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吉野天人と帰れない問題

先日は朝4時に起きたら風邪をひいたので、しばらく大人しくしていた。
町は半分ロックダウンしており、どのみちそんなに外出はできないのだけれど、家にいても元気なほうがいい。

先週から『吉野天人』の舞台の映像を見ている。
後半になって面をかけた女性が6人出てきたが、初めて見たときは腰を抜かすかと思った。あれは天人さんだろうか。面を見るのは少しずつ慣れてきたとはいえ、予告なしに6人というのは反則である。夢に出てくるかと思った。

しかし、なんと華やかなことだろう。あんなに大勢で同じ動きをするなんて、どうやって呼吸をあわせているのだろうか。

そんなことを思いながら、今日も『熊野』のおさらいをする。
困ったことに全然わからない。
確か扇かざしをしてから地謡前、大小前、常座などと先生はおっしゃっていたのだが、まずはその扇かざしができない。これが一つ目の問題である。次のお稽古では怒られるしかない。
もう一つの問題は、自分の部屋の中ではどこが常座なのかわからなくなってしまうことだ。この間は最後までできた! と思ったら目の前に本棚があった。スタートしたところで終わると言われたが、本棚の前でスタートしたことは一度もない。

そんなわけで、紙に「常座」、「地謡前」、「大小前」、「正中」と書いて床に置いてみた。それでもまだ怪しい気がする。

方向音痴は部屋の中でも迷う、ということがわかった。




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