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抜け毛を自分で把握する
こんにちは、植毛医の内田直宏です。
本日は薬剤性の脱毛症についてお話しします。
Tosti A, Pazzaglia M. Drug reactions affecting hair: diagnosis. Dermatol Clin. 2007;25(2):223-231, vii.
を読みました。
ACE阻害剤(降圧薬:血圧低下)
抗凝固剤
抗けいれん薬
抗うつ剤
抗真菌剤
抗癌剤
抗精神病薬
甲状腺薬
β-ブロッカー
抗コレステロール剤
免疫抑制剤
インターフェロン
レボドパ
ロラタジン
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)
経口避妊薬(低容量ピル)
プロピルチオウラシル
レチノイド
スピロノラクトン
ミノキシジル外用剤
眼科用β遮断薬外用剤
ビタミンA(1日5,000IU以上)
(一部抜粋)
これら薬剤は全て脱毛を引き起こす可能性があると記載があります。
こう見ると薬ならほとんど該当しそうですが、日頃漫然と内服している薬が脱毛の引き金になっている可能性がゼロではないということです。
薬剤性脱毛は、まさか薬で脱毛なんておこなさないであろうという思いから気づかれにくいのですが、抜け毛が多くなってきたり、脱毛範囲が広がってきた場合には考慮する必要があります。
薬剤性脱毛は頭皮の炎症を起こさず、キズ跡を残さないことが特徴です。
AGA以外では、慢性びまん性脱毛症、薬剤性脱毛、甲状腺ホルモン低下などにより抜け毛が増えることが特徴ですが、これらを調べるための検査として
「毛髪の引き抜きテスト」というものがあり、現在の毛髪の抜け具合を評価するのに役立ちます。
約60本の毛髪を掴んで、5~6本以上の毛髪を引っ張ることができれば、毛髪牽引テストが陽性であることを意味します。
ご自身で簡単に試すことが可能です。
(※強く引っ張るのに注意)
親指と人差し指・中指で毛をある程度の束でつまんで、5本以上の抜け毛がある場合には注意が必要です。
(Mubki T, Rudnicka L, Olszewska M, Shapiro J. Evaluation and diagnosis of the hair loss patient: Part I. History and clinical examination. J Am Acad Dermatol. 2014;71(3):415. e411-415. e415.)
抜け毛の原因が、内分泌的なのか、瘢痕性脱毛症、薬剤性脱毛なのかなど、正しく診断し、それに対しての治療を行う必要があります。
男性の薄毛の原因はたしかにAGAが原因のことが多いのですが、それ以外であることも往々にしてあるからです。
AGAでは、毛髪引き抜きテストが陰性となる場合が多いです。
また、ヘアタグテスト(hair tag test)というのもあります。
これは、毛髪繊維の脆弱性を図るのに役立つ臨床検査です。
片方の指で毛髪を掴んだまま、もう一方の手でその掴んだ毛髪の端っこを持ち、揺らしてひっぱり引き離す。この時に、繊維が細かく千切れていることが観察できれば、陽性となります。
陽性の場合、キューティクルの損傷が疑われ、毛髪自体の太さやボリューム低下と診断できます。
女性で髪がぱさついて調子が悪いといった人はこのテストが陽性になることが多いです。
髪1本1本に対する食事や内分泌的アプローチと、保湿が大切となります。
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血液検査は、潜在的な薄毛の誘因を明らかにするのに役立つことが多いです。
全体的な慢性びまん性脱毛を引き起こす方の一部では、鉄、亜鉛、ビタミンDの欠乏が見られることも多く、正常値に持っていくことが重要となります。
本日は以上となります。またお会いしましょう。
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