リーデルグラスセミナーでグラスによるワインの味わいの変化を体感
同じワインでも使用するグラスによって、味わいが全く変わる!?そんな体験をして来ました。
今回はベーシッククラスで、すっきりとした白、コクのある白、軽やかな赤、しっかりとした赤の4種類を体験します。
まずは、すっきりとした白を甲州グラスへ。香りはレモンなどの柑橘系。爽やかな印象です。こちらをジョーカーといわれる左のラッパ型のグラスに移して香りをとると、あれ?全然香りがしない。。。また甲州グラスへワインを戻し、もう一度鼻を近づけると、しっかり柑橘系の香りが戻ってきます。味わいは、しっかりとした爽やかな酸、ミネラル感、果実感も感じます。
夏のテラスでアペリティフにいただきたいなんて声も。このワインを再びジョーカーにうつすと、
ぼやけた味に。。。
甲州グラスは卵型で飲む際に首を上げる必要があるので、舌の上をワインが直線的に流れることで、酸味、果実味をしっかり感じられるそうです。一方ラッパ型のジョーカーは飲み口が広がっていて、首を傾けずに飲めるので、ワインが舌の上に広がってしまうことで、酸などが感じにくくなるそうです。
次はコクのある白です。すでにOaked Chardonnayというグラスにつがれています。香りは強く、しっかりと感じられます。バニラ、熟した洋ナシや白桃のような香りです。味わいはまろやかで、クリーミー。このワインを先ほどの甲州グラスにいれてみると。。。
あれ?バニラ香が消えてしまいました。味わいも酸が強くなります。
しっかりとしたコクのあるワインは、Oaked Chardonnayのように飲み口がしっかりひらいたグラスで、充分に空気にふれさせないと、華やか香りがしません。甲州グラスだと直線的にワインが舌にながれるので、味わいの広がりも感じられません。
ここまでで、明らかに味わいが変わる白ワインを体感しました。参加者の皆さんも、ベストグラスにすぐに戻して、ワインを楽しんでいます。
赤に移ります。まずはOld World * Pinot Noirグラスに注がれた軽めの赤ワインの香りを嗅いでみます。赤いベリー系の果実にスミレ、バラのようなお花の香り、複雑な香りです。味わいも果実、酸、軽やかなタンニンがまとまった印象です。これを先ほどのOaked Chardonnayに移してみます。実はOaked ChardonnayグラスはOld World Pinot Noirグラスの飲み口を切り取って、広くしただけで、大きさは全く同じなのだそうです。
*Old Worldとはワインを昔からつくっている伝統国。フランス、イタリア、スペインなど。それに対しNew Worldとは、比較的新しい産地、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、チリなど。New Worldのワインは恵まれた天候から果実味豊かといわれる。
ところが、
Oaked Chardonnayグラスに入れると香りがぼやけて、飛んでしまいます。味わいも平べったく、酸が感じられません。ただ単においしくない。。。全く同じワインとは、とても思えません。
最後はCabernet/Merlotグラスです。すでに注がれているしっかりした赤ワインはバニラ、熟したプラムなどの黒系の果実の香りがします。しっかりとしたタンニンがあり、少し重めのワインです。こちらをジョーカーグラスに入れてみると。。。
味が薄くなった?なんだか、居酒屋とかででてくる、何のワインだかわからない赤ワインみたいになってしまいました。
なんだか、ベストグラスで飲んであげないとワインが可哀そうに思えてきました。どんなにいいワインでも、入れるグラス、器があっていないと台無しなってしまうのですね。。。
やっぱりグラスって大事!と再認識したのでした。
このあとグラスの扱い方法を教えていただき、割らない一番のコツは
「酔ったらグラスを洗わないこと」
とのことで、こちらも再認識しました。
シャンパーニュや日本酒などの飲み比べコースもあるようなので、また体験してみたいです。
<ベストマッチおさらい>
すっきりした白(玉諸甲州 きいろ香 2017 Chateau Mercian)=甲州グラス
コクのある白(Lapostolle Cuvee Alexandre 2016)=Oaked Chardonnayグラス
軽めの赤(Bourgone 2017 Bouchard Pere & Fils)= Old World Pino Noir グラス
しっかりした赤(Cabernet Sauvignon Columbia Vallery 2015 Drumhellar)= Cabernet/Merlotグラス
真剣にテイスティング中のみなさん。
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