【要約筆記者養成講座】オリエンテーション

先日要約筆記者養成講座のオリエンテーションに参加しました。私が通う講座は週1回2時間の講座が30回開講されるという日程になっており、オリエンテーションはその回数とは別枠で設定されています。講座は手書きとパソコンとコースが分かれ、開催曜日も異なっていますが一部は合同の授業もあり、このオリエンテーションも合同でした。受講生はパソコンの方が多いのかなと想像していましたが実際は手書きの方が多く、手書き6:パソコン4といった割合でした。そしてほぼ全員受講生は女性でした。

オリエンテーションではまず職員の方からおおまかな講座の流れについての説明があり、続いて講師の方2名(途中失聴者のA先生と手書き要約筆記者のB先生)のお話がありました。A先生への情報保障としてパソコン要約筆記者の方が二人来られ、A先生のお話の時以外はスクリーンに要約筆記が表示されていました。ネットで要約筆記について調べたときにやっている様子の写真を見たことはありましたし、認定試験の過去問を見て話し言葉をどう要約するかのイメージは何となくありましたが、実際に要約筆記を見るのは初めてでこういう風に話し言葉を丸めるんだと新鮮でした。

途中失聴者であるA先生のお話で印象深かったのは、「手話ができる先天的な聴覚障害者はそういう人たち同士でいくらでも会話ができるし、集まって話をすることができる。しかし、途中失聴者にとって手話の取得は難しく、筆談ということになるが集まって話すということになると難しい面がある」というお話でした。確かに数人で筆談で話をしようとしたらホワイトボードがあるようなところでないと難しいかもしれないと思いました。また、A先生のお話の中で、「養成講座修了者でも認定試験に合格できるのは2割程度と非常に限られている。しかし認定試験に合格できなくても、自分自身もいずれ年をとれば聞こえにくくなるし、家族や周りの人が聞こえにくくなるかもしれないし、学んだことは絶対役に立つ」とおっしゃられていたことは、要約筆記ができるようになっても使う機会はないかもしれないと考えていた私には新しい気付きでした。

手書き要約筆記者のB先生はゆっくり、はっきりした話し方で、聞き取ることを専門にすると相手が聞き取りやすい話し方をするようになるのかなと思いながらお聞きしていました。強調されていたのは2点で、1点目は講座には難聴者の視点、要約筆記者の視点が入っているのでそれを学んで欲しいこと。2点目は認定試験対策は講座が終了してからでは間に合わないので1回、1回の講義を大切にして欲しいこと。細かいことですが、認定試験の受験料も公費負担(県負担になるのかな?昨年度は手書きが6000円、パソコンが6500円だったようです)であり、講座の受講料が無料であることも併せて公費が要約筆記者養成に投入されているというお話をされていたことにそうなんだと思いました。試験一つ受けるのもお金がかかりますよね。でも合格率2割なので、不合格で翌年もう一度受ける時は自分で払うのか??

次回にテキスト(4000円)の販売があるのでその申込用紙を提出してオリエンテーションは終了しました。驚いたのはそう多くはない受講生の中に手話関係の知り合いがいたことで、コースは違いますが心強く思いました。また、会場に行く際に近くのコンビニの前で手話で会話している2人がいて日常生活の中でこういう光景を見るのは初めてかもしれないと感慨深かったです。

次回は開講式と聴覚障害の基礎の講義の予定です。



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