を退官してマッキンゼーに入社し、2000年まで14年間在籍​

  • 在職中のエピソードや実績: 元官僚の経歴を活かし、行政改革や規制緩和に関するプロジェクトを数多く担当。「行政評価の時代」「行政経営の時代」など著書を刊行し、行政に経営の視点を取り入れるべきだと主張しました​

  • 退職後のキャリア: 2000年に退職後はジョージタウン大学客員教授を皮切りに、大阪市立大学大学院教授、慶應義塾大学教授など学術の場で教育・研究に従事​

  • 現在の仕事や活躍状況: 慶應義塾大学総合政策学部の名誉教授として政策分野の後進育成に携わりつつ、政府・自治体の委員や顧問を多数兼任​

  • 影響力: 行政と経営の橋渡し役として、日本の地方自治改革に大きな影響を与えてきました。霞が関出身者がコンサルで成功した先駆例であり、現在も行政改革の論客としてメディアに登場します。地方創生や教育政策にも幅広く関与し、その提言は各地の自治体改革に影響を及ぼしています。

瀧本 哲史(たきもと てつふみ)

  • 在職時期: 東京大学法学部卒業後の1990年代末にマッキンゼー入社。2000年代前半まで在籍しました(詳細な年次非公表ですが、20代後半で退社)。

  • 在職中のエピソードや実績: 新人時代から卓越した問題解決力で注目され、「伝説の若手」と呼ばれました。製造業から金融まで幅広いプロジェクトに参加し、頭角を現しました。マッキンゼー在職中に自身の視点をまとめたメモが社内で話題となり、後の著書『僕は君たちに武器を配りたい』の原型になったとも言われます。

  • 退職後のキャリア: 30歳前後でマッキンゼーを辞め、エンジェル投資家に転身​

  • 現在の仕事や活躍状況: (2019年逝去) 晩年まで京都大学で教育・執筆に従事し、多くの学生や起業家予備軍に影響を与えました。生前は政府の教育再生会議メンバーを務めるなど教育政策にも関与。亡くなった現在も彼の残した著作や言葉が若手ビジネスパーソンのバイブルとなっています。

  • 影響力: 故人となった今なお高い影響力を持つ思想的リーダーです。コンサル出身者がエンジェル投資家・教育者として成功した希少な例であり、「武器を配る」という挑発的メッセージは多くの若者を起業へ駆り立てました。日本のスタートアップ文化醸成に果たした役割は計り知れません。

高橋 俊介(たかはし しゅんすけ)

  • 在職時期: 1980年代半ばにマッキンゼー東京事務所に入社し、約5年間勤務​

  • 在職中のエピソードや実績: 日本国有鉄道を経てプリンストン大大学院修了後というユニークな経歴で入社。組織人事分野のコンサルティングに注力し、人材マネジメント戦略の重要性を唱えました。社内では「人の高橋」と称され、人事・組織改革プロジェクトで卓越した成果を残しています​

  • 退職後のキャリア: 1989年にマッキンゼーを退社し、人事コンサル会社ワトソンワイアット日本法人に移籍。1993年に同社代表取締役社長に就任し、外資系人事コンサルの日本展開をリード​

    1. movin.co.jp

  • 現在の仕事や活躍状況: 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授や同大学丸の内シティキャンパス上席所員として人材論・キャリア論を研究教育​

  • 影響力: 人事・組織コンサルティングの先駆者で、日本企業の人材マネジメントに大きな影響を与えてきました。著書『自分のキャリアをつくる独学力』などで個人のキャリア形成を説き、多くのビジネスパーソンの自己啓発に影響を及ぼしています。人材分野の論客としてメディア露出も多く、政策にもインパクトを持つ存在です。

メディア・文化分野で活躍する出身者

石井 てる美(いしい てるみ)

  • 在職時期: 2008年に東京大学大学院修了後、新卒でマッキンゼー入社。約1年4か月在籍し2009年夏に退職​

  • 在職中のエピソードや実績: 学生時代に培った論理思考でコンサルタントとして期待されたものの、厳しいプロジェクト環境や上司との確執から体調を崩しがちになりました​

