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'Nevrness - Reorient'セルフライナーノーツ
ベースインストNevrness、
1stアルバム'Reorient'をリリースしました。
おかげさまでiTunesの国内インストアルバムランキングにて、1位獲得📈。
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というわけで今回は、既にアルバムを聴いてくれた方向けに、1曲ずつ解説コメントをしていきます。
※まだ聴いてない方はこちら(←)から各種サブスク/ダウンロードサイトに飛べます。
曲のネタバレ(余計なバイアス)無しで聴きたい方は、ここで停止していただければ幸いです。
それではさっそく!
ちなみにチューニングは全曲
B D F# B E A (6st→1st) です。
1. Unorthodox
アルバム1曲目であり、最初に公開した曲。まずIbanezのデモンストレーション動画としてアップされ、現在早くも11万回再生超え。
ゴーストノートを交えたリフを作りたくてやってみた結果、こうなりました。ハイブリッドピッキングも混ぜてます。この速度でピックのまま弦飛びはなかなか大変なので、指を混ぜる必然性のあるフレーズにはなっているかなと。
2. Alphametic
始まり感があるイントロなので、ここに配置。というのも、1曲目を先行公開するのは決めていたので。つまり、既存リスナーにとっての完全初見(初聴)トラックは、2曲目になる。
実質的な挨拶代わりの一発をここで🤜、というイメージです。0:48~のリードインへの切り替えしがお気に入り。
3. Hexerei
前後にミドルテンポ曲が続くので2ビートを差し込みたく、この配置に。分かりやすくスラップフレーズを弾いたのは自分史上初🤔。
スラップは前半と後半で2回登場しますが、地味に転調? (0:45) しているので、ポジション的には2回とも違うフレーズになってます。
4. Afterwit
ダンサブルトラック🕺💃。メインフレーズ (0:00~0:12) は1本で弾けます。ただ、開放弦で異弦同音を鳴らすので、このチューニングじゃないと弾けません。
そしてお待たせしました (?) 、サビはSBTWでお馴染みもはやお家芸のツインリード。ベースでもハマります。3度ハモりしか勝たない。
5. Diurnal
サビはハモりも試しましたが、結局1本で。「3度ハモりしか~」と言っておいてあれですが、別に盲目的な3度ハモり信仰ではない。曲に合っていることが最重要。
(この曲に限らず)バッキング⇔リードと掛け合い構成になっているパートは、あえて伸びしろを残してあります。ライブでは音源通り弾かずに、アレンジしちゃうようなイメージ。ライブをやるかどうかは全く分かりませんが…。
6. Labyrinth
ハーモニクスリフ。ピック弾き+スラップ+タッピングで弾いてます。拍子チェンジ (0:46~) は昔から使っている手法で、手癖ならぬ"展開癖"。
なんとなくSBTW要素の薄いリフですが、クロマチックなウネウネフレーズ(何それ)は、意外と好きなパターン。Western Survivorsの中間でもやってます。
7. Sanctuarize
『Sailing Before The Wind - Sanctuary』、もっというとFour Riversを愛する全てのリスナーに捧げます。今日までついてきてくれてありがとう。
逆に「この音源からSBTWを見つけてくれる人がいたら嬉しいな」とも思います。NevrnessはSBTWとは別の惑星(世界観)ですが、広く見たら同じ宇宙に存在しているイメージ。
0:57~の刻みはリズムパターンや展開全て込みで、かなりお気に入り。こんなにハッキリ開放弦だけの音を鳴らして良いのでしょうか。w。マジでベースとドラムしか鳴らしてない。スーパーオーガニック。無農薬野菜直系。
8. Gradient
はたしてどれくらいにじみ出ているか謎ですが、自分もともと60'sロックにルーツがあります。メタルよりも先にのめり込んだのって、The WhoとかLed Zeppelin。そんな"ロック"感がリフから伝わっていたら嬉しい。
さっきのツイートはベーシストの作品が無かった🤨
— ビトク@ベーシスト (@Bitoku_Bass) September 8, 2022
こちらは俺的ベースのルーツとなるヒーロー達の作品
もしNevrnessからこの要素を感じられたなら、なんだかとても嬉しい気分です pic.twitter.com/fGDv8wygOV
ちなみにサビ(?)というかメロディパートで主旋律を入れてないのはあえてです。Hexereiもそうですね。アルペジオだけっていう。
たまには「外し」のパターンがあっても良いかなと。インストミュージックは風通しの良さが魅力だと思うので。
9. Vengeance
前曲に対して、こちらはあからさまに"メタル"始まり。学生時代の話ですけど、メロスピ/メロパワ/パワメタ系のCDを結構買ってました。ただし国内盤が出るようなメジャー系じゃなくて、もっとアンダーグラウンドなやつ。
