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こんにちは、アルモ形成クリニック 植毛医の内田直宏です。

移植床作成は植毛手術において採取作業と同等に最も大切な作業の1つです。

では、そもそも移植床とはなんなのか。

みなさんは、どこかで「ドナー」と「レシピエント」という言葉を1度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

そもそも、これらの言葉は、主に臓器移植など臓器提供とのときによく使われる言葉ですが、形成外科領域や植毛手術においてもよく頻用されます。

ドナーdonor:提供する側
レシピエントrecipient:受けて側

という意味合いなので、

植毛手術においては、通例的にドナーは採取部位(後頭部および側頭部
または髭や体毛など)、レシピエントは移植部位(生え際、
頭頂部、眉、髭など)を示します。
このレシピエントのことを正式には移植床(穴)と呼びます。国際毛髪外科学会でもよく頻用しております。

この移植床作成は穴あけと似ているようで全く似ていないのです。
穴あけは単なる穴あけの意味しかないのですが、移植床は
適切な穴あけに加えて、採取したグラフトが生着をするための創部を作成
するという意味が加わっている点が大きく異なります。これを考慮しないと、穴を開けてグラフトを入れても穴の質が悪いため生着しないといった事態になりかねません。実際に不運ながらそのような患者様を診察することがあります。

では、この移植床はどのような器具で作成するのがよいのでしょうか?
移植床作成方法には古来よりたくさんの先人等により色々な方法が試されてきました。

ホールスリットでも簡易的なゲージ針を
用いる方法、回転するシャープパンチブレード、振り子用運動を示すダルパパンチブレード、(ライン)スリットを用いた作成方法を始め、

移植と同時に行う方法として
S & P 、choi method など

いろいろな国で方法も違いますし、我が日本国においても様々に異なります。

アジア圏でも中国や韓国では、看護師をおかず、医師1人で移植床作成と同時にインプラントを行う医院もあります。

結果を良くするための移植床を作成するために重要なポイントは多数あるのですが、
必須事項としては、

①出血や血腫、漿液種を予防する(術後の赤みとは異なります)
②グラフトを適切におさめるための適切な深さ
のホールやスリットを作成すること
③グラフトを適切におさめるための適切な角度
のホールやスリットを作成すること
④結果を良くするためのなるべく薄くない密度で
ホールやスリットを作成すること(ポイントは薄くないということ、年齢や患者様ご本人の希望に合わせて行います)
⑤感染を予防すること
⑥創部内に皮膚や他組織が残存しないようにすること
⑦グラフトを強く把持しないこと
⑧脂肪組織・ゴミや繊維を除く

ことが挙げられますが、この時点でかなり医師・看護師の実力にも依存し、形成外科での手術経験、その他植毛手術の経験値にも大いに依存します。

特に重要なのは②、③、④ですが、AGAが相当進行したり、年齢が50〜60代以降でない限り、密度はできる限り高い方が無難と考えます。

私は、基本的に若年層の生え際および奥の既存毛間では考えを変えており、
既存毛間では軟毛化が始まっている箇所では、軟毛化した毛根の置き換え+既存毛間の移植により、生え際の高密度移植をしても一回でかなり満足度の高い仕上がりを実現することが可能です。


生え際 移植部
(超)拡大画像


正真正銘、50cm/2〜を実現する高密度植毛です。
もちろん生着には問題ございません。
しかも、ランダムに入っていることがお分かりではないでしょうか。このランダムさをいかに出すかがポイントでです。(均一すぎると機械的な印象で違和感が生じますので注意です)

症例写真を見るときはもちろん術前、術後半年後、術後1年後の写真は大切ではありますが、特に術直後が分かりやすく目安となると考えています。

クリニックにいよっては、術後の症例写真をわざとぼかしたり、写り良く見えるようにしている場合があるので、要注意です!
皆様も症例を見るときに拡大したり、移植した株と株の隙間や間隔を入念にチェックしてみられてはいかがでしょうか。

微小外科経験が必須と考えますが、それらに加えてdense packing を行うには様々なコツが存在しますので、気になる方は是非カウンセリングやなおるん毛髪研究室(質問箱)で是非、お尋ねください。

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