  • 退職後のキャリア: 退職直後にワタナベコメディスクールへ入学しお笑い芸人に転身​

  • 現在の仕事や活躍状況: ワタナベエンターテインメント所属のお笑いタレントとしてバラエティ番組出演やライブ公演を行う​

  • 影響力: ビジネスエリートから異業種への華麗なる転身例として話題性抜群です。「勉強してお笑いをやる」という独自ポジションで若手女性芸人の道を切り拓きました。SNS等で発信するキャリア論も支持され、キャリアチェンジの可能性を示す存在として影響を与えています。

赤羽 雄二(あかばね ゆうじ)

  • 在職時期: 1980年代後半にマッキンゼー入社し、約15年にわたり在籍。日本および海外オフィスでシニアパートナーまで務めました。

  • 在職中のエピソードや実績: マッキンゼー・ジャパンの創成期を支えた一人で、自動車産業やハイテク業界の案件を多数手掛けました。特にトヨタ自動車のプロジェクトで成果を上げたとされ、社内では「ブレークスルーの赤羽」と称されるほど大胆な発想力で知られました。

  • 退職後のキャリア: 2003年に退社後、自らブレークスルーパートナーズを設立しマネージングディレクター就任​

  • 現在の仕事や活躍状況: 経営コンサルティングの傍らビジネス書作家・講演家として活躍。企業の社外取締役やスタートアップのメンターも務め、年間百回を超える講演で日本中を飛び回っています。近著では地方創生やSDGsにも言及し、新境地を開拓中です。

  • 影響力: その著書は若手ビジネスパーソンの必読書となり、数十万部規模のヒットを記録​

伊賀 泰代(いが やすよ)

  • 在職時期: 1990年代後半から2000年代後半にかけてマッキンゼーに在籍。カリフォルニア大学バークレー校でMBA取得後に入社し、人材採用マネージャー等も務めました​

  • 在職中のエピソードや実績: コンサルタントとしてプロジェクトに携わる一方で、マッキンゼー日本支社のリクルーティング責任者として**「人材の目利き」**を担いました。その経験から「採用基準」をテーマにした著書を執筆するに至ります。在職中に女性社員のキャリア支援制度設計にも寄与しました。

  • 退職後のキャリア: マッキンゼー退職後は経営・キャリアコンサルタントとして独立し、2012年に著書『採用基準』を出版​

  • 現在の仕事や活躍状況: 複数企業の社外取締役や人事顧問としてタレントマネジメントに携わりながら、オンラインでのキャリア相談サービスも展開。近年はCookpad社の社外取締役も務め、女性役員として企業価値向上に貢献しています​

  • 影響力: マッキンゼー在職時に磨いた人材洞察を武器に、**「人材こそ戦略」**とのメッセージを広めました。就職活動生から経営者まで幅広い層に影響を与えたキャリア論は多くの企業の採用・育成方針にも影響を及ぼしています。女性管理職育成の分野でも積極的に発信しており、その言葉に刺激を受けたビジネスパーソンは数知れません。

波頭 亮(はとう りょう)

  • 在職時期: 1983年東京大学経済学部卒業後マッキンゼー入社。1980年代を通じて在籍し、1990年前後に退職しました。

  • 在職中のエピソードや実績: バブル経済期の日本企業の国際戦略策定に携わり、若手ながら斬新な提言を行うコンサルタントとして頭角を現しました。特にメーカーの海外進出案件で成果を上げ、社内でも将来を嘱望されました。退職間際には起業志向を強め、同僚数名と独立計画を練っていたと言われます。

  • 退職後のキャリア: 1990年に戦略コンサル会社**Xeed(ジード)**を共同創業し代表に就任​

  • 現在の仕事や活躍状況: 現在もXeed社長としてコンサルティング活動を継続しつつ、近年は教育事業や地方創生プロジェクトにも参画。新聞・雑誌への寄稿やオンラインサロンを通じて、自らの経営哲学や日本経済への提言を積極的に発信しています。