それ系の中古CDはとにかく安かったから、たくさん新しい音楽を聴きたかった自分にとって好都合(?)だった。レーベル見ると、大体はSPV/Scarlet/Napalm Records。ジャケは異常戦士真顔系だったりドラゴン燃え盛りすぎ系だったりのやつ。
ちなみに曲中4/4以外の拍子が一瞬あって、気づいた方はさすが。
10. Skyline
イントロは『ELLEGARDEN - Salamander』みたいなドラムビートをやりたくて、作りました。曲順を決めるときに、すぐ決まったのがSkylineの配置。折り返し地点になるので、後半戦に向けてキメ曲を置きたかった。
リアルタイムで見たことがある方は分かると思うんですが、夕日の沈む瞬間って、あっという間。沈み始めるまでは長く感じるけども。そんな光景を思い浮かべていたらできた曲です。
11. Overrun
スケール的にはSBTWのBreak the Silence系ですね。「ここらでもう一度アクセル踏んどくか!」と考えての曲配置です。
メロディパートの質感は、北欧メタルからの影響が自然と出た感覚。
12. Incorruptible
ハイブリッドピッキング始まりからの、付点ディレイを挟んでタッピングへ。
今作は基本的にリードとバッキング(歪み)の音色を分けていて、このタッピングパートはそれが分かりやすいと思います。
13. Dazzlement
0:11~のようなエフェクトかかったトーン作りには、Soundtoysのプラグインが活躍しました。Overrunの後半もそうです。
0:58~がお気に入り。(Vengeanceしかり) ダークな音使いのあとに清涼系のメロディを差し込んでバランスを取ろうとするのは、自分の作曲習性ですね。
14. Paralogism
頭から半拍外して始まるリズムパターンがやりたくて、イントロ/アウトロを作りました。乗っかっているリードのエフェクトは、これまたSoundtoysのプラグイン。5音(ないし3音)を繰り返して1つの大きなフレーズを作るの、好きでやちがち。サビは北欧系。
15. Tidal
たしか今作で一番最初にできた曲です。なので最初のデモンストレーション動画と、雰囲気が似ている。6フレットや13フレットを使う系のリフはSBTWでは意図的に避けているから、その分Nevrnessで。
16. Waterfall
The Omnific (というかTobyのソロプレイ) から影響を受けてできた曲。アルバムで一番難しい曲かもしれません。ノンストップハーモニクスゴーストノートマッドネス。
最初は中央で鳴っているトラックしかなかったんですが、さすがに寂しいことに気づきアルペジオ(両サイドで鳴っているフレーズ)を足しました。
17. Cloudscape
文字通り、部屋から雲を眺めているうちにできた曲。タッピングフレーズです。アルバム中もっともベースのトラック数が少ない曲で、2トラック。
18. Moonlight
ド頭のリフを「これSBTWで使えそうじゃない?」と思った方、さすがです。そう思ってくれた=手を抜いてない、という何よりの証明。
「SBTWでは没にしたけどこっちで使うか~」みたいな温度感ではやってません。アイデア出し惜しみなし。なんならSBTW曲のセルフオマージュフレーズも入れてます。
曲順17-18-19-20の流れはすんなり決まりました。後半に、強いキメ曲を配置したかったので、Moonlightはここだなぁと。18-19は絶対セットで配置したかったし、17-20の流れは(景色の)時間経過を表現できているので、特に気に入っている流れ。
19. Birthnight
これまた文字通り、誕生日の夜。けど「自分が生まれた日の」という主観的な視点ではなくて、どちらかというと親側からの視点です。自分が生まれたときの、親の気持ちはどんなものだったんだろうか、。僕はまだ親になったことがないので想像の域を出ませんが…。
奏法的には、ブリッジミュートの必然性がポイントですね。テクニカルさは全くないですけど、そもそも今作は(作り手的には)テクニカルを売りにした作品ではないので。
20. Endleaf
言うなればベースインストコア。ギターも鳴ってないしボーカルもないけど、俺的にはこれはブレイクダウン。10年これだけをやってきた、自分なりの反逆心が詰まっています。乱暴な言葉を使ったりオラついたりすることだけが、反逆ではないと思う。
アウトロのアルペジオエフェクトには"Glitch 2"を使っています。2012年のJudgement制作で初めて使ったときはまだ"Glitch"でしたが、気づけば2になっていた。このプラグインも使い始めて早10年。
俺は、まだまだあらがい続けます。「何に対して?」と言われたら、説明するのが難しいから困るけど。w。とにかく、牙をしまった覚えはないわけですよ。1:23で半音上げて終わらせたブレイクダウンそしてベーストーンそのものから、その気持ちが伝わったら嬉しいです。
というわけで、アルバム楽しんでいただけたら幸いです!
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