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90年代ロックを象徴するもの

レコード・コレクターズが発刊40周年を記念してディケイド毎の代表されるロックアルバムのランキングを出していて面白いです。60年代とか70年代はもう食傷気味なので、とりあえず90年代を買ってみました。うーん、実に興味深いです。

1990年代はロックにとっては幸せな時代だったと思います。80年代は、まあスミスとニューオーダーとプリンスとREM、以上、という感じでした。オレにとってもまさにそうでしたが、それはそれで貴重ん青春を過ごした80年代でした。しかし、90年代になって「死んだ」と言われていたロックは息を吹き返し、様々なジャンルのロックが奏でられました。ジャンルだけでいうと、
グランジ
ブリット・ポップ
トリップ・ホップ
シューゲイザー
ローファイ
インダストリアル
アンビエントテクノ
ビッグ・ビート
メロコア
渋谷系(笑)

これら全部が90年代に登場したわけです。なかでもグランジとブリットポップは「Nirvana」と「Oasis/Blur」という巨大なアイコンの影響もあり時代を風靡しました。レコード・コレクターズのランキングでもニルヴァーナの「Nevermind」が1位、オアシスの「Moring glory」が6位と順当です。
しかしながら、本書のランキングを俯瞰していて、実は90年代をもっとも代表する音楽ジャンルが他にあることが気づきました。それが

音響系

です。
レコードコレクターズでのランキングで上位30位までみると、なんと音響系は
4位 Beck”Odelay”
7位 Wilco"Being There"
8位 Los Lobos "Colossal Head"
11位 Tortoise "TNT"
14位 LatinPlayboys "Latin Playboys"
16位 Jim O'Rouke "Eureka"
19位 Bjork "Homogenic"
24位 Gaster Del Sol "Camoufleur"
26位 Yo la Tengo "I can hear the Heart Beatins as One"
30位 Prefab Sprout "Jordan the Come Back"
と、全体の1/3を占めています。

「音響系」というジャンルはとてもマイナーなジャンルで、Beckが部分的に紹介してくれている程度だと思っていたのですが、自分的には90年代に最も愛聴していたジャンルの音楽かもしれないので、なんか新たな発見がありました。

90年代は学生としての青春時代が終了し、研修医ーレジデントー佐渡勤務ーLA留学ー東京移住という、なかなか自分の人生では流動性の高い10年だったので、実際には実は80年代の音楽よりも愛着がつよいかもしれないと思いました。特にロスロボス(ちなみに14位のLatin Playboysも中身はロスロボスです)は、留学中に買ってインパクトが強すぎて一日中聞いてました。こういうエクスペリメンタルな作品が評価されているのはうれしいです。俯瞰で見てみるとまた見えてくる景色がありますね。

80年代は、まあスミスとニューオーダーとプリンスとREMでオレの90%カバーできる感じです。あ、そういえばこの90年代ランキングでは「マッドチェスター」ガン無視されてますね。まあ、80年代終盤のくくりなのかもしれません。

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