  • 影響力: コンサル出身の論客として、その歯に衣着せぬ発言が経営者層に刺さり支持されています。経営のみならず政治・教育にまで踏み込んだ広範な提言は、多くのフォロワーを生み出しました。高度成長期以降の日本を批評するその論考は、ビジネスパーソンの問題意識に火をつける存在となっています。

渡辺 千賀(わたなべ ちか)

  • 在職時期: 1990年代にマッキンゼー東京オフィスに入社し、数年間勤務しました。東京大学工学部卒業後スタンフォード大学でMBAを取得しており、その後の入社と考えられます​

  • 在職中のエピソードや実績: IT業界黎明期にシリコンバレーへの関心を高め、社内で「インターネットは日本を変える」と熱弁した逸話があります。コンサルタント業務の傍ら米国企業の動向を追い続け、デジタル分野の知見を日本企業への提案に活かしました。

  • 退職後のキャリア: 渡米してベンチャー企業に転職し、現地でのビジネス経験を積んだ後、シリコンバレーでBlueshift Global Partnersを創業しCEOに就任​

  • 現在の仕事や活躍状況: シリコンバレー在住の経営コンサルタント・ブロガーとして活躍中。日本企業向けにイノベーション支援を行うかたわら、日経新聞などに寄稿しテック業界の動向を解説しています。スタンフォード大学の非常勤講師として日本企業のイノベーション研究にも関与しています。

  • 影響力: シリコンバレーと日本を繋ぐ “橋渡し”的存在として、日本のビジネスパーソンに大きな影響を与えてきました。ブログから得られる生の情報は多くのフォロワーを持ち、企業のイノベーション担当者や起業志望者に刺激を与えています。日本企業のDX推進にも彼女の発信が一役買っていると言えるでしょう。

安宅 和人(あたか かずと)

  • 在職時期: 1997年にイェール大学でPh.D.取得後マッキンゼーに入社し、2000年代中盤まで在籍。ハーバードMBAも取得しています​

  • 在職中のエピソードや実績: マッキンゼー社内の経済研究機関**マッキンゼー・グローバル・インスティテュート(MGI)**にも所属し、各国の経済政策分析に従事​

  • 退職後のキャリア: 2008年にヤフー株式会社に転身しCSO(チーフストラテジーオフィサー)に就任​

  • 現在の仕事や活躍状況: ヤフーCSO、慶應SFC教授を兼任しつつ、データサイエンティスト協会理事として人材育成やスキル定義に尽力​

  • 影響力: コンサル出身のデータサイエンス分野リーダーとして唯一無二の存在です。ビジネスパーソンの間で彼の思考法はバイブル化し​

政界出身者

茂木 敏充(もてぎ としみつ)

  • 在職時期: 1990年代前半に在籍。ハーバード大学で公共政策修士取得後の1992年前後にマッキンゼー入社​

  • 在職中のエピソードや実績: 民間企業(丸紅読売新聞社)での経験と留学を経てコンサルタントとなり、産業政策や企業戦略のプロジェクトに携わったとみられます​

  • 退職後のキャリア: 1993年に政界転身し衆議院議員に初当選。その後、経済産業大臣や外務大臣、自民党政調会長など要職を歴任​

  • 現在の仕事や活躍状況: 自由民主党幹事長として党運営を担い、日本の外交・経済政策の舵取り役を務めています​

  • 影響力: 与党幹事長として政権中枢に位置し、日本の政策決定に大きな影響力を持つ政治家です。民間経験に根ざした政策立案力にも定評があります。

江端 貴子(えばた たかこ)

  • 在職時期: 1992年にMITでMBA取得後マッキンゼーに入社し、1990年代後半まで在籍​

  • 在職中のエピソードや実績: コンサルタントとしてIT・通信・ヘルスケア業界を担当し、事業戦略やM&A支援に従事しました​

  • 退職後のキャリア: 1998年に米アムジェン日本法人に転じCFOなど経営に携わった後、東京大学特任准教授などを歴任​

  • 現在の仕事や活躍状況: 現在は政治家を退き、企業経営アドバイザーとして活動。アステラス製薬の社外取締役なども務めています​

  • 影響力: 数少ない女性コンサル出身の国会議員として、経営目線から政策提言を行いました。産業・医療分野の知見を政策や企業統治に活かし、女性リーダーのロールモデルともなっています。

