【ミックスアレンジ分析】Wage War - Deadweight (2017)【全曲リアクション】
1stに続き、Wage Warの2ndアルバム『Deadweight』全曲を聴きながら、注目したポイントをメモしていきました。
プロデューサーは1stと同じタッグの2人。Tom Denneyも変わらずComposerで記載されています。
Jeremy McKinnon: producer, composer
Andrew Wade: composer, engineer, mixing, producer
ちょっと別視点からの「アルバムレビュー」みたいなニュアンスで、お楽しみいただければ幸いです!
それではさっそく1曲目から。
1.Two Years
0:55 一気に音を止めるアプローチ、1stの1曲目と同じですね。意図的にリンクさせたのでしょうか。
0:56-1:05 ベースのバキバキ具合を上げている気がします。
2.Southbound
0:18- ここから鳴り始める高音の上物ギターが、次のパート(0:27)頭に少し残っているのが面白い。キリ良く分けるなら、頭に合わせて切るのが自然なはず。
0:59- サビのリード、1回目の2周目からハモり。「1サビは1本、2サビは2本」のパターンとは別ですね。
1:33-1:35 開放弦リフにコード(和音)ストロークを混ぜると、やはり音量差出ますね。その分1:35のリフ2周目の入りがデカく聴こえるので、あえて小さくしてるのかも。
1:45 ここのベンド1音、やけに大きく感じるのは気のせいでしょうか。直前のパン振りで音数を少なくして、「引き」を作ってるのは流石です。
2:05 たぶんサビ入りのバッキングギターに、トランジェント系のプラグインが強めにかかってます。WavesのTrans-X系。左側のギター音に注目すると分かりやすいと思います。独特の「パコッ」ていうアタック音が聴こえるので。
2:24- 手前のサビで一度ハモったリードギターを、ここでまた1本に戻してからハモり直すのが興味深い。音数を積み上げていくだけじゃなくて、いったん戻すといいう発想……!
3.Don't Let Me Fade Away
0:42 絶妙な音量のリバーススネア最高。このパートも、ギターからトランジェント系プラグインを感じます。
0:58 サビ直前にキックの4連打を入れるのが意外。自分だったらサビ入りのインパクトのために、スネア連打だけにしちゃうかもしれません。
1:12 この人達(プロデュ―サーかバンドか)、ほんと「サビ前のリードギター残し」好きですね。完全に職人芸。
1:14- 主旋律の裏で薄く鳴りっぱなしの「アーーアーーアーーアーー」というバックコーラスが最高にカッコいい。
1:48 1stでよく聴こえた、スクリームVoに歪みを混ぜてる音がします。たぶんDecapitatorではないかと。
1:58 エフェクト音を足しているのか、スネアに合わせてびみょうに金属音っぽいが聴こえて上がりました。2:06でも聴こえます。
2:09 ダダッダッ、の最後の一音だけ、Lギターがハーモニクスっぽくなっている。
2:26 サビ前のブレイクでスネア4連打。なるほど、だから1回目(0:58)はキックの連打だったんですね。めちゃくちゃ勝手に納得。
3:20-3:33 この『We all hide behind a mask We all want to be set free』の部分、1周目(3:05-)に対して音量が上がっている気がします。
3:45- 最後の短い間だけシンバルを抜いてくるあたり、隙が無くて最強。
4.Stitch
1:38-1:55 おそらくここでも、バッキングギターにかかったトランジェント系プラグインが活躍。
2:22-2:35 何気に重なるよく分からないウネウネ音。
2:48 ブレイクダウン入りの、ギター音量の振り切り方(上げ方)に痺れます。
5.Witness
※YouTubeとSpotifyで曲の尺が違うようです。()内YouTube。
0:28-(0:14-) ボーカルに遠めのステレオディレイ(リバーブ?)
2:00(1:50) センターのギターフレーズ始まり、一瞬右側のギターも鳴るのは、どういう意図なんだろう。ディレイ……?
3:00(2:50)印象的なギターステレオディレイ。
6.Deadweight
0:15-0:33 裏拍のスネア中心に合わせて鳴っているエフェクト音が独特。
1:01- ここから左右に動くギターを追っていくと、ちゃんと1:09でLギターのブレイクにつながるのが手堅い。
後半はボーカルのステレオ⇄モノラル使い分けにこだわりを感じます。中央で鳴らした後はステレオで来る、みたいな。
7.Gravity
1:33- 音を伸ばしっぱなしな1番(0:22-)のAメロに対して、2番では音を切ったアプローチ。対になっていて上がります。
2:08- 1番サビしかり、アコギ?のストローク音がパーカッシブなニュアンスも出していて非常にクール。
2:32-2:54 かなり分かりやすくギターにトランジェント(あくまで推測ですが)。ちょっと突っかかる感じというか、引っかかるような質感がそれです。
3:05 他の曲に比べて、この曲はサビ入りでもインパクト音で「ズガーン」とやらないあたり、聴かせるための意図を感じます。
8.Never Enough
0:32- 動くリードとは別で、同音域で鳴り続けるオクターブ。
2:17-2:21 高めのボーカルハモりがカッコいい。
前曲Gravityに対して、展開頭ごとの「ズガーン」ってインパクトが多い気がします。もしかしたら曲順も意識してのアプローチなのかもしれません。
ちなみに以前From the Abyssの音源制作に携わらせてもらったとき、Never Enough冒頭にあるギタープラグ音をリスペクトして、同じ手法をとりました。
9.Indestructible
0:00-
0:07-
ド頭に比べてバンドインしてからは、リードギターの音が微妙に大きく(近く)なっている気がします。
0:18-0:32 リードに近い音域でそれよりは低い音で、もう1本ギターが重なり出しているような。
1:33-1:34 このリフの一瞬だけハモるとこ最高!
1:51-2:04 2周目からキックパターン変化と上物ギター追加。こういうところで絶対に手を抜いてこない。
3:13-3:15 『make it home』の高音ハモりカッコいい。
3:36- 最後のブレイクダウン、キックとベースのアタック上げている説。
10.Disdain
1:53- ボーカルディレイ。
11.My Grave Is Mine to Dig
2:18 こういう形でのベース残しからのサビ入りは、珍しい。
2:49- GideonのPulling Teethみたいなブレイクダウンですね。表拍を抜く感じもGideon型でカッコいい。
12.Johnny Cash
2:25 Wage Warは密かに(?)リバースシンバルでもっていくパターンも多いような。
3:12 ボーカルステレオディレイ。
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というわけで、以上12曲分お届けしました。
よりアルバムを楽しめるきっかけになったら幸いです。
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それではまた🙆!