安井 美沙子(やすい みさこ)

  • 在職時期: 1990年代前半に新卒でマッキンゼーに入社し、数年間勤務​

  • 在職中のエピソードや実績: ビジネスアナリストとして企業の経営戦略立案に携わりました​

  • 退職後のキャリア: マッキンゼー退職後の1996年に独立し経営コンサルタントとして活動開始​

  • 現在の仕事や活躍状況: 現在は民間に戻り、スタートアップ企業の顧問や政策シンクタンクの研究員などとして地域医療や女性活躍推進に取り組んでいます​

  • 影響力: コンサル出身の知見を地方行政改革や農業政策に応用し、政治家時代には食の流通改善に関する著書も出版​

武内 和久(たけうち かずひさ)

在職中のエピソードや実績: 官民連携や行政改革に関心を寄せ、コンサル在職中から自治体向けプロジェクトに携わった可能性があります。特に地方行政の経営改善にコンサルタントの立場から助言した経験があると言われます。

  • 退職後のキャリア: コンサル退職後は政策シンクタンク研究員や大阪府特別参与などとして行政の現場に関与しました。その後地元・北九州市で政治活動を行い、2023年に北九州市長に当選​

  • 現在の仕事や活躍状況: 北九州市長(第13代)として市政を担い、経営コンサルタント出身らしく行政にPDCAや戦略思考を導入する取り組みを進めています​

  • 影響力: 大都市の市長として地域経営に手腕を発揮しており、民間的手法で財政健全化や産業振興に挑む姿勢が注目されています。官民の橋渡し役として地方創生に寄与することが期待されています。

社会・公共分野で活躍する出身者

小暮 真久(こぐれ まさひさ)

  • 在職時期: 2000年代前半にマッキンゼー入社。早稲田大学理工学部出身で、在籍数年間にわたりコンサルタントとして勤務しました​

  • 在職中のエピソードや実績: 在職中に国連WFPの活動を知り、飢餓問題への関心を深めました。コンサルタント業務では主に食品・消費財業界を担当し、そこで得た知識とネットワークが後の社会起業につながります。またCSR(企業の社会的責任)をテーマにした社内研究会を主宰し、社会課題への企業の関わりを模索する姿勢を示しました。

  • 退職後のキャリア: 2007年にNPO法人TABLE FOR TWO Internationalを創設し代表理事に就任​

  • 現在の仕事や活躍状況: 引き続きTFTの代表として国内外で講演・啓発活動を継続​

  • 影響力: 社会起業家のロールモデルとして広く知られています。食を通じた社会貢献のムーブメントを創出し、延べ数百万人の食事に影響を与えました。マッキンゼー仕込みのロジックと行動力で社会課題に取り組む姿は多くの若者を刺激し、「社会を良くするビジネス」の可能性を示しています。

藤沢 烈(ふじさわ れつ)

  • 在職時期: 2001年一橋大学卒業後マッキンゼー入社。2003年まで在籍し、約2年間勤務​

  • 在職中のエピソードや実績: 新人コンサルタントながら社会課題への強い関心を持ち、在職中に人身売買対策NPO「かものはしプロジェクト」の立上げをボランティアで支援しました​

  • 退職後のキャリア: 2003年にマッキンゼーを退職し経営コンサルタントとして独立​

  • 現在の仕事や活躍状況: 一般社団法人RCF代表理事として、被災地支援のみならず地域課題全般のプロジェクトを展開中。近年は福島・相双地域の産業復興やコロナ禍における医療支援基金の創設など、新たな社会課題にも取り組んでいます。Jリーグ理事も務め、スポーツを通じた地域活性にも寄与しています​

  • 影響力: 「Mr.復興」と称されるように震災復興分野で極めて大きな影響力を持ちます。行政・企業・NPOを束ねる調整力で数々の支援策を実現し、官民連携のモデルを築きました。寄付文化の醸成や若者の社会参画促進にも努め、その言葉と実践は社会起業家志望の若い世代に強いインパクトを与えています。

ハリス鈴木 絵美(はりす すずき えみ)

  • 在職時期: 2000年代後半にマッキンゼーに入社し、数年間勤務。イェール大学卒の経歴を持ち、コンサルタントとして活躍しました​

  • 在職中のエピソードや実績: 在職中から社会課題に高い関心を持ち、社内のボランティア活動をリードしました。特に若者の政治参加に問題意識を持ち、世界的請願プラットフォーム「Change.org」の日本展開を構想。この情熱が高じ、コンサルティング業務の傍ら準備を進めました。

  • 退職後のキャリア: 2012年にマッキンゼーを退職し、日本におけるChange.orgの立ち上げに尽力。2017年に同社日本代表に正式就任し、本格的に社会運動の世界へ飛び込みました​

  • 現在の仕事や活躍状況: Change.org日本版のエグゼクティブ・ディレクター(日本代表)としてプラットフォーム運営を統括​

  • 影響力: ソーシャルセクターに飛び込んだコンサル出身者として、テクノロジーを活用した社会変革を体現しています。Change.orgは日本における社会運動の形を変え、市民が声を上げるハードルを下げました。その功績により「世界を変える若き女性リーダー50人」にも選出され​

以上、各界で活躍する50名の元マッキンゼー所属者について、在職時の様子から現在の影響力まで概観しました。マッキンゼーで培った戦略思考や問題解決力を武器に、それぞれのフィールドで社会に大きなインパクトを与え続けていることが分かります。

まとめ~マッキンゼー出身者から学べること

マッキンゼー出身者が活躍する領域は政治・行政・企業経営・金融投資・スタートアップ・社会起業・教育・メディア・文化と非常に多彩です。

共通しているのは、「複雑な問題を的確に分析し、革新的な解決策を提示する」コンサルタントの基礎スキルと、在籍中に鍛えられる「高い当事者意識」「リーダーシップ」「グローバルな視野」といった資質が、その後のキャリアでも強力な武器になっている点でしょう。

マッキンゼーへの転職を考える皆さんにとって、ここで紹介した事例は“卒業後の姿”をイメージする際の参考にもなるはずです。

厳しい環境で得たスキル・人脈・視点をどのように生かし、社会を変えていくのか。その可能性は無限大と言えます。

激務や高い成果要求がある一方で、これほど多方面に「卒業生」の足跡があるファームは他に類を見ません。

もしマッキンゼーでのキャリアを歩むなら、今回紹介した先達たちが切り拓いてきた道を、自分なりに進化させることもできるでしょう。

世界の課題に挑戦し、自らの可能性を広げたい方にとって、マッキンゼーでの日々は大きな一歩となるかもしれません。

マッキンゼーへの転職を目指す皆さんは、ぜひこれらのOB/OGのエピソードを励みに、チャレンジを続けてください。


【番外編】グローバルでのマッキンゼー出身者

ルー・ガースナー(Lou Gerstner)

  • 在職時期: 1965年ハーバードMBA卒業後にマッキンゼー入社。1970年には当時史上最年少クラスのパートナーに昇進し、1978年まで在籍​

  • 在職中のエピソード・実績: 若手コンサルタント時代に倒産寸前だったペン・セントラル鉄道の再建プロジェクトを任され、抜本的改革で再建に成功​

  • 退職後のキャリア: 1978年にマッキンゼーを離れ、American Express社の幹部を経て、1989年からRJRナビスコCEOに就任。1993年には当時経営危機に陥っていたIBMの会長兼CEOに招かれ、大規模リストラと事業転換により「迷走する巨人IBM」を劇的に立て直した​

  • 現在の仕事や活躍状況: 既に第一線を退いているが、近年もベンチャーファンドの顧問や教育団体の支援などに携わる。自身の名を冠した奨学基金を設立するなど社会貢献にも積極的であり、経営論に関する著作やインタビューを通じて次世代への知見共有も行っている。

  • 影響力: IBM再建の立役者として、“伝説の経営者”と称される​

サンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)

  • 在職時期: 2004年にGoogle入社直前、スタンフォード大学MBA修了後の短期間(2000年代前半)にマッキンゼーで勤務​

  • 在職中のエピソード・実績: 材料工学のバックグラウンドを持つ異色のコンサルタントとして、製造業やハイテク企業の戦略プロジェクトに携わった​

  • 退職後のキャリア: 2004年にGoogleにプロダクトマネージャーとして入社し、ウェブブラウザ「Chrome」やクラウドサービス「Google Drive」など数々の主力製品の開発を指揮​

  • 現在の仕事や活躍状況: AlphabetおよびGoogleのCEOとして世界のIT業界をリードする立場にある​

  • 影響力: 世界有数のテック企業を率いる経営者として、その意思決定は世界中のユーザーや産業に影響を及ぼす。クラウドやAIの推進役としてテクノロジーの未来を方向付ける存在であり、名実ともに現代で最も影響力のある経営者の一人である。

シェリル・サンドバーグ(Sheryl Sandberg)

  • 在職時期: 1995年にハーバードMBA取得後、約1年間マッキンゼーでアソシエイトとして勤務​

  • 在職中のエピソード・実績: 新人コンサルタントとして小売やメディア企業の戦略プロジェクトに従事。当時は短期間の在籍だったが、分析力とプレゼン力で頭角を現し、元財務長官ローレンス・サマーズの目に留まる。

  • 退職後のキャリア: マッキンゼー退職後はサマーズ財務長官の参謀役(首席補佐官)を務め政策立案に関与​

  • 現在の仕事や活躍状況: 2022年にMeta(Facebook) COOを退任したが、同社取締役には2023年まで留任​

  • 影響力: 「働く女性の旗手」として、企業のダイバーシティ推進に大きな影響を与えた人物である。タイム誌「世界で最も影響力のある100人」に選出されるなど​

ジェーン・フレイザー(Jane Fraser)

  • 在職時期: 1994年にハーバードMBA取得後マッキンゼー入社。ニューヨークとロンドンで10年間勤務し、パートナーに昇進して2004年に退職​

  • 在職中のエピソード・実績: 金融サービスとグローバル戦略分野を専門とし、大手銀行の国際展開戦略やリスク管理プロジェクトを多数主導​

  • 退職後のキャリア: 2004年にシティグループ入社後、地域CEOや事業部門トップなど要職を歴任し頭角を現す。2019年シティグループ社長兼コンシューマーバンクCEOに就任し​

  • 現在の仕事や活躍状況: シティグループCEOとして経営再建に取り組み、収益性向上や事業ポートフォリオ見直しを断行中。業界で数少ない女性トップとしてダイバーシティ推進の旗振り役も担う。2023年には米ウォールストリート・ジャーナルから「改革に時計の針が迫る」と評されるなど

  • 影響力: 女性エグゼクティブのガラスの天井を破った存在として、金融業界のみならず全ビジネス界に影響を与えている。彼女のリーダーシップは次世代の女性リーダーのロールモデルとなっており、金融政策や経済動向に対する発言力も高い。

ジェームズ・ゴーマン(James Gorman)

  • 在職時期: 1987年にコロンビアMBA修了後マッキンゼー入社。金融サービス部門で頭角を現しシニアパートナーにまで昇進、12年間勤務したのち1999年に退職​

  • 在職中のエピソード・実績: オーストラリア出身で法律家資格も持つ異色の経歴。マッキンゼーではメリルリンチを主要クライアントとして10年にわたり担当し、同社のオンライン戦略立案を支援するなど成果を上げた​

  • 退職後のキャリア: 1999年にメリルリンチに転じ最高マーケティング責任者に就任​

  • 現在の仕事や活躍状況: 2023年にモルガン・スタンレーCEOを退任し会長エメリタス(名誉会長)となった​

  • 影響力: ウォール街を代表する経営者の一人であり、その戦略眼はグローバル金融業界に強い影響を及ぼした。リーマン危機後の金融再編を先導し、伝統的投資銀行を富裕層向け資産運用中心のビジネスモデルへ転換させた手腕は高く評価されている​

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